63.雨飾山「ジャスト・ビギン」
- GPS
- 06:47
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 985m
- 下り
- 994m
コースタイム
所要登山時間:6時間50分
天候 | 10月12日 雨 10月13日 晴れ 風山頂付近で有り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
雨飾高原キャンプ場の幕営料は一張500円。 ビールはアサヒスーパードライ350ml 400円。 登山バッチもここで購入。600円でした。 雨飾荘でも500円で売られていました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は雨上がりということで、岩が滑る、泥がぬかるむ状態でした。ただ、紅葉シーズンになると登山開始時間が遅いと渋滞にはまり、下手すると撤退を余儀なくされるので、夜が明けきらないうちに登山開始がいいかと思います。 登山ポストは雨飾高原キャンプ場登山口にあり。 下山後は雨飾荘の温泉を利用。600円です。外来は15時迄なので、雨飾荘での入浴に拘るなら、それを頭に入れておいたほうがいいかと思います。雨飾荘では軽食が可能です。蕎麦が主体ですが。 |
写真
感想
第63座 「ジャスト・ビギン」
今年は夏がまだ続いているように昼間は暑い日が続いている。オマケに台風の当たり年みたいで、9月上旬にどこかの山へいこうと計画していたのだが、台風が来ていくことが出来なかった。
8月に白峰三山を縦走した後、2020年の五輪の開催地が東京に決まり、当たるはずがないけど、エントリーしなければ始まらないとエントリーした来年の東京マラソンを約10倍の倍率を掻い潜って、何と、当選してしまった。嬉しさよりも、今は無職の身なのに出場してもいいの? と思った。
10月の登山は雨飾山と高妻山、それとも赤城山と考えていたのだが、先日、BSフジで放映された「絶景 百名山」という番組を観ていたら、「殿下」こと俳優の小野寺昭さんが雨飾山に登っておられたので、必然的に雨飾山に決まってしまった。それに秋の紅葉が素晴らしいという評判を聞いていたので、それが楽しみだった。
前出の白峰三山縦走で余ったフリーズドライの牛飯やドライカレーなどが余っていたので、それらを使い切るために雨飾高原キャンプ場で幕営。足はクルマではなく電車に乗ることにした。12日の朝に名古屋駅からワイドビューしなのに乗ったら、自由席が満員電車並みの混雑で、僕は幸い座れたが松本までトイレにいきたくならないかが心配であった。
大糸線に乗り換えると、乗客の大半は白馬岳などに登るであろう登山者が大半であった。彼らは穂高、信濃大町、白馬で次々と下車していった。終点の南小谷に着いた時は僅か数人で、そのうち僕を含め5〜6人の登山者が、間もなく来た雨飾高原行きのバスに乗った。
昼食がまだだったので、雨飾荘できのこ蕎麦を食べた。その時には、無常にも雨が降って来て、間抜けなことに背負っているザックが60リットルなのに、間違えて50リットル用の小さなザックカバーを持って来てしまった。やむを得ずザックカバーを被せない状態で約1時間かけての雨飾高原キャンプ場へ向かって歩いていった。
約40分で雨飾高原キャンプ場に到着。案外早く着いてしまったが、登山者用テントサイトは7割くらいは既にテントが張られていた。僕は管理棟で幕営料を払って、開いたスペースにテントを設営した。この時間は雨が止んでいたので、さほど苦労はしなかった。再び管理棟へいってビールを買って取りあえず乾杯。飲みながら、夕食の準備をした。今晩は名古屋名物の味噌おでんとフリーズドライのドライカレー、馬肉の缶詰。味噌おでんは温めるだけのものを買って来たので、無難に調理することが出来た。思ったよりも食が進み、もう一本ビールを買おうと、管理棟へ向かった。
夕食中にまた雨が降り出したので、テントの中に入って馬肉をツマミにビールを飲んでいた。18時頃になると暗くなり始めたのでヘッドランプを着けたのだが、点けてもすぐ消えるので電池切れかぁ〜と思った。こういう時に限って予備の電池を持っていなかった。これで、ほとんど何も出来なくなり寝始める20時頃まで、しんみりとテントを叩く雨音を聞きながら持って来た日本酒を飲むことしか出来なかった。
登山当日の13日になった。酒を飲んだお陰か? しっかりと眠れた。3時頃に隣のテントがガサゴソと準備する音がしたので、それがきっかけとなって起床した。取り合えず外へ出たら満天の星が輝いていた。その中で僕は朝食作りを始めた。電池切れのヘットランプを極力使わないようにして隣のテントの照明を利用し、春雨スープやフリーズドライの牛飯を作って食べた。コーヒーを飲んだ後に紅茶に蜂蜜を溶かして飲んだ。30リットルザックに雨具や山頂でコーヒーが飲めるようにと小さいコッヘルのなかにガス缶やバーナーを入れてストレッチを始めた。
ヘッドランプが使えれば暗いうちから出発したかったのだが、電池切れで不安だったので夜明けを待って出発することにした。空が白みかけた5時50分に出発した。僕が出発した時には既に多くの登山者が雨飾山に向かって次々と出発していた。最初は木道の上を歩くのだが昨日の雨で滑りやすかった。ブナ平を過ぎたあたりから本格的な登りに入った。
雨飾キャンプ場にいた頃、小さい観光バスやマイクロバスが駐車場に次々と停まっていたから登山者が多くなることは覚悟はしていた。僕は抜かせる時に抜いてやろうと思って、先行していたツアー登山で登っている登山者たちを次々と追い抜いていった。抜きつつ思ったのが、
「こりゃ、山頂は登山者で一杯になりそうだな」
ということである。7時15分に荒菅沢に着いた。8月までは雪渓があったらしいのだが今日の時点では雪渓はなくなっていた。沢が流れていおり、ここで一本を立てる登山者が結構いたので僕もここで休むことにした。見上げてみると、山肌が茶色や黄色に染まっていて、下界では暑くても、山では確実に秋は訪れているんだなぁ〜と感じた。空は雲ひとつない天気で、気分良く登山が出来そうだと思った。
ここからは急登が続く。いつの間にか森林限界を越えたみたいで馬の背のような岩場を二本のポールを使いながら登っていった。二箇所ある木の梯子も慎重に登り切れば笹平は近い。8時30分に笹平に到着。その名の通り周辺は笹が生い茂っており、その向こうには山頂部分がそびえていた。あともう少しだ。僕は笹が生い茂る登山道を縫うようにして通過して山頂直下に取り付いた。
その頃になると、ちらほらと下山する登山者とすれ違うようになり譲り譲られ、9時5分に雨飾山山頂に登頂した。これで百名山は63座目である。周囲は山々がハッキリと見えたが何の山だかは解らなかった。南へ目をやると白馬方面は山頂が雲で覆われており、その向こうでは槍ヶ岳がちょこんと尖がっていたのが見えた。北を見れば糸魚川市街と日本海が見えた。山頂でお湯を温めコーヒーを飲もうと思ったのだが、次から次へと登山者が登って来るので早めに下山した方がいいと判断して、9時30分に下山を開始した。ここからは急な降りが続くのでポールはしまってザックのサイドポケットにくくり付けた。
下山すると結構多くの登山者が山頂を目指していることに驚いた。10時に笹平を通過して下山する単独行か少人数の登山者と混ざる形で降ったが、やはり、木の梯子のあたりで渋滞が発生していた。上から見下ろすと、登ろうとする登山者の長蛇の列が確認出来た。ここで特記すべきことは、降りも登りも頃合をはかりながら、梯子を譲り合って通過していた事だった。審判も警察官もいるわけでもないのに、登山者が協力し合う光景は紅葉を見た以上にいい光景を見たような気がする。
11時5分に荒菅沢に戻った。この先は登りが続くので一本立てることにした。沢の向こうに尖がってそびえてる山が印象的に見えた。あぁ、あれが布団菱というのか。この調子でいけば昼にはキャンプ場に着けそうだと思った。一旦登って降ってブナ林に入って、やがて木道あるところまで戻って来た。行きの時に濡れて滑りやすかった木道はすっかり乾いていた。12時35分にキャンプ場に到着。今回の登山は終了した。登山中は危なげなくケガなく、二回続けて曲げてしまって受難続きのポールも無事に役目を果たした。
ゆっくりとテントを撤収して、雨飾荘に着いたのが14時20分頃だった。15時で外来入浴が終わってしまうので慌てて入浴した。入浴時間は20分ぐらいだったが出来れば長く入っていたかった。そうすると今度は15時9分発のバスに間に合わない。でも、汗を温泉で流して汗臭い格好で電車に乗る事態が避けられて良かったと思う。
こうして、今年の予定していた登山は全て終了した。やはり、無職の身だと遠くへは登山にはいけないし、やはり、働いて堂々と登山を楽しみたいと思いを新たにした。これから迎える冬の間に、どこかの会社に就職を決めて、来年のGWには雲取山に登って、盆休みは東北の飯豊山か朝日岳に登りたいなと思う。
「Jast Begun」を翻訳すると「まだ始まったばかり」という意味なのだが、僕はここで終わりじゃない、ここから新しい僕を作っていかなけばという思いが芽生えた。
そう、ずっとずっと続いてく。
続いていく限り歩かねば、走れねば・・・・。
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