三国山から陣馬へ、高尾山目指すも小仏峠でエスケープ
東京都
神奈川県
山梨県
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体力度について
- GPS
- 08:45
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 1,227m
- 下り
- 1,345m
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10:43 三国山
10:57 茅丸
12:09 山の神
13:09 和田峠
13:37 陣馬山
14:20 発
14:50 明王峠
15:17 堂所山(巻き道)
16:08 影信山(巻き道)
16:38 小仏峠
17:20 小仏バス停
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
終点井戸下車でも登れるようです。 帰りはバスで小仏バス停からJR高尾駅まで。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
登山口から尾根までは所どころ流水の浸食でU字溝になっているが登りにくくは無かった。 尾根から三国山までは歩きやすい道。 三国山から和田峠までは関東ふれあいの道だと思うが、短い上げ下げが結構厳しく、また巻き道は狭くて横の斜面が急なところが多い。 陣馬からは道は当然良いが、一部雨で泥のぬかるみになっているところがあった。 |
写真
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これ以降誰ともすれ違いませんでした
感想
<テーマ>
高尾-陣馬エリア限定でいろいろコースを回ってきたが、そろそろ一巡しそうなことから、もう少しフロンティアを広げることにした。
陣馬山より奥はどうなっているのか、考えた事が今まで無かったが、当然山はずっと続いている。そこで地図やヤマレコを拝見して、東京、神奈川、山梨の境に三国山(さんごくさん、と読むらしい)というのが有るのでここに登ることにした。高尾という揺りかごで育った雛が巣立つ時が来た???
三国山、生藤山(しょうとうさん、と読むらしい)が隣接していて、そこから尾根伝いに進むと和田峠に至る。そこからは陣馬高尾コースを逆にもどれば「母なる高尾」に帰り着く。理想は高尾山口駅にたどり着くことだが、果たして私の足にそれだけの持久力があるか?
さすがにがむしゃらに進むわけにも行かないのでエスケープルートを考え、体と相談して行くことに。
�〇姐饂海望紊�って尾根を伝って和田峠まで、ここからエスケープ(以下Eという)して陣馬高原下バス停へ
�∀妥墜修�ら陣馬山に上がって、そこでEして別ルートで陣馬山を降り陣馬高原下バス停へ
��陣馬山から明王峠まで行き、そこでEして藤野方面へ(この道は行ったことが無いのが欠点)
�ぬ晴ζ修�ら影信山を越えて小仏峠へ。そこでEして旧甲州街道を小仏バス停へ
�ゾ�仏峠から城山、高尾山を超えてケーブル駅まで。そこでEしてケーブルで降りる。
しかしややリスクがあるなと思ったのは明王峠から小仏峠までが遠くこの途中がエスケープできないこと。この予想が結局実際の問題となった。
<道すじ、陣馬山まで>
上野原駅から8:28井戸行きのバスで石楯尾神社バス停まで。道が長いのでもっと早くスタートしたいがバスはこれと1時間ほどあとのものしか無い。前夜タクシーも考えたが朝早く行ってあるかどうか分からないのと、山にタクシーはどうかとも思いバスにした。
バス停で下りたのは私のほか年配のご夫婦1組。行き先を尋ねると「稜線をたどって藤野まで」とのこと。するとこのルートから三国山にのぼるのは私だけか、と思いながら歩き始める。今日の加重は9.5K。しばらく車道を緩やかに登ったあと登山口へ。細いやや急な上り坂で道はしっかりしているが水の流れで真ん中に深いU字溝が延々と出来ている。豪雨時には川になるんだろう。途中から斜面が急になり九十九折に上がっていく。登山口から40分ほどで尾根にあがる。
そこからは幅の広い緩やかなのぼりの尾根道でところどころ見晴らしもある気持ちのいいコース。20分ほど歩くと見晴らしのいい休憩所に。そこに「甘草水大明神 この先100M」の看板が(写真��)。なんじゃこれは、と思いながら荷物を置いて細い道を入っていった。すると本当にほぼ100Mくらい先に小さな水場と祠があって看板に説明が載っている。ここはヤマトタケルの命の東征時に陣をひいたという言い伝えがあるそうだ。水はちょろちょろとしか出ていないが少し飲んでみた。名前のとおり甘いような気もする。
休憩所に戻って富士山の写真を撮ったが、今日の富士は頭に雲を載せている。富士山の雲には色々名前が付いているらしいが、こういうのは何雲というのだろう。またそこから20分ほど歩いて三国山に到着(10:30ごろ)。するとそこに女性が1人、登山口から始めて人に会った。少し話すとバス停の終点の井戸から登ったということで同じバスに乗っておられたようだ。これから北のほうに向かうという。「私は和田峠の方へ」というと、「1時過ぎには着くでしょう」とのこと。女性を見送りながら「1時過ぎだとちょっと遅いな」と思っていたら、別の大分年配のご夫婦がのぼってこられた。周りにある神社を回っているという。「ここは人が来なくていい。陣場は大変だ。」とおっしゃっていた。
どうも時間が思った以上にかかりそうだ、という気持ちになりながら三国山を出て歩くうちにすぐに生藤山に着くはずが巻き道を行ってしまいピークを逃す。巻き道は狭く少し谷側に傾いており、谷下の傾斜も急だ。やはり高尾陣場の道に比べて「山」っぽい。その次のピークが茅丸(かやまる)でこの尾根の一番高いところ(1019M)。さすがにこれは外せないのでのぼっていったが木の段があるが、段差が大きく両手を突いて上がる感じ。下りもストックついて一段一段飛ぶように下りた。頂上は木の加減であまり見晴らしはあまりよくない。このてっぺんぐらいは木を刈って360度のパノラマにして欲しいものだ。
その後尾根をひたすら進むが結構小さなアップダウンが多く、歩きにくいところも多い。広葉樹が多いのか落ち葉のじゅうたんになっているところが多く、ふかふかと気持ちよいが気を抜くとすべることがある。時間のことがややプレッシャーになりその後のピークはあればほぼ巻き道を通っていった。12:20分ごろに山の神(おもしろい名前が多いですね)のあたりで陣場から来た人に出会う。朝の6時過ぎに藤野から上がったそうだ。この人を含め登山口から和田峠まで出合ったのは6人だった。
和田峠に着いたのは、最初にあった女性の予言どおり1時を少し過ぎたころ。陣場から降りてくる人で結構人が多かった。20人くらいいたであろうか。ここで第一の選択、�，鬚垢戮�かどうか、コーラを飲みながら自分の足に聞いてみる。結構疲れているが余力無しとはなっていない。すると車で来たご夫婦が登るかどうか検討しているらしく、茶屋のご主人に「登るのは何分ぐらいですが?」ときいた。ご主人は「そんなにかかりません。15分ですよ。」といった。ところがそれを聞いていた登山客の方々が、「15分じゃ無理無理」戸といって混ぜ返し、「30分見たほうがいい。」という声も上がる。ご夫婦は色々協議した後、「登ることにしました。」といって駐車場料金を払いに来た。
そのやり取りを聞いているうち私も、「じゃあ行こう。」という気持ちになり、木の段を上り始めた。もう登る人はあまりいないが、上からひっきりなしに下りてくる。団体もいる。こののぼりですれ違ったのは100人ではきかないだろう。登る前にふと、「何段あるのかな」、とおもったのでなんとなく数えて上がった。段の数え方にもよるだろうがおおよそ720段あったと思う。登りきるのに約20分かかった。
陣場山に上がってみるとのぼりの階段ですれ違った人々の数に比べると人数はそれほどでもなく、もうピークは超えているような印象。それでもカラフルに決めた山ガールたちや大きなグループ、果てはいすや馬に登って茶屋のおばさんにしかられている若者たちなど、バラエティに富んだ風景が広がる。富士山はかすんでいまひとつだったが、さっきから歩いてきた稜線が手に取るように見えいい気持ちであった。
さて、食事をして少し休んで時間は2時を過ぎたところ。このまま別ルートで下りて�△�Eコース、陣場高原下バス停に行くか、それとも高尾を目指すか?足はまだ音を上げていなかったが、それでもこれからの長丁場で持つかどうか?それより、途中で暗くなるのではないか?この前高尾山に夜行ったときは日の入りは5時過ぎだったがこの日は4時30分台となっている。しかし4時30分で暗くなるのか。日が沈んでも明るいんじゃないか、という甘い読みもあった。城山まで行けば夜になっても歩ける、駄目なら小仏峠で��のEコース、で小仏バス停に下りる、と意を決して歩き出した。後から思うと無謀である。
<道すじ、陣馬山以降>
陣場から歩き出したすぐは高尾方面から来る人に結構すれ違った。しかし少し進むとすれ違う人が少なくなり、高速でトレランの人に抜かれたのを最後に人通りが絶えた。それでも明王峠に着くと茶店はまだやっているようであり、奥のほうのベンチには数人の人が座って話が盛り上がっていた。ここから綾瀬方面に降りる道があって、1時間半ぐらいかな、と思うが行ったことがなく自信がない。やはり陣場高尾ルートは道がよく、朝からの尾根に比べればハイウエーのようだ。遠くてもこちらを行こう、と。
しかし、やはり明王峠から影信山は遠い。3時を過ぎると太陽が随分傾き周りに木の多いところでは相当暗くなってしまう。太陽が沈んでもまだまだ明るいだろう、と思っていた自分の想定がずれていることに気がつかされた。徐々に気があせってくる。ピークを避け巻き道巻き道と進み、堂所山の枝根の難所も避け、足取りもなるべく早く、進め進め。
だが前に進めと思う一方で、休みを取れという理性も働く。以前自転車に凝っていた頃、朝から散々走った挙句、夕方に先を急いで3時間ほどぶっ通しで走り、結局一日寝込んだ。そのうえ腰をおかしくしてそれがずっと尾を引いた。そのときの苦い思い出がよみがえり、明王峠のあと2回休みを取った。もみじ饅頭も食べた。やはり甘いものはいい。
ここまでピークを避けことごとく巻いてきたが、難物は影信山。陣馬からの登りはゆるいが山頂から小仏峠へのの下りが結構きつい。疲れた足で暗くなってからでは厳しい事だと歩きながら考えていた。この山には巻き道が無い。手元のiPhoneのGPSに入っている国土地理院の地図にも載っていない。北条景信の怨霊がわが前に立ちふさがるか?
堂所山を過ぎたあたりで、帰りきれずに夜になってこのあたりでビバークすることも想像してみた。高尾山に行き始めた時、高三の息子が言ったことがある。この息子は中高の山岳部で5年間山に登ってきた。彼が言ったのは、「山に行くなら必ずライト、非常食、雨具は持って行け」ということだった。「高尾山だよ」と私が言うと、「高尾山だって山でしょ」という。このときは彼のその言葉が思い出された。幸い忠告に従ってリュックには3点セットは入っている。それ以外にサバイバルシートなる体に巻きつけるアルミホイールみたいなものもある。使ってみたい気持ちもちょっとあったが次の日仕事と思うと、そうも行かない。
影信山に近づくに連れここが最後の難所という気持ちになった。小仏峠まで行けばあとは八王子側に旧甲州街道を降りよう、あの道ならライトがあれば降りられる。問題は目の前の影信山、と思いながらそろそろあがり始める頃と思って相当暗くなってきた道を進むと、小ピークを避けるのか右に巻いた道がある。何気なくその道を進むとけっこうずんずん続いている。あれっ、と思ってGPSを見るとなんと地図に無い道を影信山頂上を右に巻いて通り過ぎようとしている。影信山に巻き道はあったんだ! そうこうするうちに本道に出た。高尾側から影信山への最後ののぼりの上り口のところにである。先週に続き、現地は必ずしも地図どおりでないことを自覚させられた。
しかも巻き道を歩いていると木に囲まれてもうすっかり暗くなっている、と思っていたがここに出ると木を切って見晴らしのいい場所で、裏高尾の町並みや高速道路、そして関東平野が暮れ落ちる夕日に照らし出されてすばらしい眺めである。暗い道をもがきながら歩いてきたあとに、褒美をもらったような気分になった。しかもこのときは気づかなかったが、帰って撮った写真を見るとスカイツリーまで写っている。望外のことであった。
しばし景色を堪能したが、ここから小仏峠までもう一下りしなければならない。足元が岩や石の多い結構うっとうしい道である。再度木の壁の中に入ると本当に暗い。転ばないように慎重に降りて行き、小仏峠に着いたときはほっと十息ぐらいしました。
小仏峠に着いたのは4:40ごろ。ちょうど日没の時間ぐらいだが峠はほぼ暗闇で、当然ながら人はいない。狸さんに挨拶をしてヘッドライトを取り出し、旧甲州街道を東に下る。先週小原の本陣で教えてもらった話を思い出しながら下っていった。江戸時代の記録で、小原から八王子まで夜に集まりがあるので山かごを雇って小仏峠を越えて行った、という記録があるという。二人でひとりを担いでこの道をビブラムソールの靴も無いのに夜に越えたのかと思うと何やら人間はすごいな、という思いに満たされた。思わず「えっほ、えっほ」と声を出して下っていった。
上り口近くの水場で水をたらふく飲み、車道に出たのは5:20ごろ。車道をバス停に向けて歩くと目の前に木星がくっきりと光っている。無事でよかったと思いながら、ぶらぶら歩いてバス停に着いたがやはり誰もいない。時刻表には8時台まで毎時40分にバスがあることになってるが、ホントに来るんだろうかと不安だった。バスの灯が見えたときにはなにやら「地獄に仏」のような気持ちになった。発射待ちの間運転手さんとふたりきりなので、「来てくれるかどうか心配でした」というと、やさしい人で「心配になりますよね」とあわせてくれた。
振り返ると自分の体力からいってやはり少し無理な計画だったように思う。
若くも無いのに無茶はいかんよね。
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