天皇陵巡礼12（太子町 / 孝��・推古・用明・敏達の四天皇＋聖徳太子御廟所）
大阪府
ふじ
- GPS
- 03:10
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 166m
- 下り
- 198m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:09
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 3:09
| 天候 | 晴れ・風強め のち暗雲・小雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
●帰り ＝ 上ノ太子 14:25 |
写真
拍手
感想
太子町の4天皇陵と叡福寺内にある聖徳太子御廟所を廻る。
六枚橋バス停から孝徳天皇陵までは、先月 二上山の下山で使った道の逆。古い民家の残る雰囲気のいい道（竹内街道）を軽く登る。
孝徳天皇陵はその時にも参ったので、2ヶ月連続となる。その拝所前に若い男あり。その後 敏達天皇陵にレンタサイクルで向かうのを見たので、彼も天皇陵巡りをしているようだ（あるいは古墳巡りか）。
餅屋橋で南に向かい、古い町並み（山田）を行く。観光案内では林光寺や、伝 蘇我倉山田石川麻呂の墓などの前を通る道を勧めているようだが、ちょっとややこしいものの、南の道を行った。単純にこちらのほうが少し近道になるという理由だったが、これで正解だった。北から推古天皇陵が眺められるのである。しかも障害物がなく、バッチリと見ることができる。
推古天皇陵は堂々としたたたずまい（もちろん古墳時代のような周濠を持つドデカイ陵墓ではないものの）。飛鳥時代の重要天皇に相応しい威容を誇っている。
用明天皇陵へ。しかし参拝は北からの道を想定しているからか 道標に「用明」の文字はない。観光バスの止まっている空き地のある分岐を右折し、少し登る。
府道32号線をくぐるが、その手前は見晴らしのよい高台になっており、振り返ると 金剛山地の岩橋山から葛城山までを望むことができる。
用明天皇陵は南辺に拝所があるが、東辺の真ん中あたりから陵地内に入り、南辺に引き戻るようにして、拝所に向かう。拝所の背後には住宅地が並んでいる。
来た道を戻り、観光バスの分岐から東へ向かう。
尿意をもよおしていたが、おあつらえ向きに「葉室公園・（近つ飛鳥博物館）」の道標。左折して、公園に寄る。そばには2基の古墳、そして公園内にも小さな古墳があるが、その小さな丘には登れるようになっている。
広場にはベンチに座ってトランペットを練習している青年がいたが、オッサンがやってきて、わざわざ隣のベンチに座り、オカリナを吹き出した。張り合うように吹いている光景、ちょっと怖かった。私は離れたベンチに腰掛け、小腹を満たす。
敏達天皇陵へ向かう。進行方向から大音量のヘタクソなバンドの歌が聞こえてくることに不快な気分。
上宮学園前の交差点の手前にある 軽い坂道を登ると小さな工場があり、その隣に敏達天皇陵の参道入り口がある。
坂道を登ると、右手にはミカン畑。オジサンが収穫している。そして木々の中を通ると拝所が現われる。厳かな、なんともいい雰囲気。
しかし大音量のヘタクソな歌が興をそぐ。どうやら大阪芸術大学の文化祭のようだ。彼らは大学まで行って何を学んでいるのだろう…。あ、人のことは言えんか…。
北へ向かう。府道32号線の上を渡る。住宅地を下って行き、四つ辻の交差点。右折してすぐの小道を通って近道をする。
しかし ここは上宮太子中から西方寺、蘇我馬子墓に寄って、叡福寺正面に出るルートにすればよかったと反省。聖徳太子御廟所へは寺の手前にある別の道から行くと勘違いしていたからだ。もうちょっとしっかり調べておくべきだった。
叡福寺前に着いてしまい、アレッと。寺に入ってみると、正面奥に堂々とあった。参拝者がチラホラ。想像よりは少なかった。
参拝。寺内にあるため、仏式と神式が入り混じり、また天皇陵よりも手厚い扱いを受けている。ちょっと複雑な気分…。そんなことを思ったからか、空に黒雲が張り、暗くなってきた。
退出する。寺の前からバスに乗って帰るつもりでいたが、バスの時間まで18分ある。ほとんど足の疲れがなかったため（最近 足を鍛えている効果があるのだろう）、上ノ太子駅まで歩いて帰ることにした。
太子 和みの広場を通って北へ。墓地の向こうに古墳が眺められる。バスに乗らずによかった。まもなくポツポツと降り出してきたが、さすがに本降りにはならず、無事 上ノ太子駅 到着。
これで大阪府にある16の天皇陵のうち15の参拝が終わり、残るは河内長野の観心寺内にある、南北朝時代の御村上天皇陵を残すのみとなった。
来週はかずー氏と、奈良の光仁天皇陵、そして正倉院展を見に行く予定。
＊＊＊
●第30代 敏達 (びだつ) 天皇
【諡号】渟中倉太珠敷尊（ぬなくらのふとたましきのみこと）
【生没】538〜585年（48歳）
【在位】572年4月〜585年8月 (14年間)
【父】欽明天皇（第2皇子）【母】石姫皇后（いしひめのひめみこ）
【皇后】広姫（ひろひめ）
【皇居】百済大井宮（くだらのおおいのみや） 現在の大阪府河内長野市太井？、のちに訳語田幸玉宮（おさたのさきたまのみや）現在の奈良県桜井市戒重
【陵所】河内磯長中尾陵（こうちのしながのなかのおのみささぎ）。前方後円。考古学名は太子西山古墳。現在の大阪府南河内郡太子町大字太子。
◇欽明15年（554年）皇太子となる。同32年（571年）に欽明天皇が崩御したことを受け、翌年 即位。敏達4年（575年）に息長真手王（おきながのまてのおおきみ）の娘 広姫を皇后としたが、同年のうちに崩御。翌年 異母妹の額田部皇女（ぬかたべのひめみこ、後の推古天皇）を皇后に立てた。
物部守屋が欽明朝から引き続いて大連をつとめ、大臣は新たに蘇我馬子がなったが、欽明天皇の遺言である任那の復興はほとんど進展は見られなかった。
また前代からの仏教受容をめぐる争いが続いていたが、敏達天皇は廃仏派だった。崇仏派の蘇我馬子が寺を建て、仏を祭ったのと同時期に疫病が発生したため、仏教禁止令を発令し、仏像と仏殿を焼き払った。しかし その年に天皇は崩御。仏教を巡る争いは更に次の世代に持ち越された。
●第31代 用明（ようめい）天皇
【諡号】橘豊日天皇（たちばなのとよひのすめらみこと）
【生没】540〜587年（48歳）
【在位】585年9月〜587年4月 (3年間)
【父】欽明天皇（第4皇子）【母】堅塩媛（きたしひめ）（蘇我稲目の娘）
【皇后】穴穂部間人皇女（あなほべのはしひとのひめみこ）（欽明天皇の皇女）
【皇居】磐余池辺雙槻宮（いわれのいけのへのなみつきのみや）現在の橿原市東池尻町？
【陵所】河内磯長原陵（こうちのしながのはらのみささぎ）。公式形式は方丘。考古学名は春日向山古墳。現在の大阪府南河内郡太子町大字春日。
◇敏達天皇 崩御を受け即位。蘇我稲目の孫である用明天皇は、敏達天皇とは違って崇仏派で、伝統の神祇とともに仏法を信仰した。大連と大臣は物部守屋と蘇我馬子がそのまま引き継いでいたが、蘇我氏の勢力が伸張することとなった。
そんな中、天皇は疱瘡のため 在位2年足らずで崩御。享年は諸説ある。
●第33代 推古（すいこ）天皇
【諡号】豊御食炊屋姫尊（とよみけかしきやひめのみこと）
【諱】額田部皇女（ぬかたべのひめみこ）
【生没】554〜628年3月（75歳）
【在位】592年12月〜628年3月 (37年間)
【父】欽明天皇（第3皇女）【母】堅塩媛（きたしひめ）
【皇后】穴穂部間人皇女（あなほべのはしひとのひめみこ）（欽明天皇の皇女）
【皇居】豊浦宮（とゆらのみや）、のちに小墾田宮（おはりだのみや）現在の奈良県明日香村の雷丘？
【陵所】磯長山田陵（しながのやまだのみささぎ）。方丘。考古学名は山田高塚古墳。現在の大阪府南河内郡太子町大字山田。
◇「日本書紀」推古紀には、容姿端麗、挙措動作は乱れなく整っており、18歳で敏達天皇の皇后となったとある。一方 同書の敏達紀では、欽明天皇32年（571年）に敏達天皇の妃となり、敏達天皇4年（575年）皇后 広姫の崩御をうけ、翌年 立后したとある。
敏達14年（585年）、敏達天皇が崩御し、用明天皇が皇位につくが、用明2年（587年）に崩御。穴穂部皇子（あなほべのみこ）を推す物部守屋と 泊瀬部皇子（はつせべのみこ）を支持する蘇我馬子が戦い、蘇我氏の勝利に終わった。皇太后（額田部皇女）は詔を下して泊瀬部皇子（崇峻天皇）に即位を命じたが、祟峻5年（592年）、馬子は崇峻天皇を暗殺。かくして蘇我稲目の娘を母に持つ額田部皇女が39歳で即位し、日本史上初の女性天皇となった（ただし それに準ずる地位にあった神功皇后と飯豊皇女がいる）。
推古天皇元年（593年）、甥の厩戸皇子（聖徳太子）を皇太子 兼 摂政として起用する。彼は政治的手腕を発揮、推古11年（603年）冠位十二階、翌年に十七条憲法を制定し、法令・組織の整備を進めた。あるいは日本で最初の官選国史「天皇記」「国記」を編纂する。
推古8年（600年）と15年（607年）には遣隋使を派遣。小野妹子らを送った15年時には国書を奉呈したが、「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という文言は、隋の煬帝を憤慨させたと伝えられている。
推古天皇は厩戸皇子と大臣の馬子の勢力の均衡を保ち、巧みに王権の存続を図った。外戚で重臣の馬子に対しても是々非々で望み、馬子が葛城県（かずらきのあがた）の下賜を求めてきた時も、「それをやったら 私たちは後世 馬鹿にされてしまう」と拒絶したという。
推古30年（622年）厩戸皇子が薨去、同34年（626年）には蘇我馬子も亡くなったのち、同36年（628年）75歳で崩御した。
◆聖徳太子（しょうとくたいし）・厩戸皇子（うまやどのみこ）は、飛鳥時代の皇族・政治家（敏達3年（574年）〜推古30年（622年））。用明天皇の第二皇子で、母は欽明天皇の皇女 穴穂部間人皇女。
推古天皇の摂政として、大臣 蘇我馬子と協調しながら政治をおこなった。遣隋使を派遣するなどして中国の文化・制度を学び、冠位十二階や十七条憲法を定めるなど、天皇を中心とした中央集権国家体制の確立を図る。神祇とともに仏教に深く帰依し、法隆寺、四天王寺 ほか 多くの寺院を建立するなど仏教の興隆に尽くした。
なお聖徳太子という名称は、死没129年後の天平勝宝3年（751年）に編纂された「懐風藻」が初出と言われる。平安時代には一般的な名称となっていたことが伺える。
墓は磯長墓（しながのはか）。円墳。遺跡名は叡福寺北古墳（円墳）。大阪府南河内郡太子町の叡福寺境内。同時期に亡くなった母 穴穂部間人皇女と 妃のひとり 膳部菩岐々美郎女（かしわでのほききみのいらつめ）を合葬する。
●第36代 孝徳（こうとく）天皇
【諡号】天万豊日天皇（あめよろずとよひのすめらみこと）
【諱】軽皇子（かるのみこ）
【生没】596〜654年10月（59歳）
【在位】645年6月〜654年10月 (10年間)
【父】茅渟王（ちぬのおおきみ）（第1皇子）
【母】吉備姫王（きびひめのおおきみ）（欽明天皇の孫）
【皇后】間人皇女（はしひとのひめみこ）
【皇居】難波宮（なにわのみや）
【陵所】大阪磯長陵（おおさかのしながのみささぎ）。公式形式は円丘。考古学名は山田上ノ山古墳。現在の大阪府南河内郡太子町大字山田。
◇敏達天皇の孫。母は欽明天皇の孫で桜井皇子の王女 吉備姫王。皇極天皇（斉明天皇）の同母弟。
皇極4年6月（645年7月）乙巳の変が起きると 皇極天皇は中大兄皇子に譲位しようとしたが、中大兄は辞退、軽皇子を推薦した。軽皇子は三度辞退し、古人大兄皇子を推薦したが、古人大兄は辞退し出家。かくして史上初めての譲位によって軽皇子が立太子を経ずに即位した。中大兄を皇太子とし、阿倍内麻呂（阿倍倉梯麻呂）を左大臣、蘇我倉山田石川麻呂を右大臣、中臣鎌子（藤原鎌足）を内臣に据えた。皇極前天皇に皇祖母尊（すめみおやのみこと）という称号を贈った。
孝徳元年6月19日（645年7月17日）、史上初めて元号を立てて大化元年6月19日とした。大化6年2月（650年3月）には史上初の改元によって「白雉（はくち）」となる。
仏法を尊び、貴賎を問わず恩勅を下し（ただし神道は軽視）、各分野で制度改革を行なった（大化の改新）。また難波長柄豊碕宮を造営し、そこを都と定めた（大化元年12月）。 しかし白雉4年（653年）、中大兄は天皇に大和への遷都を求め、天皇と対立。皇祖母尊、間人皇后、大海人皇子、そして多くの臣下も皇太子に従って飛鳥川辺行宮（あすかのかわべのかりみや）に移ってしまった。 天皇は悲憤のうちに、翌年 病没した。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
五字ヶ峰の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する