正月の上高地周辺散策



- GPS
- 52:12
- 距離
- 41.7km
- 登り
- 1,265m
- 下り
- 1,264m
コースタイム
- 山行
- 4:53
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:03
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 9:23
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
1/2前夜大津の町を出発して未明に平湯に到着して駐車場でそのまま仮眠。朝定期バスに乗って釜トンネル前で下車すると、そこにはもうタクシーがいるではないか?何時に下山する?との質問に不機嫌そうに泊まりだ!と答えてゲートの中へ入る。目の前には新しい釜トンネルがあって、左奥に小さな穴があると思ったら、旧のカマトン入口であった。変わったものだ。旧のカマトンの冬は中が凍結していてアイゼン無しでは歩けないばかりか、出口が雪崩の巣状のルンゼがあるので冷や冷やものであった。今やトンネルは3倍くらいの長さであろうか?雪崩の心配もない場所が出口である。
冬の上高地はスノーシューのウォーキングで賑わっているそうだが、我々はそんな趣味はない。氷雪の山小屋で正月を過ごそうと来ただけである。ついでに雪景色でもとアイゼンとワカンを持参したのだ。トンネルを出ても雪は固く何も道具はいらないが、スノーシュー組はこんな固い雪でもスノーシューを履くようだ。履くために来たのだからやむを得ないかもしれない。大正池旅館は今や大正池ホテルとして、正月は年末から三が日のみ営業をしているようだ。我々も悪天候時には避難所と考えていたが、今回は不要のようだ。
大正池の立ち枯れの木がなくなって久しいが、やはり何か不足の感が拭えない。車道から大正池沿いの林間のコースに入ると、雪は積もっていてワカンを履くほどでもないが靴が踵程度は埋没した。田代橋から帝国ホテル前に向けて歩いていると木々の上に猿が固まって毛づくろいか寒さ除けか?おとなしく団子状態でいた。上高地バス停は当然ながら無人で静かである。河童橋脇の五千尺ホテル前の休憩場所は無雪期の血相とは裏腹で寂しい限りである。小梨平には天幕が数張設営されていて、炊事場にも人がいるのである。明神まで来ると人気はないが、明神池への道には足跡が乱れている。帰りにでも行ってみようといいながら、徳澤を目指した。左手には明神岳の稜線が雪をまとって凛と立っている。
1/3徳澤園の朝は早い。起きて小屋の前に立つとやっと明るくなりかけた。南に六百山と霞沢岳が見える。目の前には前穂高と明神岳がワーッと迫っている。そのうちにそれらの山々に朝陽が当たって金色に輝くではないか?もう40年位前の正月に登った北尾根4峰正面壁が神々しく見える。こんなに落ち着いて冬の岩壁を眼の当たりにするのは初めてである。これから登るとしたら、不安と意気高揚した気持ちがない混ぜた複雑な気持ちで、冷静には見ていられなかったであろう。
朝食後、横尾から蝶ケ岳へ行けるとこまで行こうと出かけた。横尾までの河原にでると屏風岩が迫ってきて、垂直の岩壁が手に取るようだ。横尾の小屋は今はどうだ、ものすごい大きく豪華である。これが山小屋か?ホテルではないのか?と思える。日時の経過を考えないわけにはいかない。横尾から左、中、右とコースはあるが、踏み跡があるのは蝶が岳だけで、涸沢の左、槍沢の中は新雪のままで誰一人踏み入れていないようだ。深い樹林帯の上りは踏み跡が固く靴のままで何のことはない。樹林の間から岩の先の方が見えだしたと思ったら槍ケ岳の穂先であった。平らな場所に無人らしき天幕がやや崩れ気味にあったが、徳澤園でカメラマンがテントを張って頑張っていると言っていたのでその天幕であろう。斜面が急傾斜になりアイゼンを装着して14時前まで登ろうと頑張ると、2,300mをGPSが示すところで予定時間になっていた。樹林限界ももう少しなので蝶が岳も僅かであるが、夕闇を越えて下山は老人パーテイーには許されないので潔くここで最高到達地点として下山する。登るのはシンドイが下るのはやっぱり早いもので、すぐに横尾である。暮れなずむ北尾根の岩壁群を見上げながら歩くとすぐに夕闇は来て、徳澤園に帰着する頃には真っ暗であった。
1/4今日は帰るだけの何の予定もない行程に鼻歌交じりの歩行である。明神で梓川を渡り明神池の静かな佇まいを感じながら、正月の上高地散策の良さを身に染みて感じた次第である。
小梨平は1張の天幕が倒壊したままで、人影もない寂しい光景になっているのを見ると、ここにいることの喜ばしい気持ちにジーンと感ずるものがあった。上高地バスセンターも我々3名だけで、夏の凄まじい混雑を思うと信じられない風景である。
大正池のほとりを歩いていると焼岳の噴煙が高く上り、連日の好天気も終わりに近づいているのか高曇りの雲が重なって、噴煙と雲の混ざり合う光景がいいね!などと、ここから離れる寂しさを紛らわすかのような言葉を誰かが発し、誰かがホントだ!と納得していた 。
"燦:伴","燦:高" M
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