神楽坂界隈・蟹川弁天町支流(仮称)下降〜神田川合流点まで〜


- GPS
- 16:00
- 距離
- 3.7km
- 登り
- 9m
- 下り
- 20m
コースタイム
15:30〜17:00 巡検
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
[復路]++木場++(りんかい線)++トウキョウテレポート-すりばちナイト |
写真
感想
神楽坂のNPO法人『粋なまちづくり倶楽部・神楽坂大學』が主催する”ブラカグラ”。
「暗渠・旧川跡」というマニアックなテーマに誘われて行ってきました。
「かつての東京には、山の手から武蔵野にかけて無数の川が流れていました。そこには童謡「春の小川」に出てくるような小川のせせらぎの風景があったのです。それらの川の大部分は、関東大震災後の市街地拡大、そして高度経済成長期という大きな二つの波を経て、フタをされたり下水化されてその姿を消してしまいました。しかし今でもまちあるきしていると、くねくねとした道路や路地に出会うことがあります。これらはかつての川筋の雰囲気を今に伝えるサインです」
先生は、「東京ぶらり暗渠探検 消えた川をたどる」の本田創先生でした。
(1) 最初はスライドを使った講義。
・人口が急増した東京は六郷用水・神田上水・玉川用水・三田用水・千川用水など人々の飲み水を供給した「動脈」と、消費された生活用水を流す川などの「静脈」があった。
・関東大震災以降、それらの川にフタをする暗渠化が進んだ。
・環境問題があり、虫の発生するどぶ川にフタをしようという発想。
・その後、河を再生しようという動きがでてきて暗渠化に歯止めがかかった。
・干上がっていた渋谷川に高度処理水を流して流れを復活させたなども一例。
・玉川用水・千川上水・野火止用水の復活もそう。
・暗渠のサイン
・杉並区は金太郎
・クルマ止め(車の重量にフタが耐えられないので)
・急に幅が変わる道路
・段差
・橋の跡
・親柱(しんちゅう)
・業種(クリーニング屋・染物屋・米屋(精米のための水車と関係)
・弁財天
・突き出した排水管
・背を向けて入口のない家並み
・特定の地名(久保・窪・ツル((鶴巻町・弦巻町)のツルは水・湿地の意)
・銭湯(排水を川に流す)
・学校(用地の確保)
(2)巡検
今回は、神田川にそそぐ蟹川の支流(弁天川支流(仮称))を源頭から下りました。蟹川とは新宿・歌舞伎町あたりから流れだす川で、戸山公園や早稲田大学を経由し、地下鉄江戸川橋駅周辺で神田川にそそいでいた川ですが、昭和初期には暗渠化され現在、は大部分が下水道の戸山幹線となっています。
その蟹川(金川とも加二川とも)に新宿山吹高校周辺で合流していたのが、今回たどる弁天町支流(仮称)です。
最初に訪れたのが、牛込柳町の駅のちょうど南にあたる「川田久保」。路地に入り込むと枝道の奥にはナンと井戸があって驚かされました。水が湧きだす場所で地下水位が浅かったことをうかがわせます。最奥部はちょうど家の一階の高さの段差があって壁となったり急な階段となっていたりします。
ここがちょうど地学でいうところの「武蔵野面」(低位面)と「下末吉面」(高位面)の段差であり、同時に浸蝕の源頭といえるようです(ちなみに神楽坂は「武蔵野面」上)
本田先生によれば「下末吉面」はむかし海の底で、その平らだった海底が海の後退によって地上に現れ、地上にあるがゆえに浸蝕がはじまってこのような谷地形が出来上がったということです。
源頭部には寺がありました。スリバチ学会の皆川さんによると谷底には寺が多い、尾根の突端には神社が多いという原則があるそうで、それとも合致するような気がしました。
川田久保より牛込柳町の交差点を過ぎて旧河道を下ります。途中から左の細い舗装道路に入りますが、これが昔の流れだそうです。
いまは暗渠となってしまい下水道弁天町幹線になっています。
昭和初期に設置されたこの下水道であるため、当時のマンホールが残っていました。
マンホールマニア垂涎の「燈光マンホール」で、丸い穴がたくさんあいていてそこから光を差し込んだ珍しいものだそうです。
この通りは道路ではなく「水路敷」(すいろじき)、すなわち川という扱いになっているそうです。
その先で弁天様を囲むようにして流はこの字型に変化します。
この弁天様は弁天町の名前の由来ともなった「宋参寺の弁天社」とのこと。
山吹高校を過ぎるとまた道は狭くなりくねくねと曲がっていかにも昔の河道跡という風情です。
「ほらね、このように曲がり角が尖っているでしょ。理由もないのに」
納得がいきます。
歩いていると印刷屋さんやら肉屋さん、米屋さん、そしてなんとお風呂屋さんまで登場。
流れのそばにあるような業種のオンパレードに感心。感心!
最後は、神田川の通りに出て終了。ちょうど17時でした。
説明が丁寧で楽しい”ブラカグラ”でした。
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