小黒部谷


- GPS
- 22:34
- 距離
- 43.3km
- 登り
- 3,236m
- 下り
- 5,376m
コースタイム
- 山行
- 4:17
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 5:04
- 山行
- 11:26
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 12:28
- 山行
- 4:24
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 4:51
天候 | 晴or曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
温暖化によりチャンスが減った小黒部谷スキー。今年は雪が多いので行けそうとは思っていたが、ここ数年春タテの週末は資格試験と被るので行けない。諦めかけていたが、会の先輩のKさんから報告が上がったので、被りは恐縮だったが、後悔はしたくないのでGW前半にチャレンジ。B会では今年三パーティ目の小黒部谷になる。
早速アルペンルートの切符争奪戦に出遅れて焦ったが、なんとかリカバリー範囲内。インバウンド恐るべし。
まずは雷鳥沢を快調に登る。剱御前小舎は風が強く、剱岳の山頂も雲に隠れ始めている。剱沢にもテントはない。長次郎谷付近は昨年よりもデブリで荒れておらず滑りやすい。気持ち良くどんどん標高を下げる。
近藤岩手前は沢割れが進んでいるが、ギリギリ繋がっているスノーブリッジがあった。少し登って美しい平の池の雪原で泊まることにする。少し上の稜線にはテントが二張あるが、夜は思った以上に風が強く、少し下がったこの場所にしておいて良かった。剱岳を眺めながら泊まる贅沢。夜は星空がとてもキレイだった。
二日目は気温が上がるので、小黒部谷のゴルジュは早い時間帯に抜けたい。しかし早く出ると稜線直下は雪面が固く横滑り多用、ゴルジュ内は土砂で担ぎ多用と、滑ったというより「下降した」というのが適切。
沢が開けてからは水量が多く、左右に適宜ルートを取りながら進む。この時期になると、雪切れ間近というポイントもある。途中樹齢数十年以上と思われる大きさの倒木が大量に散乱しており、ホウ雪崩の凄まじい爪跡が印象的だった。自然"保護"と言われる傍らで、山もまた圧倒的な力で山自体を破壊している。折尾谷で高巻きと渡渉を二回した後、シュラフ類などの乾燥タイムを兼ねて大休止。
ここからは西谷に入る。中谷出合では狭まった谷の両岸からひっきりなしに落石があり、さすがにロシアンルーレット過ぎると感じ、比較的谷が開けた平杭乗越に向かう登路を選ぶ。暑さもあり大休止を何度か挟みながら進み、標高1500mから板を担ぐ。最後は雪庇の切れ目をキックステップで登り切る。振り替えると小黒部谷が俯瞰できる。ここから見ると坊主山は存在感がある。
稜線は風が強く、翌日も崩れる予報だったので、この日の内に降り始める。毛勝山をパスするのは勿体ないが、東又谷にも興味があるので、そちらは次回に取っておこう。夕方近いが気温が高いので雪は緩んでおり快適。三階棚滝も埋まっており問題なし。ただ、下部は全体的に思ったより荒れていて悪い。一つ目の取水口はロープとハシゴでヤバめな越え方をする。少し先の適地で泊。
最終日は何もないかと思っていたが、意外とまだ悪い。トンネル地点は入り口が雪で埋まっており、上からも下からも微妙に繋がっていない。今回はトンネルの上から懸垂下降したが、もっと良い抜け方があるはず。
片貝山荘を抜けてからは、徐々に美しい新緑も目に止まる。残雪期に感じる山の破壊と再生のダイナミズム。小黒部谷のスキーツアーを通して、山の多様な側面を肌で感じることができて良かった。
毛勝周辺の山は遠くてあまり訪れる機会がないが、興味が高まってきたので色々なラインを登ってみたい。
コメント
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大昔ですが、逆ルート行きました。
当時と比べてゴルジュが荒れてますね。長次郎谷出合の状態は近年稀な良好って感じですね。しかし沢割れが早い気がしますね。
貴重な写真を見させていただきました、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
逆ルートは登りの標高差の方が多く大変そうですね。
今年は降雪量が多かったと思いますが、GW前半はデブリ少なめ、稜線の雪少なめ、という印象でした。
沢割れも早いのかもしれませんが、ゴルジュは雪が多いおかけでデブリの堆積があり、小黒部谷も通過しやすい条件だったのかなと思っております。
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