唐松岳(丸山ケルンまで)〜ホワイトアウトで道迷いあわや遭難!


- GPS
- --:--
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 1,028m
- 下り
- 1,021m
コースタイム
- 山行
- 12:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:30
天候 | 晴れ後ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下の樺 下山時は登山道を左に折れながら尾根を進むのだが 今回はここを真っすぐに降り進んで行ってしまった |
その他周辺情報 | 八方池山荘 お風呂あり 牛丼1,100円 朝食も用意してもらい全部で 12,000円くらいでした 本当にお世話になりました |
写真
感想
北アルプスの唐松岳に行って参りました
ここからは道迷いをしてから八方池山荘に
たどり着くまでのことを書きたいと思います
丸山から下山し始めてしばらくすると風は無いが
ガスで真っ白白な状態になる 前方に外人さんの
スキーヤーが見えて少し会話をする 尾根はこっち?
と聞くと そうだと大きくうなずいてくれた
しばらくスキーヤーの後をついて歩く
その後スキーヤーは先行して滑り下りて行ってしまった
気付くとハイカーのトレースは無くスキーのトレースのみ
しばらく立ち止まり考えたのだが何故かスキーヤーの
トレースを追って急斜面を下り始める
斜面は適度な硬さがあり時々大きく踏み抜くが下りのため
このまま麓まで行けそうな気がしてしまった
ガスは更に濃くなり足元の斜面の角度も良く見えない状態に
あっ!と思ったら尻もちをついて20mくらい滑り落ちて
しまった この時はワカンのみを履いていたのだが
足を雪面に蹴り込んで何とか止まった
しばらくすると斜面は緩くなり一瞬ガスが晴れる
なだらかな雪原の先に...あれは?岩岳スキー場?
確かにジグザグの道にスキー場のゲレンデが見えた
とするとこのまま下りて行けばバックカントリーの人達が
良く滑っている大日方の湯の辺に着くのではないか
と勝手に思い込んで更に下り進んで行く
しかし緩やかな斜面になると雪は柔らかく踏み抜きが多く
とても前に進んで行ける状態では無くなる
午後2時30分頃 119番に電話をかける
住所氏名連絡先今の服装など一通りの事を話す
携帯を操作してGPSをONにすると「今あなたは八方池の南側にいます」
という事がわかった
ガスが晴れて岩岳スキー場が見えましたと伝えると
このまま進んで行くと白馬47スキー場の方角になると言われる
この時 自分の思い込みが間違っていたことをはっきりと思い知る
「絶対に下りて行かないで下さい 沢に入ると電波が届かなくなります」
「今の天候ではヘリコプターは飛べません」
「おそらく明日も天候は良くなりません」
「必ず今日尾根まで登って下さい」
わかりました...
なんでこんなところまで降りてきてしまったのか後悔した
その後110番をして連絡を取り合っていると
「大町警察署の○○です」
「私は山岳救助のプロです」
「これから必ず私の言うとおりに行動してください」
「必ず今日中に八方池山荘まで戻りましょう!」
と言ってくれる人が電話をかけて来てくれた
そうだ必ず今日 八方池山荘まで戻るぞと希望が湧きあがった
その後大町警察署の山岳救助の担当の方と連絡を取り合う
今思えば今更なのだが自分の携帯を操作してグーグルマップで
現在地を知る 確かに八方池の南側に現在地のマークはある
「まずは尾根まで上がってください」
「尾根まで上がったら電話をください」
わかりました
降りてきた斜面は登り返すには急で息が切れた
やがて日が暮れはじめヘッドライトのスイッチを入れて
登り始める たちまち辺りは真っ暗闇になった
ここからはヘッドライトが全ての頼りだ
踏み跡を外れないように確実に登り返していく
踏み抜くと体力が消耗するのでワカンのみで登って来たのだが
それでも雪が崩れてワカンがひっかかり登れない...くっくそう...
その後踏み跡を外れて硬い雪面を選んで登り始める
ふと気付くとガスは晴れて月が浮かんでいた
その後も尾根まで上がれましたか?と電話を定期的にもらうが
思うように上がれずにいた
ガスが晴れたおかげで視界が利くようになり
北の方角に尾根らしきものが見えてその先に遠くの山並みが見えた
その時は少し下るが登り返せば尾根に上がれるぞと思い込んで
北の方角に向かい斜面を横に歩き始める
滑落しないように慎重にトラバースして行く...
そしてその尾根だと思い込んだ場所まで登り返して見えた景色に
愕然とした そこは尾根では無くまだはるか先に本当の尾根が見えた
下を見ると途中で切れ落ちている崖が見えた
そこから上に登ろうと歩き始めるが雪に埋まって全く進めなくなった
その時「どうですか?尾根に上がれましたか?」と電話をかけて
来て頂いた 電話はありがたいのだが 強風が吹く場所で
携帯の操作方法で航空写真の画面に切り替えられないですか?
と求められて寒さと電波が途切れ途切れの状態で意気消沈した
「尾根に上がったら電話をください」
わかりました...
仕方なくトラバースしてきた道を戻り最初に下りてきた場所まで
戻ることにした その場所までたどり着いて
これも今更なのだがワカンから12本爪アイゼンに履き替えた
残りの食料のおにぎりを一つ食べて飲料水の最後の一口を飲んだ
アイゼンに履き替えると崩れた雪の斜面も何とか登れた
その後は比較的に硬い斜面が続き確実に登れた
携帯で確認すると確実に下の樺の登山道の点線に近づいている
ことが確認出来た あと50m あと20m ...
足元を見ると朝歩いたダケカンバの真横を歩いたトレース
少し下って携帯を確認すると自分の位置と登山道の点線が
重なっていた 下の樺に着いた ほっとした 夏はダケカンバの
緑葉が陽射しをさえぎる休憩適地だ
「ダケカンバが有ります 下の樺に着きました」
「ダケカンバ!そうですか登山道の点線と現在地は重なってますね」
「重なってます」
「そこから細い尾根道を行くと尾根上に○○ケルンがあります
10分くらいで着くと思います ○○ケルンに着いたら電話をしてください」
この後も大町警察署の方と連絡を取り合った
本当に10分くらいで○○ケルンに着いた
それは八方池の上にあるケルンだった
「○○ケルンに着きました!」
「次は3メートルはある大きなケルンを目指してください」
わかりました それは人の顔に見えるあのケルンだった
月明かりに照らされて左下にヤスムケルンらしき黒い点と
トイレらしき大きな黒い点がそこから確認することが出来た
「スキーヤーのトレースに惑わされないでケルンを目指して下さい」
わかりました
「ヤスムケルンに着きました!」
そうですか「体力は大丈夫ですか?」
大丈夫です!
トイレは見えますか
見えます!
「必ず八方池山荘まで行きましょう」
わかりました がんばります!
「次は石神井ケルンに着いたら電話してください」
わかりました
八方山ケルン?ケルンに着くと八方池山荘の灯りが見えた
電話をかけると「八方山ケルンと石神井ケルンは一緒です」
「そこから八方池山荘の灯りは見えますか?」
見えます!
「尾根を確実に歩いて降りて下さい 八方池山荘の灯りが
見えなくなったら電話してください 15分後に電話して下さい」
わかりました
そして午後9時30分頃 八方池山荘にたどり着いた
山荘の方がお二人で玄関の戸を開けて待っていてくれた
「ご心配をおかけしてしまいすみませんでした」
「まあアイゼンをここで脱いで お風呂にでも入ってください」
本当に安堵した
玄関先で大町警察署の方に八方池山荘に着きましたと電話をした
「今着きました!本当にありがとうございました」
「着きましたか」
「今回のことは捜索願が出ている訳では無く 新聞等で公表することも
ありません」
「今回の装備についてはもう一度検討してみてください
地図 コンパス GPS 万が一の時のテントやツェルトなど...」
そして「また山を登りに来てください」と言っていただいた
漫画の岳で読んだ 「また山においでよ」のフレーズを思い出した
改めてお名前を聞いた
「大町警察署の○○です お疲れ様でした
今日は山荘でゆっくり休んでください」
「本当にありがとうございました」本当に感謝した
アイゼンを脱いで山荘に入るとストーブのあるベンチに案内して頂き
どうぞと暖かいお茶をいただいた そのお茶は手の指先 足の指先に
まで じ〜んと染み渡る本当に美味しいお茶だった。
無事でなりよりでした。
コメントありがとうございます。
沢みたいな感じのところの辺が一番真っ白白でした
迷ったら元いた所まで戻るが1番だと言うことを痛感しました。
ホワイトアウトだと道迷いするんだね
無事でなによりです
ご無沙汰しております
ホワイトアウトは本当に怖いです
今思えばなんで?なんですが...冷静な判断能力が無くなります
以前からフォローさせて頂いております。
大変でしたね。無事戻れて何よりです。
気になったことがありましたからコメントさせて頂きます。
山でGPSを利用して現在地を確認するのは今や常識となりつつありますが、現在の手法は変えられた方が宜しいかと思います。Google mapでは登山道を見ることは出来ないし、山の形状もイマイチわかりません。山レコユーザーであれば、登山前に計画書を作成、あらかじめ登山地図もダウンロードした方が良いと思いますよ。
恐らくそれが出来てなかったのでは?と推察致します(登山ルートの記録を見る限りですが)
スマホに山レコアプリをインストールして下さいね。
登山開始とともに記録開始。仮に登山道を外れればスマホが道から外れたことを喋って教えてくれます。
これも時代の流れですね。この時代の波に乗るのか、昔ながらの地図を見てコンパスで🧭測定しながら進むのかは人それぞれなので、お好きな方法で。ただ、ホワイトアウトしたら測量では無理ですね。なので私はスマホ派です。
いずれにせよ冬山は常に現在地を確認出来なければ、やめた方が宜しいかと思います。
人生の先輩に対して失礼がありましたら、お詫びいたします。
こんにちは コメントありがとうございます
雪山でのホワイトアウトの怖さを初めて体験しました
おっしゃる通りでグーグルマップの地図だと平面的で
等高線も無く斜面の角度がわかりませんでした
早速ヤマレコアプリをインストールして見たいと思います
ご教授いただきありがとうございます。
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