岡山市南区&玉野市 両児山〜金甲山 ウラシマソウ&トビ乱舞



- GPS
- 05:01
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 481m
- 下り
- 487m
コースタイム
- 山行
- 4:18
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 5:00
歩行距離15.5km、歩行時間4時間20分、歩行数22,800歩、消費カロリー2,400Kcal
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
神社仏閣の境内などほんの一部を除き、アスファルト道です。 なお、「金甲山線<県道399号>」は全面通行止めで、工事箇所は県道399号線に出合い北上した岡山&玉野市境から西へ数mの間です。今回利用した南から金甲山へ向かう道には、以前からある車止めの手前にゲートと貼り紙があり、通行禁止だったようですが、雨で読めなくなっており、そのまま通ってしまいました。工事関係者の方々にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。 |
その他周辺情報 | 数km南にみやま公園があります。道の駅もあり、特に桜や紅葉の時季に訪れると、見どころ満載の大きな公園です。 |
写真
両児(ふたご)山の山頂にあり、池田藩主が代々にわたって崇敬し、造営、修繕、社領、代参、寄進等を行いました。随身門を入ると正面に唐破風(曲線状の屋根の装飾)付きの大きな拝殿がありました。左隣に見えているのは快(こころよし)神社<写真05>です。
作成年は不明で、『明治8年頃の八浜の町並み』の地図には記載されていないそうです。樋門として造られたものが、結果として石橋にもなったのでしょう。単に樋板をはめ込む形式です。この近くに、ライト兄弟よりも118年も前の天明6年(1786年)、鳥の翼をヒントに作った翼をつけ、岡山市の京橋から50m程滑空したという“鳥人”幸吉生誕の碑がありますが、今回は立ち寄りませんでした。
ヒルザキツキミソウ
マツヨイグサの仲間には珍しく昼間に開花し、しかも花の色がピンクなのでこの名がつきました。花色が白でしぼむとピンクになるヒルザキツキミソウと区別して「モモイロ」と呼ぶこともあるようです。
ミシシッピアカミミガメ<写真19>の宝庫、宮前池よりこれから登る金甲山(きんこうざん)<写真48〜55>を望みました。帯状になったカメの集団「カメの川」は向こう岸まで伸びていましたが、ほとんど頭を出さないので、1匹だけ動画に撮りました。また、飛びながら一瞬だけ水に浸かって水浴びするツバメもなんとか映りました。カラスの行水にもほどがあります(*_*;
甲羅干し
宮前池まで戻ってくると、たくさんのカメが甲羅干ししていました。中央の4匹の大きさがあまりにも異なるので、まるで親ガメ、子ガメ、孫ガメ、ひ孫ガメが並んでいるように見えました(*^^*)ここで繁殖している証拠ですが、彼らに罪はありません。
&ハナムグリの仲間
トベラは雌雄異株で4〜6月にかけて雄木には雄花を、雌木には雌花を咲かせます。花は白から黄色に変化するという特徴を持ちます。左下のハナムグリの仲間は、胸部に大きな白斑があるようで、調べてもよくわかりませんでした。動画も撮りました。
普段人が来ないせいか、逆に我々を間近で観察しているようです。連れは小学校低学年の頃、堤防にもたれてトビを見ていたら、目の前30cmの距離で翼を広げたまま止まって見つめ合ったことがあるそうです。
山名は征夷大将軍坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が由加山の妖鬼(阿久良王 あくらおう)退治に向かう際に、戦勝を祈願して金の甲(甲は鎧のことを指す)を山中に埋めたという伝説からきています。
タカ柱ならぬトビ柱が見られました。動画には金甲山<写真48〜55>をバックに乱舞する様子が映っています。復路ではカラス柱に代わっていました(*'ω'*)鳴き声からすると、ハシブト、ハシボソ両方いるようです。
来ないはずの人が突然来たので、驚いて谷の方へ下りていきました。一瞬の出来事でしたので、後姿しかキャッチできませんでした。長細い胴体はネズミほどの大きさでしたが、尻尾がリスほど太く長くはありませんでした。
児島半島では金甲山<写真48〜55>、怒塚山(いかづかやま)に次いで3番目に高い山です。その山容から児島富士や角山(つのやま)とも呼ばれています。また、山頂には電波塔や玉野市指定史跡の常山城跡があります。
繁殖期ですが、とてもおとなしい性格でこちらから攻撃しない限りは、襲ってきません。日向ぼっこ中だったようで、完全にフリーズしていました。岩国のシロヘビは、このアオダイショウのアルビノが遺伝的に確立し固有種となったものです。
&カラスアゲハ春型♂
オスは前翅の表側に黒い部分があります。ミヤマカラスアゲハとは違い、前翅の表側の明るい部分の幅が次第に広がるように見えます。動画ではもっと明るい青色に光って見えてきれいです。
紫褐色の仏炎苞の中から付属体の先端部が細く糸状に伸びています。その姿を、浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立ててこの名がつきました。山口県などでは絶滅危惧種に指定されています。ここを含め、3か所ほど群生が見られました。
道路から見えたので、草の生えた石段を下りてみました。四国八十八か所霊場19番札所「阿州立江寺」の本尊延命地蔵菩薩のようです。ご当地八十八か所を調べてみましたが、該当するものはわかりませんでした。
「金甲山」
元レストハウスの階段を上ると、屋上部分が展望台になっていました。周辺は人為的に石が並べられた祭祀遺跡「金甲山遺跡」です。この右隣にある神峯(こうのみね)神社<写真50>を取り巻くように石が設置されています。ということは、遺跡の上に展望台が(*_*;
地味なチョウでヤマキマダラヒカゲによく似ていますが、後羽裏側の蛇の目模様の上から3,4番目の黒い部分が極端に小さいなどの特徴があります。幼虫の顔は正面から見ると猫のようでかわいいです(*^^*)
南南東方面景観
南南東方面には、手前に天満山、その奥に出崎半島、さらに奥に井島、その左奥に大きく豊島(てしま)が見えました。中央最奥には、うっすらと五剣山(ごけんざん)<写真52>が確認できます。ここから瀬戸内の島々を動画に撮りました。
大ハタゴ島&小ハタゴ島
<写真53>の一番手前に見える牛ヶ首島の左の小島をズームしてみました。大きいほうを大ハタゴ島といい、たまに釣り客がいるようです。その右奥に小ハタゴ島が見えています。
ここを金甲山遺跡の一部、「拝石」(おがみいし)としている記録がありましたが、神峯(こうのみね)神社<写真50>の北東に位置しているので違うと思います。詳細は不明ですが、大切にされているようです。
日向ぼっこ中でしたが、少し動くとすっ飛んで逃げました。逃げ足の速さはヘビ界トップクラスかもしれません。目の上のうろこのせいで目つきが悪く見えることが多いのですが、この個体はかなりマシです。
再び宗蔵寺<写真62>の境内に入りました。堂内の観音像は、以前はふところに子供を抱いた子安観音でした。鎌倉時代に八浜の海に投げ込まれましたが、海中で光を放ったので、漁夫が拾い上げ、小さなお堂を建てて祀ったそうです。なお、子安観音になったのはかなり最近だったことがわかり、現在は如意輪観音の姿に戻されています。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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感想
今回は岡山市南区と玉野市の境にある金甲山(きんこうざん)を訪問しました。
実は、訪問前にマダニ騒動がありました。
5月3日、廊下に血痕を発見、私のスリッパの裏にはうっすらと血の跡があり、血痕の側には、直径1cm程のブドウが潰れたような平べったい丸い物体がコロン。よく見ると赤い足が(*_*;たらふく血を吸い、大人の階段を上ろうと脚から降りたところを、私に踏まれて天国への階段を上ってしまったのかもしれません。さして気にも留めず、二日後に瀬戸内市&備前市の西大平山山域を訪問。
ところが、さらに二日後、膝に水ぶくれが複数、おまけに、直径2mm程の黒っぽいカサブタのようなものが1つ。連れは模様があるのでマダニだと断言、かゆみや痛みはないものの、周辺長さ15cm程にわたって赤くなり腫れや熱感もあったため、アレルギー反応を疑い、翌朝、病院へ。
しかし、皮膚科は休診、別の科で診察していただくと、水ぶくれはつぶしてしまい、痕だけになっていたためか、黒っぽいのは皮膚の一部で異状なしとの診断。山にヤブはあっても、病院にヤブはないと信じ、処方された炎症を抑える塗り薬で様子を見ることに。腫れは引いたものの、体液がひどく、赤みや周辺の熱感は相変わらず。
9日の夜、連れにピンセットで例のブツをとってもらうと、またしても赤い足が8本(*_*;直径2mmでは、ハナから疑ってかからないとマダニだとわからないかもしれません。幸い、完全に除去できたようで、その後はみるみる回復、翌日には赤みや熱感もなくなり、すぐにカサブタもできました。
念のため、出かけるならマダニや人がおらず、オーシャンビューが楽しめる所をと、急遽、行き先を金甲山に定めたのは、前夜遅くでした。そのため、下調べはほとんどしないまま、「金甲山線<県道399号>」が全面通行止めであることも、ウラシマソウが見られることも知らず、出かけました。
金甲山へは、99%以上の方は岡山市南区郡(こおり)にある怒塚山(いかづかやま)登山口よりアプローチをしますが、今回は玉野市八浜からの南ルートを設定しました。距離は長いものの、平均傾斜が緩やかでオール舗装道路の初心者用ルートです。
なお、金甲山までの一般的な車道「金甲山線<県道399号>」は、2018年の西日本豪雨と台風により土砂崩れが発生、全面通行止めです。工事箇所は県道399号線に出合い北上した岡山&玉野市境から西へ数mの間です。以前からある車止めの手前にゲートと貼り紙がありましたが、雨で読めなくなっており、そのまま通ってしまいました。工事中の方々にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
出発点としたのは児島湖の南端にある両児山(ふたごやま)です。標高36.3mの三角点の近くに駐車場があります。この山というより丘陵である境内地には、八幡宮、快(こころよし)神社、御崎神社が並べて建立されており、地元信仰の篤かったことがしのばれます。
また、今回は訪問しませんでしたが、南には天正9年(1581年)頃宇喜多氏によって築かれた八浜城址があります。
2016年9月18日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-963154.html
両児山(ふたごやま)から八浜小学校前を通り、県道405号を東に進み、途中で北上し、宮前池に出てきました。ここには大量のミシシッピアカミミガメが日向ぼっこをしていましたが、人の気配を感じると、一斉に潜ったり、「カメかき」で泳いで逃げていきました。
自分たちが子供の頃は多い時で1年に100万匹もの子亀が輸入されていました。彼らはミドリガメと呼ばれペットとして人気がありましたが、大きくなると、世話ができなくなって捨てられたカメが各地で増えていきました。
一方、近年、日本のイシガメはほとんど見られなくなりました。強者が栄え、弱者は滅ぶ自然界の掟なのでしょうか。
現在、ミシシッピアカミミガメは「日本の侵略的外来種ワースト100」や「緊急対策外来種」に入っています。もちろん、彼らには何の罪もありませんし、見ていて飽きがこないほど、可愛い動きをして和ませてくれます。
小さな宮前池でたくさん繁殖する彼らを見て、人為的に作られた自然の問題を改めて考えさせられました。
宮前池の東の細い生活道を北上すると、金甲山頂上まで続く車道に出てきました。以前から自動車は通行止めとなっていたので、歩行者は問題ないだろうと考え、新たなゲートを開閉して、金甲山頂上まで進みました。結果、「金甲山線<県道399号>」の工事中の脇を通る羽目になり、ご迷惑をおかけしました。
今回利用した南から上るルートは舗装道路にもかかわらず、人が誰も利用しないせいか、斜面には花、上空を乱舞するトビ、道路にはイタチ科の動物や日向ぼっこをするヘビの姿も。彼らは不意に現れた人間の存在に「え〜、なんで⁉」と驚いたようなリアクションを見せていました。
かつては山頂に展望台のあるレストハウスがあり、バスが頂上を行き交うなど、身近な観光スポットであった金甲山も往時の面影はすっかりなくなり、現在は展望台と祭祀遺跡が残るのみ。
祭祀遺跡については、展望台の階段の途中に説明板がありました。国生み神話の中で『古事記』では9番目、『日本書紀』では8番目に生まれたとされる「吉備児島」の国魂 (くにたま:国土を司る神)、建日方別(たけひかたわけ)が山頂に祀られ、古代より 「吉備児島」 の繁栄を祈る祭祀が行われていました。御神体であった磐座(巨岩)は祭祀遺跡として認知されていますが、その上にドーンと展望台があるのは少し残念でした。取り壊すと遺跡を破壊しかねないので、現状維持になったそうです。
結局、金甲山頂上も含め、工事中のお二人以外は誰一人お会いすることもなく、自然や随所で見られる展望をゆっくりと楽しむことができました。
また、この時期の低山に多いダニやクモの巣は回避できましたが、ぶら下がっているイモムシ&毛虫トラップには何度もひっかかりそうになりました(*'ω'*)おかげで道中、気を抜くことなく、プチスラロームを楽しみました(*^^*)
個人的には金甲山の魅力のほとんどを体験できるルートだと感じました。
下山後は、営業を再開した「露菴(ろあん)岡山古新田店」へ。今だけランチビュッフェ料金で豚しゃぶも楽しめます。マダニアレルギーになると、哺乳類の肉全般でアレルギーを起こし、アナフィラキシーショックになるケースもあるというので、決死の覚悟で?豚肉を味わいました。幸い、何事もなく、食事を楽しめました(*^^*)
次回も虫よけスプレーを脚に噴射したうえで、舗装道路歩き後に、ガッツリ食べようかと思っています。
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