憧れの北鎌尾根!(中房温泉起点・貧乏沢経由、帰りは東鎌尾根から周回)


- GPS
- 104:00
- 距離
- 44.9km
- 登り
- 4,636m
- 下り
- 4,711m
コースタイム
0750 中房温泉登山口
1035 合戦小屋 1045
1150 燕山荘(昼食) 1235
1305 燕岳山頂 1320
1350 燕山荘 1400
1655 大天井ヒュッテ(泊)
8/17(金)
0645 大天井ヒュッテ
0825 大天井岳岩稜遊び 登山道合流
0920 大天井岳
1150 常念小屋(昼食) 1255
1415 常念岳 1430
1510 常念小屋(泊)
8/18(土)
0550 常念小屋
0920 大天井ヒュッテ(昼食) 1110
1140 貧乏沢分岐
1515 天上沢出合い
1545 北鎌沢出合い
1655 岩小屋(ビバーグ)
8/19(日)
0510 岩小屋
0750 北鎌沢右俣コル(小休憩)
1205 独標稜線出合い
1525 北鎌平
1805 槍ヶ岳山頂
1830 槍ヶ岳山荘(泊)
8/20(月)
0640 槍ヶ岳山荘
0840 天上沢乗り越し
0945 西岳山荘
1000 西岳山頂
1225 大天井ヒュッテ(昼食) 1255
1615 燕山荘(小休憩)
1710 合戦小屋(夕食)
1920 中房温泉登山口
天候 | 8/16(木) 晴れのち曇り 8/17(金)晴れのち曇りのち雷雨 8/18(土)晴れのち雷雨のち晴れ 8/19(日)晴れのち曇り 8/20(月)晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■ルート 貧乏沢 浮石多い。ルートを外れるとガレガレで落石招き、非常に歩き難い。 岩も濡れていると滑りやすく何度も尻モチをつく(豪雨の影響もあり)。 水俣乗越から天上沢下り経由の方がよさそう。 天上沢渡渉 水量増量して危なかった 北鎌沢 水量増量して沢歩きできず、右側の尾根をしばらくヤブ漕ぎ (右俣も伏流せず表に出ていた:翌日は伏流に戻っていたらしい) 途中、背丈以上の2つの大きな岩が沢を塞ぎ、1人では困難な箇所があり。 北鎌沢コル〜独標手前 P8,P9は多少高度感あり 独標(P10) トラバース後:ルート複数あり。 独標奥のコルに登るのがよさそうだが、そのルートがどれかが判らない。 P11〜P14(直登) P11-P13 全く問題なし。 P14 ヤバイ。神経を使うピーク。 白くて風化の激しい脆い岩が多い。 足元もザレる小石の中、ホールドとなる岩も少ない(浮石だらけ)。 (トラバースルートはもっとヤバイらしい)。 P15〜北鎌平 右からトラバース、特に問題なし。 北鎌平〜槍ヶ岳基部 大きな岩を飛び超えて、歩きにくい。どっと疲れる登り。 槍ヶ岳 ルートが判り辛かった(原因:完全に僕自身の予習不足) 北鎌をやってみての感想 1にルートファインディング。2に体力。3に天候を味方につけること。ですかね。 難易度は、思ったほど高くなかった。(前評判どおり) ってか、どこでも登ろうと思えば登れちゃうのでルートが錯綜するのだろう。 高度感もあんまりなかった。(西穂高〜奥穂やキレットの方がよっぽどだと思う) 総合力を求められている気がした。(精神力も含めて) ■天気 今回は秋雨前線が南下してきて天候が安定せず、 8/17(金),18(土)は昼から雷雨の可能性が高かったので、 北鎌には入れず、様子見と停滞することにした。 天候が安定する日曜に北鎌尾根を合わせることにして、粘り勝ち(?)できた。 ■その他 途中、大天井岳の南西稜で良さそうな岩稜があったので、 時間もあるし ここで遊んだ。 歩かれていない道なので当然浮石だらけだったが、 ホールドも多く いい傾斜のまま頂上へいけるかと思ったが、 途中で小さなピナクルみたいな小さな連続ピークに入ってしまい、 稜線上を渡るのに怖くなってきたので、 途中で止めて下に見える登山道に戻った。 でも、それまで北鎌をやるのに、イマイチ自信がもてないでいたが、 この岩稜を少しやったことで久々に感覚を思い出し、俄然 自信が出てきた。 |
写真
ゆっくり歩いてONコースタイム通りだったが、かなりきつい。
さすがは日本三大急登!
飛ばしたら後半絶対バテるんで、必ずのんびりペースで行くべし。特に他の若造のペースに影響されないこと。
ただ山小屋にいては能がないで、常念岳方面へ向かう。途中、大天井岳の岩稜地帯が出てきたので、このまま山頂へいければ、と思い、取り付いてみた。歩かれていないので浮石は普通に多いが、適当なホールドも多く傾斜も適度でいい感じ。
→岩の稜線上を「渡る」のに恐怖感を感じたので、ここで岩遊びは終了とし、下に登山道が見えたのでそこまで下った。
写真は登山道に合流した地点から登った岩稜帯を見返したところ。(写真左上)
正直、北鎌を自分にやれるか直前までドキドキしていたが、この岩遊びでけっこう自信が付いた。
よし、絶対やってやるゼっ!
ここの売店のバイトの女の子が可愛くって、
ビールを飲んでる間、ずっと対面でこっちを向いて微笑みかけてくれていた。
おかげで読もうと二つくらい取ってきた山雑誌が、ほとんど手につかずに本棚へ返すこととなった。
いや〜、贅沢なひと時だった。
ありがとう常念小屋。
このころから雨が降り出した。→予報どおりだ。
山頂からはガスの合間に蝶ヶ岳への稜線を確認できた。
意外とけっこう険しい稜線。(いつか来ることもあるだろう...)
帰ってきました、大天井ヒュッテ。
休憩後、ゆっくり昼ごはんを食べながら、再度天気予報を確認。
やはり明日の午前中は快晴は間違いないらしいのでそこに合わせて北鎌をやることに決定!
問題は北鎌コルまでのアプローチが6時間と長いので、今日中に貧乏沢を下って北鎌沢に入り、出来たら北鎌コルまで進んで今日中に距離を稼ぐことにした。
念のために持ってきたビバーグ用具を積極利用することになった。
貧乏沢を下り始めたところで雷雨発生。
すぐ近くで轟音が鳴り響いて反響していた。
激しい雨のため、貧乏沢も“贅沢沢”に変身。
大きな岩も転がってきそうな勢いだ。
この沢は、急な上にザレた岩だらけですこし踏み跡(ルート)を外すとズワ〜ッと多くの石と共に下に崩れ落ちる。厄介な沢だ。
何度も滑っては尻餅をついた。
このアプローチ、面倒臭せ〜。
いよいよ、登りだ。
っとその前の徒渉しないと。
一箇所大きな岩が沢の真ん中にあったので飛び抱えて何とか渡渉できた。
一仕事だな。普段はこんなじゃないんだろうな。。。ふぁ〜。
この手前、何となく沢を遡上していると中洲が出てきて、歩きやすい左側にルートを取ると危うく見過ごしそうになった。
一度 えなくなった右側の沢とすぐに合流するだろうと思っていたら合流しなさそうなので、すぐさま戻って分岐点だと確認できた。
このときは右俣も伏流なんてもってのほか。
狭い沢を水量がどっさり流れてきていて沢の中を歩くのは危険だった。
北鎌沢の取り付きでもそうだったが、何度か右手の稜にあがって背丈以上あるヤブ漕ぎを強いられた。
青空と共に彩雲が現れた。
まるで空が今日の僕の工程を祝福しているよう。。。
うれしい気持ちになった。
写真には取れなかったが、満点の星空の下ビバーグした。
(結局、岩小屋は傾斜がきつく寝れなかったので深夜に沢に降りてきた)
今日は北鎌をやるぞ!と気合を入れながら
パンと紅茶をほうばる。
出発準備が整う直前に、姫路の山岳会の6人パーティに先を越された。
この方々、年齢は重ねているのに、足が速い!
しかも息が切れてない!
さすが、ここに来る方々はツワモノ揃いだ。
ヤブ漕ぎになり、ルートが右に左に真ん中に分かれだし、真ん中に支稜がでてくると(写真)爪が近い。支稜の右にルートを取って、沢に戻り、さらに詰めると北鎌コルにたどり着いた。
後から考えると間違えたところ。
僕はここを上に行ったが、先行パーティは右への巻き道を行っていた。
(写真上判りづらいが、右の方に踏み後がある、僕は最初 写真左の岩を登っていた)
僕が3つ位 岩を登った跡で、下の方に先行パーティが巻き道をテクテク歩いていることに気づき、
俺は直登ルートを行っていることに気がつく。
どうしようかと思ったが、直答はかなり時間がかかるだろうと思って、登ってきた岩を下った。
少し怖かったが、ロープを出すまでもなかった。
でも後で、このルートを軽装で颯爽と飛ぶように歩く単独行者が出現。
この登りのルートは独標のコルに向かうルートで一番早いルートらしいことが判明。
あ〜、失敗した〜。と思っても後の祭り。
時間ロス2倍。悔しい気持ちで心理面でもダメージ。
でもすべて自分の責任ですよね。
標識がない岩稜のルートファインディングは結局、どこがどこに行くかが判らないから難しい。
一度歩くと、大体の見当が付くんだろうがな〜。
これから行くピーク達を眺める。
目の前がP11(双耳峰)、続いてP12が見えにくくて、槍もガスって来た。
やばいガスって来た!
う〜ん、時間かかりすぎだな。
やっとこさの思いで燕山荘到着。
ここで生中を一気に飲み干すと、なんと!また足が軽快に動き出した!!しかも滑らか〜♪
恐るべし、生中パワー♪♪♪
(テン泊の学生たちは、寒そうにこっちを見ていた)
感想
■計画から日程決定まで
どこに行くか盆休みの数日前まで決まらなかった。
北鎌尾根を考えたときに、一番心が躍ったので
心の反応に素直に北鎌尾根を検討することにした。
ちょうど一年前、西穂から奥穂を超えて槍を縦走したときに、
同じソロで一緒に話しながら歩いた人が、その後に行くといっていた北鎌尾根。
特に特別な技術は必要ないというその方のことばと、
ネットで調査した情報をも元に、自分でもやれるとある程度の予測を
つけて北鎌尾根に行くことに決定。
だが、しょっぱなからトラブル発生。
当初日程は、8/14(火)〜8/16(木)の2泊3日だったが、
その前の週の週間天気予報では水木が雨の模様。
いかんがな!
でも金曜は晴れということだったので、日程を2日後ろにずらすことにした。
北鎌尾根の稜線を晴れの金曜に合わせて(水)前夜泊の16(木)〜18(土)の予定。
穂高駅前の登山ショップに寄って、アドバイスを受けた。
「いけるんちゃう?」のかる〜い言葉と共に、
でもやはり、雨は避けたほうがいいとの助言。
理由は
1)ルートファインディング。
ガスると山全体が見にくいし岩が濡れると踏み跡が判りにくい。
2)岩が濡れると滑りやすくなる。
3)雷の可能性が出てくる。
4)風に吹かれる可能性。
ありがたくアドバイスを受けて、いざ山へ。。。
ところが、山に入ると、初日の16(木)が晴れで、
金土の予報は雨に変わっていた。しかも雷雨の可能性もあり。
これはまずい!と思った。雷の可能性がある中で北鎌をやれるか?
そんなリスキーな賭けは僕は出来ない。
判断は、北鎌を諦めてルートを変えるか、日程をずらすかだ。
山小屋の人や、小屋で一緒になった人と散々考えた挙句、
日曜の晴れを待つことにした。
どうやら日曜は午前中の晴れは確度も高いようなので、
できるだけそこに稜線を歩けるように
稜線までのアプローチを前日に稼ぐことにした。
貧乏沢の下りと北鎌沢の登りで6時間を前日にやって北鎌コルにビバーグする。
■ビバーグについて
ビバーグ用具は、シェラフカバー・エマジェンシーシート・ツェルト。
稜線上を1日で歩ききれなかった時用に用意しておいたものだがここにきて積極利用することに変更。
ビバーグ用具を使うのは初めてだが、なんとかなるだろう!位の軽い気持ち。
結果、予報どおり金曜の夕方と、土曜の昼からは雷雨。
そして日曜は待望の晴れとなった。
その代わり、土曜の昼は雷雨の中、貧乏沢を降りることになった。
心配していた沢の水量も、なんとか問題なく切り抜けた。
ただ、予想より時間がかかったため北鎌のコルまでは着かず、
沢の途中でビバーグポイントを探す。
岩小屋がある情報があったので、見つけたときは、ガッツポーズだったが、
実際には、寝るには不向きだった。
ツェルトも、巻きつけるには1人用なので小さく、
1時間おきに足元が「さぶい!」とおきてみると
ツェルトが風で捲り上げられているので、何度も体に巻きつけなおした。
沢の中でビバーグしたので、沢風がけっこうあったからだろうと思う。
ツェルトはもう少し大き目のものを用意できれば、快適だったと思う。
■北鎌尾根をやってみて
初めてソロでやってみての感想は、
・前評判どおり、やれんことないな〜。っていう感じ。
岩の難易度はそれほど高くない。
・私は念のためハーネス、ロープ30mを持っていったが、
使ったのは槍の基部で取り付きを間違ったために、
念のために出して懸垂下降をした(直前に練習した甲斐があった)
が、ここでもお助け紐が10mもあれば十分だったとおもう。
・高度感も思ったほどなかった。
帰りの東鎌尾根を下っているときの方が、怖っ!と感じた(^^;
・ルートファインディングが肝。
特に独票はでかすぎて、一度歩かないと判らない。
あと私自身の反省としては槍の取り付きが勉強不足で判らなかった。
もし標識がついていれば、西穂〜奥穂の方がよっぽど難しいだろうと思う。
・あと、やはり体力勝負。
北鎌稜線にたどり着くまでのアプローチの長さとアップダウンの多さ。
(自分的には、合戦尾根+常念岳往復+貧乏沢はきつかった)
ビバーグ予備分も含めた水量を持ってあがることの重さ。
(私は4リットルを持ってあがった)
・私も結果的にそうなったが、土日を狙うと他の登山者もおられるので
精神的には少し安堵感があがるのではないかと思う。
(ただ、同行している方が経験者か?にもよると思うが)
・あぁ、楽しかった〜!をイメージしていたが、しんどかった〜が本音。
・でも槍山頂の祠を見たときの感動は、すごいもの。
この感じは、行った人しか味わえないと思う。
・あと山頂から北鎌独標を見下ろすときの何ともいえない気持ちは格別。
・私が山頂に上ったときは午後6時で山頂にはカメラマンと
最後を同行したソロの方の計3人で静かな山頂を味わったが、
できれば、もう少し早い時間に上り終えて、
山頂の人々に祝福されるのが感動もひとしおだろうと思う。
そのためには北鎌平での1泊を当初から予定に入れられた方がいいだろう。
・ちなみに、帰路の表銀座の稜線は、北鎌尾根をやり終えた凱旋気分で帰れるか
と想像していたが、実際は足元がヘロヘロで、敗残兵のような くたびれようで
稜線を歩いた。
・そこから最後の合戦尾根の長い下りは恐ろしく苦しかった。
燕山荘の生中がなければ、たぶん行き倒れしてただろう。。。(笑)
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