折立より雲ノ平周回(水晶〜鷲羽〜黒部五郎〜薬師)



- GPS
- 104:00
- 距離
- 54.6km
- 登り
- 4,370m
- 下り
- 4,370m
コースタイム
- 山行
- 3:59
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:59
- 山行
- 9:12
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:12
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:58
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 8:07
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:52
天候 | 晴れ時々曇り 時々雷 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
急坂、ザレ場、ガレ場あり |
その他周辺情報 | 亀谷温泉 白樺ハイツ tel:076-481-1301 入浴料金 大人610円 10:00〜21:00 無休 設備 大浴場・露天風呂・サウナ・有料休憩室・宿泊施設 |
写真
感想
<momo>
今まで小屋3泊の縦走はありましたが、テント泊3日、小屋泊1日は、はじめてでした。
普段、ロードバイクでトレーニングのようなこともしていますが、
今回は、自宅で米やペットボトルをザックに入れて、13キロほど担ぎながら家事をやったり、テント泊では腰痛に悩まされるので、あらかじめ3〜4日前からテントマットで寝てみたり、コッヘルでご飯を炊いて予行練習したりして、今回の山行に挑みました。
その甲斐あってか、テントマットでは腰痛になることもなく、炊飯もうまくいきました。
2時間の浸水がうまく炊くコツ!ですね。^^
ザックは、後半、肩が痛くなったりしましたが、水晶、黒部五郎、薬師と要所要所でデポしたので、肩の痛みを軽減できたように思います。
予報では4日間、雲りだったので期待してはいませんでしたが、晴れ間もあり、どしゃ降りの雨にもあわずにすみました。
水晶を見ながら歩いた雲の平、三俣からみた鷲羽岳。黒部五郎のすばらしいカール、五郎から見えた槍ヶ岳、薬師岳から見た名だたる山々。
4日間の歩いた軌跡を遠くに見て、何事にも代えがたい貴重な時間だったとしみじみ感じました。
しんどくてつらい時間が長く、うちに帰りたい…と思いながらも、やっぱり登ってしまう。
山は偉大なり。
<モモ夫>
北アルプスの薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳を折立からグルっと一周するコースの縦走計画を立てた。
当初は折立でテントを張って、早朝に薬師岳を目指すことを考えていたが、奈良を出発して12時過ぎには折立に到着したので、薬師峠でテントを張ることにした。
天候はこの時点では予報に反して雲は多かったが、晴れ間が広がっており、明日に期待の持てる天候のように思えた。
折立から約3時間半で薬師峠にあるテント場に到着。その頃になると晴れ間はなくなり、グレーの雲が広がって怪しげな雰囲気になっていた。
下界は夏の暑さでうんざりするが、2300m近くにもなる薬師峠では夕方になるとむしろ寒くなってきて、長袖のシャツだけで過ごすのは寒く、持参したダウンジャケットが非常に役立った。
明日に備えて早めの就寝。しかし夜半、テントをポツポツと雨が叩く音がして目が覚めた。最初は止み間もあるなど、何とか明日には止んでいてほしいと願ったが、次第に雷が鳴るわ、稲光で空は光るわ、強い雨がテントを叩きつけるわでかなり気が重くなった。
水場はキャンプ場内にあり、冷たく水量も十分だ。トイレも洋式で紙が備え付けられており不快感はない。
2日目早朝、雨も何とか止んではいたが、どんよりした雲が立ち込めていた。曇り空での登山は織り込み済みだからこのまま登れそうな気がした。テントは張りっぱなしで薬師岳目指して一旦は歩きだした。しかし登りだしてすぐに再び雨が降り出し、この日の登頂はあきらめた。テント場に戻り、雨の中テントを撤収して水晶小屋を目指すことにした。
雨の中祖父岳を通過、岩苔乗越に到着。この時は雨も止み、曇りながらも遠くに三俣山荘、鷲羽岳が見えてきた。目指す水晶小屋だが、ワリモ北分岐からの水晶岳方面へ目を移しても建物自体は一向に見えない。
小屋に到着して手続きをしていると大雨が降ってきた。
小屋泊でも自炊で、雨が降っていなければ外で調理できるのだが、雨のため小屋内ですることになる。しかし水晶小屋内の自炊エリアは狭く、他の自炊登山者もいるのでゆっくりとはできなかった。
*メモ:水晶小屋は雨水をろ過して飲料水を賄っている。そのため宿泊者でも水500㎖の「権利券」が2枚渡され、券1枚につき100円で量り売りされる。僕らは2人なので合計2ℓまでしか飲料水は買えない。出発時にある程度持って来てはいるが自炊にも使うので要注意だ。通過者には売らないようだ。
また、小屋に付き物の乾燥室だが、ハンガーが1人2本渡され、その分だけしか使えない。この日は人が多く、乾燥室も衣類が密着するほど多かったので乾燥と言っても気休めにもならない程度だった。
雨が断続的に降り続いているので翌日の水晶岳もあまり期待が持てそうにない中、眠りに就いたが、薬師岳と違って天候がどうであれアタックせざるを得ない。20時には全館消灯となった。
小屋の朝は早い。3時過ぎから動き出し出発する人がおり、耳栓をしていても寝ていられない状態になってきた。起床後小屋の外の様子を見に行くと案の定真っ白な世界だった。ガスというか霧の中を進むのは周りの状況がわかりづらいので2900m辺りにいても高度感はないし、単に目の前の斜面の道を歩いているだけなので登っているという感覚が低い。水晶岳山頂直下の岩場は足を滑らさないように注意しながらやり過ごし、小屋を出て30分程度で頂上に立った。
写真を撮ったら早々にその場を離れ、小屋へと戻った。デポしたザックを担いで「お世話になりました」と小屋のスタッフの人たちにお礼を言うと鐘を鳴らして外まで見送ってくれた。天気は悪いがスタッフの心遣いに気持ち良く出発できた。
鷲羽岳に到着しても記念写真を撮るだけで登頂したという余韻にふけることはなかった。
鷲羽岳から三俣山荘への道はガレ場の急坂で空の様子を気にすることなく滑らないように注意して降りて行ったが、気づかないうちに次第に天候も回復し出して晴れ間がのぞき出した。三俣山荘で休憩後、三俣蓮華岳経由で黒部五郎小舎へと向かった。
テントを張っているとヘリによる荷揚げ荷下ろしというあまり見ることがない光景に遭遇した。物資を上から落とすのではなくちゃんと地面までロープを垂らしていた(当たり前なんだろうが、落とすものとばかり思っていた)。
僕らを含めてテント場にいた人がヘリに向かって手を振るとヘリの搭乗者も手を振って応えながら去って行った。
*メモ:キャンプ場はそれほど広くはない。水場やトイレは山荘まで行ってそれを使うことになる。水量も十分だし、トイレも外からの出入りとはいえ建物の一角にあるので違和感なく使える(洋式、ペーパーの備え付けあり)。水は小舎玄関前とトイレ側にあるが、玄関前は人がいる時間帯は流しっぱなしだが、そうでないときは止めているようだ。トイレ側は24時間利用OK。
夜中は雨が降ることがなく、朝テントから出て、上を見上げるとガスの立ち込めていない空が広がっていた。
カールの雄大さ、岩石と雪解けで出来た沢が織りなす風景はただただ素晴らしいの一言に過ぎる絶景だった。
カールを登り振り返ると鷲羽岳、水晶岳、薬師岳がはっきりと、きれいにその姿を見せていた。稜線への急坂を登ると今度は槍の穂先が見えだした。そのすぐ横には穂高連峰。
太郎平へ続くルートがある分岐点にザックをデポして約10分。黒部五郎岳の頂上には晴天の下で到着できた。遠くは中央アルプス、立山、剱岳を望むことができた。
頂上からの風景を十分に満喫した後、太郎兵衛平へ向かった。頂上から見ると太郎平小屋へと続く稜線は歩きやすそうに見えたが実際歩き出すとザレ場、アップダウンの繰り返しで結構足に来る。
元々4日目は折立に戻り自宅へ帰る予定だったが、2日目に薬師岳をスルーしているので帰宅は1日延長し、翌日アタックをかけるため再び薬師峠キャンプ場でテントを張った。初日と違ってテントを張る人も少なく、静かなテント場だった。
最終日、快晴とまではいかなかったが視界を遮るガスもなく、薬師岳へ登頂を開始した。歩き出して約30分、薬師平に到着。遠くに目を移すと槍ヶ岳がその姿を現していた。またニッコウキスゲやチングルマなどの高山植物が辺りに咲いていた。
山の頂上というのは遠くから見るとわかるが、近づくにつれわからなくなる。今回も稜線の先に祠らしきものが見えるので頂上はあれかと思いながら進んだが、ただの小ピークで目指す山頂はその先にあった。天気は次第に風が強まってきたものの晴れ間が広がり、稜線に出ると遠くは富山湾、笠ヶ岳、焼岳、御嶽山が見えてきた。
ようやくすっきりとした空の下、薬師岳の頂上に到着。360度の大展望が広がっていた。
絶景を楽しんだら下山を開始。この時頂上には僕らを含めて2組しかいなかったが、下り始めると続々と登ってくる人とすれ違った。
中には「薬師岳美化行進」の富山の中学生グループとすれ違った。後で調べてみると今回で33回目だそうな。地元の山を大切に思い、美化のための清掃活動をする姿をみるとゴミは落とさないように気を付けないといけないなと改めて思わされた。
キャンプ場に戻り、テントを片付けたらあとは折立まで下山。
今回の縦走は天気に振り回された感があったが、充実した5日間だった。
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