塩見岳〜両俣小屋(大眺望の稜線、北岳は台風のため断念)
- GPS
- 168:00
- 距離
- 40.3km
- 登り
- 3,132m
- 下り
- 3,021m
コースタイム
-烏帽子岳12:20〜12:40-小河内岳13:40〜三伏小屋水場15:55
〜三伏峠小屋テン場16:10
9月19日:三伏峠小屋テン場6:20-本谷山7:15-塩見小屋8:45-塩見岳10:10〜40
-北荒川岳-安倍荒倉岳―熊ノ平小屋15:15
9月20日:熊の平小屋テン場6:20-三峰岳8:15-野呂川越10:40-両俣小屋11:25
-野呂川出合14:10
林道バス14:40→北沢峠14:50、15:00発→仙流荘15:50
天候 | 9月18日:快晴(15時頃ガス) 9月19日:快晴→12時過ぎからどんより曇り、15時過ぎから小雨 9月20日:小雨(稜線は強風) |
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過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
仙流荘から鳥倉ゲート→タクシーにて1時間20分ほど、14940円 (丸茂タクシー利用http://marumotaxi.com/tosan.html) 野呂川出合→北沢峠460円 北沢峠→仙流荘1300円 (南アルプス林道バスhttp://www.minamialps-net.jp/ACCESS/bustime_5.htm) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:鳥倉ゲート、登山口の両方にポストと用紙があります 危険箇所:塩見岳の天狗岩から西峰が岩のガラ場、足元手元に要注意です 三国平から三峰岳間はリッジ状の岩場をしばらく通ります 高度感があり、滑落に注意です 下山後の温泉:仙流荘は営業時間は10:00〜22:00(600円) 火曜日が休みだったので早太郎温泉こまくさの湯まで足をのばしました |
写真
感想
念願の塩見岳!これで日本アルプスの行きたい山、ほぼ踏破できました。
そして塩見から北岳のこの稜線を歩きたかったんです。
前日までの天気予報によるとこの日程はほぼ曇りと雨の毎日。
しかも降水確率は70〜80%…、雨覚悟で、重い腰と荷物とを上げて家を出発。
ぎりぎりまで行くまいか悩んだ。でももう今年はチャンスがないのでダメ元で行こうと決心、車を走らせる。
仙流荘には夜8時ころ到着。お風呂にはいり、車で仮眠。第一駐車場に停められた。仮眠してる人もたくさんいる。夜は小雨が降っていたが朝焼けも見ることができた。タクシーは6時に予約してある。みんなは林道バスに乗って北沢峠に向かう人ばかり。わたしだけ逆方向に…。細い山道を通り抜けて鳥倉ゲートまで送ってもらう。とても親切な運転手さん。道中もいろいろな話をしてくださって、そして降りぎわに、おもむろに袋を下さる。「梨とリンゴを持ってきたんです♪」…、一瞬ぎょえ〜っと絶句した(*_*; うそ〜っ、登山者にこれはないでしょうと思いつつも親切に感謝し、大きな梨とリンゴ、一つずつ受け取る。
荷物、ただでさえ重いのに、マジっすか〜と頭も体もよろよろしつつ登山開始する。
登山道はとっても快適。初めは杉木立のなかを登っていく。それほど傾斜がきついわけでもなく、登りやすい道。小屋の少し手前で水場がある。テント場にもあったけどここで汲めたらと思ってたので2L汲む。さらに重くなり、膝に痛みを感じるような気もしながら1時間登ると三伏峠小屋。日本で一番高い峠?意味がよくわからないけど?小屋のおじさんは気さくでとってもいい人。
テント張ってから、タクシーのおじさんにもらった梨を小屋のおじさんに差し入れとしてあげる。だって次の日持って歩くの重いし★そしたらなんと!余った弁当あるから持って行きなーとお弁当をくれた!梨がお弁当に変身した!すご〜い。こんなこともあるんですね。ちょうどお昼時でお腹すいてたんです。烏帽子岳の山頂で雄大な塩見岳を眺めながら稲荷弁当、おいしかったです、ごちそうさまでした。リンゴは何回かに分けてかじっていただきました。ジューシーで美味しかったです!(^^)!
小河内岳への道はとっても快適です。そこまで行くと荒川岳がドーンと目の前にそびえて本当にかっこよくて、そこにある避難小屋もステキでした。
テント場は7〜8張ほど。小屋のすぐ下にあって眺めのいいテント場です。水場が片道10分少しかかりますがおいしい水がいっぱい出てます。何か声がする?!と思ったら、水場の小屋でラジオが鳴ってました。熊よけだそうです。なるほどー、でもびっくりした。
夜は星空を楽しみ、そして朝、出発です。今日も快晴でどこのアルプスも素晴らしく眺められます。雨を覚悟してただけに本当に予想外の展開で、山ってやっぱ来て見ないとわからないなぁと再認識。山ばかり見てるとなかなか先へ進めません。そして塩見にとりつき、登っていくと塩見小屋。お手洗いを借ります。ここは200円で袋式です。塩見をすぐ後ろにこじんまりしたかわいい小屋でした。
そしていよいよ塩見山頂!という手前のガレ場で同じテン場だった若いお母さんに会いました。ちょっとあいさつしたときに私の付けてたヤマレコバッジを見つけてくださり、お互いヤマレコユーザーだと判明☆slowlifeさんでした!私のこともレポ見て知ってくださっていてこれまたびっくり、いい出会いができました。
塩見岳山頂からは360度の素晴らしい眺望です。空気も澄んでるので遠くの山々も見渡せます。本当に素敵で、今年はあまりお天気に恵まれなかったけどこの一日でその全てが帳消しになった感じでした。そこから熊ノ平へと向かう稜線歩きは最高の気分でした。左右、前後、どこ見ても山、山、山!そして青空、太陽です。これだから山歩きはやめられませんね。
そうこうしているうちに樹林帯に入ってしまいます。南アルプスはすぐ樹林だし、そしてこれがまたうっそうとして怖いんです。熊と鉢合わせにならないかどきどきしながら歩きました。ひたすら長い長い道を登ったり下ったりしてようやく熊ノ平小屋に到着、テントを張りだしたくらいにポツポツ雨が降ってきました。
ここは農鳥岳が正面に見える小屋です。その先にだだっ広い、小川の流れる素敵なテン場があったのですが、到着したときには気付かず、とりあえず小屋から一番近いところに張りました。何て言ったって熊ノ平ですから、熊、いるでしょう^^;
小屋はお客さんが誰もいなかったので中で休憩させてもらいました。おじさんおばさんとっても親切な方でした。夕方から一人だけのテントへ戻って、雨なので中で自炊し、ごろごろゆっくり楽しみます。で、6時30分頃、トイレへ行こうと思って外に出るともうすでに真っ暗…。ライトで照らしても暗闇が怖くてとても出られません。トイレはあきらめてもう寝ることにしました。
夜中に何度も雨音で目が覚めます。テントを打ち付けるすさまじい雨音です。これでは北岳に登るの無理だなぁとすでに気持ちが萎えてしまい、朝に地図を広げてエスケープルートを確認。両俣小屋から林道通って今日中に帰ることに。
小屋のおじさんも台風直撃するだろうから今日中に下りた方がいいと言う。はい、そうします。でも途中、三峰岳を通ります。小屋から標高差400近くあり、これがけっこうきつい。朝一番にこたえました。風もきつくて飛ばされそうだし、岩場で濡れて滑るし、登っても登ってもまだ次のピークが見えてきます。
登りきったところから、間ノ岳への分岐を仙丈の方へ。雲のために今日は間ノ岳も北岳も見えません。ちょっと残念。だけど昨日までいっぱい見たから大丈夫です。
がんばって下ります。どんどん、どんどんザレ場あり、クサリ場あり、下って行きます。途中、1回道を間違えました。おかしいなぁと思いつつやっぱ登山道から外れていると結論づいたので再び間違えた場所まで登り返し、見て見るとやっぱどう見ても間違えてしまう現場。それで石を並べてそちらへは下りてしまわないように目印をつけておきました。わたし、偉いって自画自賛しつつ正しい登山道を進みます。あれって不思議で、そこしか見てないと道がそこにしかないみたいなのですが、落ち着いて他も見ると正しい道が見えてきます。慣れなのでしょうか。
さて、樹林帯にはいり、滑りやすい木の根っこに足をとられながら道を進みます。途中、倒木がいくつもあり、またいで乗り越えていきます。野呂川越から両俣小屋へ急な道、ここはさらに倒木があり、道が荒れてます。両俣小屋は川の傍にあってのんびりした小屋です。草むらの快適そうな広いテント場です。
そこからは崩壊した道、迂回道を進みながら林道へと出ます。最近に山崩れがあったのでしょうか、すさまじい爪跡が残されたままです。治山林道に出て、やれやれと思うも2時間の歩きはさすがに疲れました。山肌を周ってもまだまだ先に道があってなかなか終わりが見えません。景色もそんなに変わらないし荷物は重くて肩が痛くなるし足は痛いし体は冷えて冷たいし…そんなこんなで林道バスの走る野呂川出合に到着。バスまでしばらくありますが、北沢峠まで1時間歩く元気もありません。
30分じっと寒さに耐えながらバスを待ちます。雨は降るし眠いしぼーっとしながら待つうちにようやくバス到着。お客さんわたしだけ。聞いてみると明日は台風のため運休とのこと。今日おりてきて本当良かった〜。
北沢峠から仙流荘行きのバスに乗り、久しぶりに車に帰ってくる。
温泉で疲れを癒し、あとは帰るだけ〜と思いきや、土砂崩れで高速道路が途中通行止めになっている(*_*; 渋滞、渋滞で散々な目に遭い、なかなか瑞浪・土岐・多治見を脱出できず、名神に乗れたのは深夜1時をまわっていた。
でも帰ってからニュース見てびっくりした。名古屋はじめ各地災害がすごくて…
なんとか帰ってこれただけでも良かったです。
北岳でかっこよく締めようと思ってた計画でしたのでちょっと拍子抜けになりましたが、それでも塩見の稜線という目標が達成できて、とっても楽しい山旅でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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かなり悩んだようですが、予定通り行かれたんですね
でも心配してましたよ!
「今日は御池小屋から広河原のはずだから、樹林帯で風雨の影響はそんなに受けないだろうけど、帰りのバスは大丈夫なのかな?」っと。
結果的にエスケープしたんですね。
的確な判断、さすがです
それでも、塩見からの縦走路は青空の下歩けたのは良かったですね
ここが今回のメインイベントでしょうから
写真見てたら、私もまた歩きたくなっちゃいました〜
ちなみに、岩場の写真は竜尾見晴ではないでしょうか
ただいまです
そう、一日早く帰ってきて、今日は片付けとこのレポを書いてました
台風がほんとにこっちに来るなんてびっくりしました。やっぱりわたしは台風女
でも塩見岳の縦走は最高でした。お天気良くて見晴らし良くて夢見てるようでした。まさに雲上のお散歩道ですね。
誰もいなくて静かなのも良くて、穴場コースといった感じです。今でもジーンと感動…
そうそう、竜尾見晴、そうでした。ただすでにもう雲がおりてきてて山はあまり見えなかったですね。
北岳まで行けずに残念でしたね。
でも、塩見が最高で何よりです。
ナシが弁当に・・・、これがさらにビールに化けたら?
なにやら、わらしべ長者のようですね
この連休に荒川・明石・聖の予定で、台風で1日減らしたのですが、畑薙第一ダムまで通行止めで、予定変更です。
今年は台風に翻弄されてますね
やはり塩見に行ったんですかあ〜
レポがなかなか出てこないので、
きっと中止と思っていましたが、どっこい、だったんですね。
このルート、良いですね。
それぞれの尾根からの眺望が伝わってきます。
そして塩見の重量感と言うか迫力!
告白します。
娘の名前は、汐美といいます。
もちろんこの塩見から命名しました。
いつか一緒に登る予定なのですが、いつになるか〜〜
いつもながら、テントを持って素晴らしい健脚〜
minkistさん、こんばんは。初めまして。
今回のエスケープは適切な判断でしたね。
北沢峠でご一緒したhihiさん(女性単独)が同じ日に熊ノ平でテント泊していたはずなんですが無事だかご存知でしょうか。まだ山の中かもしれません。
両俣小屋泊のkimidoriさんは今日、塩見まで無事なことは分かったんですが・・・。
こんにちは!
そう、ほんと、どんどんいいものに変わっていったら笑えますね まさにわらしべ長者
この週末は冷え込むらしいですね、毎日きっと天気図を書いて研究しておられることでしょうね。
初雪になったりして〜 紅葉と雪と青空の景色、最高にきれいでしょうね
こんにちは!
娘さんのお名前が塩見岳からとられているなんて、yamaaokiさん、よっぽど塩見岳に思い入れがあるんですね
縦走には最低3日かかって、しかもアクセスがあんまりよくないので、それで登山者も少ないのでしょうか。
塩見岳は本当におっきくてかっこよくて私も大好きな山の一つになりました
こんにちは、はじめまして
fireboltさんたちも同じころに北沢峠で宴会して、その周囲の山を楽しんでおられたんですね!!
いいお天気に恵まれてすばらしかったですよね。
で、hihiさんかどうかは分からないのですが、同じ日に熊ノ平でテントされてたなら確実だと思います、ブルーのテントだったような…小柄で若い女性ですよね?
20日朝にわたしが下山するのを伝えようと小屋に立ち寄ったときにその女性が小屋のご主人と話しをしておられて、「今日塩見の往復は危ないからやめろ」とか言われておられました。その後どうされたかは分かりません すみません。
もしかしたらkimidoriさんともすれ違ってたのかも!!
三峰岳にさしかかる稜線ですれ違った男性、そのhihiさんの安否を心配して尋ねてこられました。その日は熊ノ平に泊まるって、そして台風過ぎるまできっと停滞すると思うっておっしゃってました。そっか〜、kimidoriさんだったんだ〜
minkistさん、お早うございます。
ブルーのテントで塩見往復予定の小柄女性、三峰岳手前で彼女の安否を気にしていた男性は、恐らくお二人だと思います。
hihiさんも日程に余裕はあるはずなので、1日小屋で停滞できれば危険はないと思います。情報提供有難う御座いました。
yamaaokiさん、
そうですか、汐美ちゃんですか〜 将来が楽しみですね。以前、同級生にズバリ塩見さんという方が居ました。当時は山を知らなかったので、珍しい名前だな・・・くらいにしか思いませんでしたが。
かく言う私も3人目には山と関連のある漢字を使ってしまいました 。
あらためてゆっくりレコ読ませていただきました!
minkistさんが歩かれた塩見岳からの稜線、最高ですね〜
いつか歩いてみたいです。
熊の平からエスケープルートでの北沢峠までの長い道程、
天候不良の中、大変だったと思いますが無事おりられて仙流荘まで戻れて良かった〜。
ところで、テント泊装備を担いでくるだけでも大変なのに、
初日のビール一缶を持ってきたと聞いて驚きでしたっ。
それに加えてタクシーのドライバーさんからもらった大きな梨とリンゴもあったんですね
今後のご活躍も楽しみにしております
その日はそのお二人以外誰とも山ではすれ違いませんでしたね… kimdoriさんはさすがプロっぽかったです。
「こんな雨の日はゆっくり歩かないと汗かいて低体温症になるんだ…」とか言いながらhihiさんの心配されてました。
そっか〜、あの長期縦走のプロのkimidoriさんだんたんですね〜もう少しお話しを伺いたかったです
何だかだらだらとした長文を見て頂いてありがとうございました〜
三伏小屋までは3時間ほどで着くのでビール1缶くらい全然大丈夫ですよ。
小屋で600円なら初日はだいたいザックに忍ばせてますね〜。意外とケチなんです、わたし
minkistさん
熊ノ平から両俣小屋への森林の手前でお会いしました。
きみどりです。さすがにあの日は、これから爆風の稜線へ出るのが怖くて、ドキドキしていました。
京都の方でしたか、イントネーションから関東の方と思いました。
プロっぽいなんて、恥ずかしいです。旅のプロとは思いますが、山は初心者です。ただ山生まれなので・・
黒部下の廊下は、私も行ったことがないですが、半端ない所みたいで、雨でも降れば即断念。(流れが顔面を襲う!!)手を離したら落ちるのわかってても、離せば楽になれると思う程の所だそうです。きおつけて!!
(夏に断念=未開通なので)
こんにちは!
あれ?!kimidoriさんも京都ですか びっくり。
京都人には山ではあまり会いませんよね。
そう、4年ほど東京暮らしをしたこともありまして、言葉の使い分けを多少しています ここ京都ではすっかり京都弁なんですけどね
あの日はkimidoriさん以外誰ともすれ違わなかったのであそこでお会いしてちょっとびっくりしてました。まさか人がおられるとは思っていなかったので ゆっくりいろいろお話したかったです〜
またよろしくお願いします。
下ノ廊下、それほど危険でしょうか…?!ちょっと怖くなってきましたが…行けるかしら
この時期がもっとも安定したコースなんでしょうね。
私も夏に断念した行きたいコースです。
いきた〜〜い。
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