岡山県矢掛町&真備町境 吉備真備公園〜鷲峰山 史跡&動植物



- GPS
- 05:18
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 512m
- 下り
- 522m
コースタイム
- 山行
- 4:06
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 5:15
歩行距離11km、歩行時間4時間、歩行数18,100歩、消費カロリー2,360Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
電車を利用する場合は、井原鉄道井原線で三谷駅か備中呉妹(びっちゅうくれせ)駅で下車すれば、アプローチが可能です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
吉備真備公園<写真01〜04>から棒澤寺仁王門<写真16>までの登山道は、この日ちょうど整備中でした。標高250m辺りに崩壊地がありますが、ロープ設置作業の真っ最中で助かりました。ステップはできたばかりでまだ少し崩れやすいですが、上りは問題ありません。ササ刈りも作業中のところを通行させていただきました。 毘沙門天磨崖仏<写真31>から鷲峰山(地元では「じゅぶうざん」)方面に北東に道があったようですが、見落として木の間を適当に北上し、鷲峰山の2m程北で道に合流しました。下山で利用した矢掛(やかげ)&真備町境沿いの道の標高385m辺りに分岐があり、磨崖仏方向にピンク色のビニール紐がたくさん見えました。 塵無池西畔<写真41>から牛神様<写真44>まではコンクリート道です。路面凍結の恐れがあるときは控えたほうがいいかもしれません。 その他、分岐や道の有無などコース状況の詳細は、周辺情報下欄の添付ファイルで確認できます。 |
その他周辺情報 | 矢掛(やかげ)町は江戸時代に旧山陽道の宿場町として栄えていた歴史を持ち、現在でも町並みには当時の建物が多く残っています。全国の宿場町の中でも唯一、本陣と脇本陣が江戸時代からそのままの姿で現存しており、国の重要文化財に指定されています。 |
ファイル |
(更新時刻:2018/12/05 16:21)
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写真
イチョウ&猿掛山
吉備真備公園駐車場に黄葉が見頃のイチョウが1本あり、南方面に猿掛城跡がある猿掛山が見えました。2017年2月19日には、この駐車場をスタート地点とし、猿掛山に登りました。
手前の日時計はちゃんと8時台を示しています。写ってはいませんが、東隣には大きな碁盤があります。遣唐使として長安に渡った真備公は、在唐中、唐の囲碁名人に勝ったという説話があり、日本における囲碁の開祖とされています。
前回(2017年2月19日)には、説明板しかわかりませんでしたが、その下をのぞくと井戸が見えました。ちょっと失礼してふたを開けて中をのぞくと、ちゃんと水がたまっていました。流れ星がこの井戸に落ちた翌日、真備公が誕生しこの井戸の水で産湯を使わせたといわれています。
公園の外に出てアスファルト道を歩いていると、鷲峰山(地元では「じゅぶうざん」)の道標がありました。左奥の樽でできたベンチには「堂ヶ丸」と書かれています。ここからコンクリート道になりました。
コンクリート製の祠が2つあり、向かって右側が三成八十八ヶ所霊場88番です。ちなみに、左隣になぜか14番がありました。沢を渡らず北上し、空き地の端を東に進んで土の登山道に合流しました。ちょうど整備直後で刈られたササが散乱しいい香りがしていました。
道のど真ん中に転がっていました。まさかササが刈られるとは思っていなかったのでしょう。4cm四方程の大きめの卵嚢でした。野鳥に食べられないように目立たない場所に移動させておきました。来年5月には体長1cmの赤ちゃんが見られるはずです(^^♪メスの成虫<写真61>はみんな産卵済みで、のんびり余生を過ごしていることでしょう。
竹林寺山頂上には岡山天体物理観測所があります。向かって右が太陽クーデ望遠鏡、中央の小さいのが91cm反射望遠鏡、左が188cm反射望遠鏡です。これらは国立天文台が管理しています。
コナラでしょうか。黄色く色づき始めており、きれいだったので動画も撮りました。しばらくすると、登山道が崩壊しており迂回路にロープを設置中でした。周辺のササも刈られており、崩れやすい斜面でしたが、すんなり通行できました。みなさん、連れが登れるか心配なさっていたようで、安堵の笑い声が聞こえました。ありがとうございました。
西に延びる土道との分岐辺りから仁王門を撮影しました。矢掛町指定重要文化財の仁王像は鎌倉後期の作で、現在は県立博物館で展示されているそうです。中はほとんど枯れたササが生えているだけでした。ここをくぐると広い道になりました。途中、右側に分岐があり、阿育王塔があるはずでしたが、スルーしてしまいました。
棒澤寺(ぼうたくじ)は、鎌倉時代に開かれた高野山真言宗別格本山で檀家のない修行の寺です。1957年の山火事が原因で廃寺になりました。確認してはいませんが、太子堂の中には解体された護摩壇があるそうです。
&イチョウじゅうたん
法界像<写真20>をスルーして石段を下り、東に延びる細道に入ると、石垣越しに本堂<写真22>の屋根が見えました。側にはほとんど落葉したイチョウの大木や竹が茂り、足元の黄色い落ち葉がきれいだったので動画も撮りました。道と呼べそうなのはここまででしたが、竹の間を歩いて本堂の方へ向かいました。
本堂は思ったよりもしっかりしていました。足元には倒れた建具もありましたが、内部は焼けてはいないようです。いったん通り抜けて裏へまわり、引き返しました。土塀から竹が生えているのを見て無常を感じました。
約4m四方の岩に彫られた毘沙門天は1777年(安永6年)に奉納され、矢掛町の重要文化財に指定されています。手前の岩伝いに下りて足元の石像を見に行きました。弘法大師像だそうです。動画も撮りました。
竹林寺山<写真32>の左(東)に電波塔などが林立している遥照山(ようしょうざん)が見えています。登山道に戻り、鷲峰山(じゅぶうざん)を目指しましたが、途中でコースアウトして木の間を北上し、頂上のすぐ北で合流しました。山頂プレートなどはなく、展望も効かず通過点のようにしか思えないロケーションでした。
「夜出(やで)」
木の間道を歩き、鉄塔を囲むように生えているススキの外側を周って林の入口からのぞくと、見えました。標高398.1mの鷲峰山北峰頂上三角点(点名:夜出)です。
鉄塔の少し北からは多少展望が効きます。北北西の390m峰の斜面が色づいているのが見えました。引き返し、わかりやすい木の間道を下りて毘沙門天磨崖仏<写真31>方向に道があるのを確認し、さらに南下しました。
てっぺん
東側にまわりこむと、楽に大岩のてっぺんに立てました。平らな十畳以上ある岩の西端に、南北対称に2つの岩が載っている不思議な構造でした。連れが南側の岩の上(<写真36>の右上)に立っています。
仁王門<写真16>のすぐ南まで戻り、西に延びている木の間の広い道に入りました。地形図ではこの周辺に南北に破線の道がありますが、どちらもわかりませんでした。おそらく、昔はここが分岐の道標にもなっていたのでしょう。
キンクロハジロ♂
1羽だけいました。横から見るとアニメに出てきそうな愛嬌のある顔なのですが、正面から見るとなぜかツッパリ兄ちゃんにしか見えません。オスは後頭部に寝ぐせのような冠羽があり、腹部が白いのが特徴です。メスには冠羽がなく、腹部は薄い茶色です。泳ぐ様子や周辺の景色なども動画に撮りました。ここからコンクリート道になりました。
翅の裏側は枯れ葉のように見えて、翅を閉じているとどこにいるのかわかりません。やっと翅を広げてくれたので動画を撮りました。背中の毛が風になびいているのがよく見えました。これだけフサフサなら、成虫で越冬できますね(^^♪
立て札だけで祠などは見当たりませんでした。周辺に溝があったので足元に気を付けて探してみると、奥にある石群が崩れた石積みのようにも思えました。岡山県には、農耕用の家畜として重要だった牛を祀った牛神社がたくさんあります。これもその1つかもしれません。ここからは土道で、一部、落ち葉が大量に積もっていました。
の幼菌
なぜか3つほど切り株が並んでおり、似たようなキノコがたくさん生えていました。カサの直径は3〜7cm程ですが、小さい割には厚みがありました。サルノコシカケの仲間で、これからもっと大きく育つでしょう。ここからスタート地点の吉備真備公園駐車場<写真01>までアスファルト道でした。
ツバキで有名な圀勝寺(こくしょうじ)の駐車場の脇から西北西に延びるコンクリート道に入ると、植林帯の中に土道が続いており、岩の上に小さな祠がありました。後で調べてもよくわかりませんでした。
祠<写真47>から斜面を北に上り、古墳を探しました。よくわからなかったので、いったん道に戻ろうと下っていると天井石が見えました。幅は1m少々、高さもそのくらいらしいのですが、開口部が狭いので中には入りませんでした。東西に延びる土道を歩いて祠をスルーし、少し大きめの石があるところから北側の斜面を見上げれば、ちゃんと開口部が見えます。圀勝寺(こくしょうじ)は、扉が閉まっているようだったので立ち寄りませんでした。
石段を上ると、開けた場所に出ました。ここが下道(しもつみち)氏公園で、奥に吉備真備の墓があります。調査・整備のついでに設置されたもののような気もしますが・・・元禄12年(1699年)に吉備真備の祖母の銅製骨臓器が発見され、現在は国の重要文化財に指定されています。また、墓誌なども発見され、この一帯が吉備真備の先祖代々の墓所であることが判明したとして国の史跡に指定されました。
まだ低い木で幹はごつごつしていませんでしたが、梅だろうと思います。ほんのり色づいた葉がきれいでした。梅紅葉(うめもみじ)は秋の季語です。あまり赤くはならず、すぐに散ってしまうことから、晩秋のもの寂しさを表現するのにちょうどいいのでしょう。
並んで3本ほど生えていました。少し奥まったところだったので、野鳥の糞に交じっていた種が発芽したのかもしれません。うちの庭では、4月になっても実が残っていることもあれば、3月中に全部なくなることもあります。
体長は10cm近かったので、メスだろうと思います。アスファルト道の真ん中にいたので心配していると、こちらに近づいてきました。あの卵<写真09>の生みの親ではないと思いますが、ありがとうと言っていると思うことにしました(^^)動画を撮りながら誘導し、踏まれないように端に移動させました。
吉備真備の遺徳を偲び建てられたもので、背後に矢掛(やかげ)町出身の書家で古筆の研究で知られる田中塊堂(かいどう)の日本芸術院賞受賞の記念碑が見えています。毎年、ここで筆供養が行われるそうです。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
手袋(防水加工)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
“吉備真備縁の地”
出発点は矢掛(やかげ)町の吉備真備(きびのまきび)公園です。吉備真備公園は、奈良時代の政治家・学者である吉備真備を顕彰する目的で、吉備公ゆかりの下道(しもつみち)氏の館址と伝えられる地に整備された施設です。今回は見学しませんでしたが、囲碁の発祥記念碑など、たくさんの史跡があり、「日本の歴史公園百選」にも認定されています。
吉備真備は遣唐使として二度、唐の都長安に渡り、当時世界最高といわれた唐の最新の文化を数多く紹介し、日本の政治、文化、軍制の発達に大きな功績を挙げました。
“三成八十八ヶ所霊場巡り”
真言宗を開いた空海は香川県の出身であり、浄土宗を開いた法然は岡山県出身なのですが、なぜか、香川県は浄土系が多く、岡山県は真言系が多いです。
その証拠に、岡山県西部地域(備中)だけで八十八ヶ所霊場が62もあります。その中の一つが、今回訪問した東三成エリア中心に広がる「三成八十八ヶ所霊場」です。どの石仏にも必ず弘法大師が祀られていました。全て巡ると、37km以上もあるので、今回は鷲峰山(じゅぶうざん)を 周回するルート上にあるものだけを確認しました。見落としもあったようですが、十分ご利益がありそうです(^^♪
“廃寺になっても存在感がある棒澤寺”
倉敷市真備町と矢掛町の境にある鷲峰山(じゅぶうざん)の山腹には、棒澤寺(ぼうたくじ)という廃寺があります。鎌倉時代に開かれた800年の歴史をもつ寺ですが、高野山真言宗別格本山ということで檀家のない修行の寺であり、今は訪れる人も少なく荒れ放題となっています。一方、咲き誇るサザンカや鮮やかなイチョウの黄葉は昔と変わらず、感慨深いものがありました。
棒澤寺には町指定の重要文化財となっている石門と宝篋印塔(ほうきょういんとう)が残っています。また、棒澤寺経由の鷲峰山登山道沿いに、毘沙門天磨崖仏があります。これも矢掛町の重要文化財に指定されています。
今回は、これらの貴重な文化遺産を後世に伝えるため行われている定期的な周辺整備中だったようです。作業中にもかかわらず、いろいろとお気遣いくださってありがとうございました。
“12月になっても元気な動植物”
12月に入ったので、紅葉も動植物もあまり期待していなかったのですが、写真や動画でも紹介していますように、史跡以外も楽しむことができました。豪雨の被害はあまりわからず、どこもきれいで生き物もみんな元気そうでほっとしました。復興万歳\(^o^)/頑張ろう真備&矢掛p(^ ^)q
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