ヘリで行く山 青ヶ島・大凸部 絶海にそびえる二重カルデラへ


- GPS
- 46:31
- 距離
- 34.1km
- 登り
- 1,615m
- 下り
- 1,747m
天候 | 23、24日 晴れ 25日 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
飛行機
ANA 羽田7:30−八丈島8:25 愛らんどシャトル 八丈島9:20−青ヶ島9:40 (帰り) 愛らんどシャトル 青ヶ島9:45−八丈島10:05 ANA 八丈島14:10−羽田15:05 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【交通】 東京−青ヶ島の直行便はありません。 八丈島を経由する必要があります。 八丈島−青ヶ島は、船とヘリが出ています。 船(伊豆諸島開発 還住丸 八丈島10:00−青ヶ島12:45 片道2,830円) ヘリ(東京愛らんどシャトル 八丈島9:20−青ヶ島9:40 片道11,210円) ただし、船は就航率が極端に低いのでお勧めできません。 八丈島まで東海汽船(東京22:20−八丈島9:20)を利用した場合、ヘリに乗り継ぎができません。 八丈島で1泊する必要があります。 飛行機(ANA 羽田7:30−八丈島8:25)を利用すれば乗り継ぎ可能です。 ヘリは、荷物の大きさ、重さに制限があります。 大きさ40cm×20cm×25cm以内、重さ5kg以内と、ちょっと厳しい設定です。 これを超えると超過料金がかかります。 2014年1月から、大型船「あおがしま丸」が就航するそうです。 1日2便(週3日運行)になり、就航率が高くなる予定だとか。 今後は、船での計画も立てやすくなると思います。 【宿泊】 民宿(1泊3食付)の利用が一般的なようです。 無料のキャンプ場もあります(村役場で申請が必要)。 役場は土日休みなので、キャンプ希望の場合は事前に連絡しておくといいでしょう。 ヘリポートで受け付けしてくれるようです。 【食事】 飛行機・ヘリは、ガス缶、アルコール燃料、固形燃料などの持込ができません(船は可)。 青ヶ島でガス缶等を入手するのは難しいと思います。 感想の最後に「山道具飛行機持ち込み可否一覧」を書いておきます。 キャンプ場の近くには地熱釜があり、蒸し料理をつくることは可能です。 蒸し料理の食材(イモ、卵など)は島唯一の商店・十一屋酒店で入手できます。 サトウのゴハン、レトルトカレーなら地熱釜でも作れます。 コンビニや食堂はないので、自炊するしかありません。 以上のような状況から、民宿は1泊3食付となっています。 【観光】 青ヶ島村のHPを参照してください。 詳細な観光地図がダウンロードできます。 http://www.vill.aogashima.tokyo.jp/top.html 【温泉】 地熱を利用したサウナ施設があります。 ふれあいサウナ(300円) 【居酒屋】 青ヶ島には、なぜだか居酒屋が2軒あります。 「居酒屋もんじ」と「おじゃれ杉の沢」。 夕方から夜遅くまで営業している模様。 なので、夕食ならここで食べることができます。 |
写真
伊豆諸島の最南端に位置する二重カルデラの島です。
ヤマレコの地図で表示すると、その特異な姿がよく分かります。
来年からは大型船が就航するので、観光客の数も大幅に増えることでしょう。
行くなら今、というわけで行ってきました。
数年前にこれを見て、一度行ってみたい! と思ってました。
(引用元)
http://emior.iord.u-tokai.ac.jp/misc_20091102.html
ヘリ内で写真撮影をする際は、事前に乗務員の許可をとっておいたほうがいいと思います。
離陸時と着陸時は撮影できません。
今回は操縦席の真後ろだったので、パイロットに撮影タイミングの合図をもらいました。
ここも玉石の急階段。
面倒なので、上まで行くのはパスしました。
後で聞いた話ですが、村でも有名な心霊スポットらしいです。
なんでも、本土からやってきた霊能者が、玉石の階段を登る途中で怖気づいて帰ってしまったのだとか。
行かなくてよかった。
幻の酒・青酎(あおちゅう)の飲み比べができます。
同じ青酎という銘柄でも、杜氏によってまったく違った味に仕上がっています。
ラベルが同じでも味が違うんです。
まずは「おじゃれ杉の沢」へ。
酔っ払った地元の方たちとの交流も楽しいもの。
同じ宿で、青ヶ島の公務員試験を受けに来ていた若者がいて。
他にも試験を受けに来ていた連中、計4人と一緒に飲みに行きました。
すると、なぜかおじゃれ杉の沢の大将がやってきて、一緒に飲むことに。
その大将に拉致?されて、同じ宿の若者と二人でまたおじゃれ杉の沢へ逆戻り。
結局3時まで飲みました。
で、これがキャンプ場近くにある地熱釜。
イモや卵などを入れ、下のコックをひねると、約90度の蒸気が吹き出します。
天然の蒸し料理が楽しめるというわけです。
この山は大人ヶ凸部。
地形図には登山道が記されていますが、踏跡らしきものは見つけられませんでした。
藪漕覚悟で登る予定でしたが、時間がないので今回は断念。
サウナ室手前の洗い場でさえこの状態。
天然の水蒸気を使ったミストサウナです。
水道の配管も地熱で温められているため、蛇口からはお湯しか出ません。
感想
最近、テレビ番組でもなにかと話題の青ヶ島。
世界的にも非常に珍しい、端正な二重カルデラ地形。
島自体が巨大な海底火山の山頂部なのです。
ほとんどゲームの世界。
ラスボスが出てくる最終ステージのような島です。
さすがに、絶海の孤島。
そう簡単には行けないようにできてます。
東京からの直行便はありません。
八丈島を経由する必要があります。
八丈島−青ヶ島の交通手段は2種類。
船とヘリ。
ヘリだと片道11,210円、高い!
船なら2,830円、よしこれだ! と思うじゃないですか。
就航率を聞いて驚きます。
60%以下。
ひどいときは、2週間も船が出ないことがあるのだとか。
こんなじゃ計画が立てられませんよ。
青ヶ島で2週間停滞なんてことになったら悲劇です。
帰ってきた頃には、会社クビです。
というわけで、豪勢にもヘリをチョイス。
せめて八丈島までは安く押さえたいよね。
庶民の味方、東海汽船2等船室8,900円。
さらに、株主優待券を入手すれば35%引きで5,785円に。
ん?
時刻表、なんかおかしくないですか。
東海汽船 東京22:20−八丈島9:20
愛らんどシャトル 八丈島9:20−青ヶ島9:40
これ、乗り継げませんよ。
八丈島で24時間待てと?
どっちかを、あと1時間ずらしてくれれば乗り継げると思うのですが。
いろんなしがらみがあって実現しないのでしょう。
結局、飛行機〜ヘリという、贅沢の極みリレーを選択するしかありません。
料金は?
ANA特割 羽田−八丈島 片道12,470円
愛らんどシャトル 八丈島−青ヶ島 片道11,210円
えーと、往復47,360円ですか。
海外いけますね。
予約を取るのもなかなか難しい。
ヘリの定員はたったの9名。
村民のほか、役場や工事関係者などで常に予約は満席状態。
天気予報にやま張って、二週間くらい前から予約しないとダメです。
ヘリと飛行機の予約が済んだら、今度は宿。
無料のキャンプ場もあるのですが、ちょっと問題が。
青ヶ島にはコンビニや食堂がありません。
現地での食事も食料調達も困難なのです。
じゃあ、持って行けばいい?
そういうわけにもいきません。
飛行機とヘリを利用する関係で、ガス缶もアルコール燃料も固形燃料も持っていけません。
なので初日は民宿、次の日はテン泊として、民宿で食料を譲ってもらう作戦を立てます。
飛行機、ヘリと乗り継いで、念願の青ヶ島へ上陸。
大凸部から見る、360度の水平線は、まさに圧巻でした。
二重カルデラの景色は、ずっと見ていて飽きることなく。
なんだか、現実とは思えないような空間。
民宿・あおがしま屋の女将さんは気さくな方でした。
1泊3食なのですが、次の日キャンプだと話したところ、昼ご飯にとおにぎりを作ってくれました。
さらにイモや卵、明日葉などの食材も頂いてしまい、1泊5食分ってことに。
村の人も親切な方が多かった。
地熱釜のところでも、「キャンプしてる人?」と声をかけられ、おにぎりをわけてもらったり。
居酒屋では、青ヶ島村の裏話をたっぷりと聞かせてもらいました。
ちょっとここでは書けないようなことまで。
ちょうど青ヶ島の公務員試験があったようで、同じ宿の若者が受験者でした。
島外の人間が青ヶ島に住みたいなら、公務員試験を受けるのが近道のようです。
いろいろとあるようで、やめる人も多いらしく、けっこうな頻度で募集をかけています。
とにかく楽しく、充実した3日間でした。
いつかまた。
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【山道具の飛行機内持ち込みについて】
・機内持ち込みは1人あたり10kgまで。サイズ制限もあるので注意。
・受託(預ける場合)は1人あたり20kgまで無料、それ以上の場合は追加料金がかかります。
(A)機内持ち込み、受託いずれも可
(B)機内持ち込みのみ可(受託は不可)
(C)受託手荷物として可(機内持ち込みは不可)
(D)機内持ち込み、受託、いずれも不可
使い捨てライター、安全マッチ(B)
一人1個限定で持ち込み手荷物としてのみ可です。預けることはできません。
徳用箱入りのマッチや耐風マッチ、ターボライターなどは(D)となるようです。
オイルタンク式ライター(D)
吸収剤(綿)がないタイプのオイルライターは、一切持ち込み出来ません。パーマネントマッチ、オイルマッチもこれに含まれます。
ライター用燃料(D)
ガス、オイルいずれも不可です。
ガスボンベ(D)
これも持ち込み不可、預けることもできません。
カセットコンロ、ガスバーナー本体(A)
コンロやバーナー本体は持ち込みOKです。
燃料用、消毒用アルコール(D)
ガソリン、灯油(D)
炭(D)
固形燃料(D)
エスビットや100均固形燃料は、可燃性物質にあたるので不可です。
例外として、デュアルヒートはOKなようです。
http://www.y-inoue.co.jp/
加熱式弁当容器・飲料容器(D)
ヒモを引っ張ると温かくなる弁当や飲料のことです。使用されている「生石灰」が危険物にあたるため不可です。
酒類 度数24%以下(A)
「小売販売されている容器に収納されていること(スキットル等水筒型のものに移し替えられているものは不可)」という但し書きがあります。
これを文面通り捉えるなら、ワインをプラティパスに入れ替えて持ち込むのは不可となります。
酒類 度数24%以上70%以下(A)
1人あたり5リットルまで持ち込めますが、但し書きは「小売販売されている容器に収納されていること(スキットル等水筒型のものに移し替えられているものは不可)」。
つまり、ウイスキーをスキットルに入れて持ち込むのは不可、購入したビンのままじゃないと持ち込めません。
酒類 度数70%を超えるもの(D)
度数の高いウォッカをアルコール燃料として使おうと思ったのですが、やはりダメでした。
はさみ(C)
先端が尖っていないもので刃体6cm以下であれば(A)持ち込みも可能です。
ナイフ、ツールナイフ、カッターナイフ(C)
小さいものでも持ち込み手荷物としては不可です。預ける必要があります。
アイゼン、ピッケル(C)
預ければOK。スノーシューも同様です。
登山用ストック、金剛杖、三脚、一脚(C)
折り畳んだ状態で60cm以下のものは(A)持ち込みも可能。
ペグ(C)
類似例として、釘は長さ6cm以下のものは持ち込み可能、それ以上の長さは受託となっています。
ペグも基本的に預けたほうがいいでしょう。
おの、なた(C)
預ければOKです。
※これは個人的に調べたものです。解釈が間違っている可能性もありますので、ご注意ください。
※この情報は2013年11月20日現在のものです。国土交通省および航空各社のガイドラインが変更される場合もありますので、それぞれのHPなどで確認してください。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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westmalleさん、こんにちは。
鬼ヶ島ですか?
面白いとこに目を付けますね
探検部にいましたか?
食べ物、猫、山と興味がつきないです。
westmalleさん、こんばんは。
まったく奇想天外な、度肝を抜く、記録恐れ入りました。島が踏破の跡で、赤く染まっているので、笑ってしまいました。でも、westmalleさんが本気を出せば、もっと赤く染められたのでは❓
今日、山行計画を、練っていたのですが、この記録を見た後では、計画を練っていた際の、自分の悩みがアホらしく、なってきました。ここで、夜になったら、ヤバイなとか。
もう少し、私の計画にも、何か新鮮なエキスを注入したいなと、思わせる夕暮れです。
westmalleさん、こんにちは。
会社でちらっと見て、これはゆっくり読まねばと家に
帰るまで我慢しました。
今回も驚かされましたよ。
最近はshuchanさんのレコを読んで、これはどこだどこだって感じ
だったのですが、さすがwestmalleさんですね。飛び抜けて
ますよ。
ヘリ、どこ行ったのって感じから、居酒屋、テント、サウナ・・・・
ほとんど理解不能でした。
でもwestmalleさんの本領発揮のレコですね。
ネコ、ほんと目つき悪いね。
青ヶ島の異名は鬼ヶ島なんですよね。
kurosukeさんよくご存知で。
源為朝の鬼ヶ島伝説の舞台としても有名ですが。
その辺から鬼が飛び出してきてもおかしくないような地形でした。
鬼はいなかったけど、霊はたくさんいるようです。
同じ宿だった若者が、しきりに後ろを気にして、「誰かいる」と言ってました。
島のいたるところに薄い踏跡が付いていて、どこに繋がっているんだろう?と。
突然、断崖絶壁があらわれたりするので、下手に歩き回れませんでしたが。
藪漕しながら外輪山を周ってみようと思っていたのですが、とても無理でした。
まあ、初日に朝3時まで飲んだのが敗因ですね。
次に行く機会があったら、もう少し頑張って歩いてみます。
青ヶ島。
以前から一度行ってみたいと思っていたんです。
やっと念願かなって行けました。
日本の秘境100選に選ばれるだけあって、なかなかすごいところでした。
ヘリなんて、一生のうちそんなに乗る機会はないでしょうね。
島のネコたち、たくましく生きているようです。
westmalleさんこんにちは。
以前も島のレコがありましたね。
島好きですか
さすがですね、簡潔で分かりやすくて面白い文章、勉強になります
青ヶ島の裏話、次回丹沢24時間でじっくり聞かせてください。
あっ、半年後まで忘れないようにしなくては
島登山、いいですよ。
非日常を味わうには最高のシチュエーションです。
旅費が高いのが難点ですけど。
青ヶ島村の人口は165人。
でも、実際には80人くらいしかいないのだとか。
その理由は……
次回、丹沢24時間のときにでも。
westさん、こんばんは。
島探検、いいですね。私も大学時代、沖縄・慶良間諸島の座間味島や阿嘉島、無人島のムカラク島、安室島を探検したのを思い出しました。特に阿嘉島では台風に閉じ込められて、一週間歩けるところをくまなく歩いて島内探検したのを懐かしく思い出しました。
青ヶ島については、westさん以上に詳しい人は島の人以外にはいなさそうですね。青ヶ島も、私が子供のころ、父親が仕事で何度が行っていて、身近に感じていました。12月には八丈島へ行く予定ですが、青ヶ島には行きません。来年は青ヶ島が有力候補になりました
慶良間諸島とかいいですね。
一度行ってみたい。
無人島も探検してみたいし。
学生のうちに行っておけば良かったと、今頃後悔してます。
青ヶ島、本当にいいところでした。
オススメです。
二重カルデラの島は珍しいらしく、海外からも注目されているそうです。
最近はテレビ番組で立て続けに紹介されているので、近いうち人気スポットになるかもしれません。
来年からは、船便も便利になるようですし。
12月に八丈島に行かれるのですね。
レコ楽しみにしています。
今回、八丈富士には登れなかったので、近いうちリベンジしようと思ってます。
八丈には何度か行きました。
ダイビングで、ですけど。
二重カルデラですか、見てみたいです。
TVで話題なのですか?これも知りませんでした。
島のノンビリ感がなんともいいですねぇ。
宿のオバちゃんがいろいろ世話やいてくれたり、オッチャンが呑んでばっかりとか、島の共通項でしょうか?
アジアもカリブも似てる気がします。
島に渡っての山旅(探検?)、ごちそうさまでした。
青ヶ島。
周囲が断崖絶壁なので、マリンスポーツがまったくできないんです。
なので、伊豆諸島の中でも特に知名度が低いようです。
テレビ取材は、去年くらいから急に増えたのだとか。
居酒屋の大将も、「ローラが店に来たんだよ!」とうれしそうに写真見せてくれました。
島の共通項、まさにそうですね。
オッチャンたちは呑んだくれて、くだ巻いてて。
その分、女性達はしっかり者という図式。
島あるあるですかね。
オッチャン連中の話、同じ話題が延々とリピートされていて面白かったですよ。
来年は八丈島、行こうと思ってます。
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