播州・JR鍛冶屋線廃線跡を歩く 西脇市駅〜多可町鍛冶屋

- GPS
- 03:15
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 41m
- 下り
- 9m
コースタイム
- 山行
- 3:18
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 3:55
天候 | 晴れときどき雪雲の切れ端で曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
GOAL……神姫グリーンバス・鍛冶屋 (多可町) まで。 途中、神姫バスおよび多可町コミュニティバスにエスケープ出来ますが、本数が少ないので事前に公式HPで確認することをお勧めします。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
鍛冶屋線廃線跡は地元自治体によって、遊歩道として完璧に整備されています。 ただ、トイレが少ないです。西脇駅・鍛冶屋駅跡にはありました。市原駅記念館もあるかも (?……確認するのを忘れました)。ほか、SC・コンビニがたまにあります。 |
写真
感想
国鉄がJRとなって来年4月で30年。その間に、本州3社及び九州と、北海道・四国では経営体力に大きな差が生じ、先日ついに、ローカル線経営の負担に耐えられなくなったJR北海道が多くの路線の廃止検討を発表し、大きな波紋を呼びました。そこで、日本全国のローカル線がクルマ社会に耐えられなくなりつつある云々という話題がメディアの俎上に上がっています。しかし、そういう動きは1970〜80年代にもあり、多くの赤字ローカル線が80年代〜90年代初頭にかけて消えて行きました。とはいえ、その一部の路線は、今どきの赤字ローカル線よりもはるかに客が多く、工夫次第で残せたはずなのですが……。
兵庫県の山あい、加古川線の西脇市駅(かつての野村駅)から枝分かれして、多可町の鍛冶屋に至る「鍛冶屋線」もそんな運の悪いローカル線のひとつです。鍛冶屋線は、もともと加古川線の前身「播州鉄道」が鉄道省に買収される前には本線格を構成し、沿線には西脇市の中心街、そして人口が多く豊かな農村地帯もあり(多可町はかの酒米の王者「山田錦」発祥の地とか!)、いま加古川線として残りつつも極めて本数が少ない西脇市〜谷川間よりもはるかに繁盛していたようです。しかし零細な区間は、終点の谷川で福知山線と接続することから、鉄道省のもと加古川線の本線扱いされるようになり、したがって今日に至るまで生き残っています(阪神淡路大震災で東海道・山陽線が不通となった期間、代替ルートとしてフル活用されたことも、存続の大きな理由)。これに対して、本来本線格であったはずの鍛冶屋までの線路は、行き止まり路線「鍛冶屋線」と命名されてしまったばっかりに、国鉄末期に赤字ローカル線扱いされてしまい、ついにJRとなって3年後の1990年に廃止……。
ただ、地元としては実に、廃止は断腸の思いであったとのことで、廃線跡が完璧に公道・遊歩道として整備・活用されているほか、途中の市原駅と終点の鍛冶屋駅には、加古川線で活躍したキハ30形ディーゼルカーが良好な状態で保存されています。
というわけで、京都に夕方のみ出張となった師走の一日、昼間時間を確保しまして、今や全国的にも貴重になったキハ30の保存車を訪ねてみようと思ったのですが (散々ボロと馬鹿にした車両も、今や国内で現役なのは水島臨海鉄道の1両のみ! 保存車もごく僅か……)、早朝に神奈川県の自宅を出発して、2ヶ所の保存車両を訪ねつつ、夕方京都の用務先に向かうには……加古川線西脇市駅からのバスが日中2時間間隔ということで少なすぎ!! 一時は、探訪そのものを先延ばしにしようかと思いました。しかし冷静に考えてみますと、鍛冶屋線は13km少々ということで、西脇市駅から鍛冶屋まで歩いて帰りはバスに乗れば、余裕で夕方京都に着けることが判明!! 播州の山あいの田園風景の中をひたすら、カメラ片手のスーツ姿でてくてく歩くという、何とも間抜けなハイキング (?) となったのでした。
この日は折悪しく、今冬最強の寒気が南下したため、しばしば猛烈な (しかもメッチャ冷たい!) 向かい風にさらされ、しかも時折雪の粒が顔面に叩きつけなかなかスピードが上がらなかったのは辛かったです。とはいえ、雲が流れゆく抜けるような青空のもと、ゆったりと連なる播州の里山を眺めながら、超スローな速度で走る列車の前面展望を楽しむような感じの歩きとなりまして、結構楽しかったのも事実です。
さて、ここ西脇市・多可町は、現在首都圏からの赤線結びを企んでいる中山道〜奈良〜大阪界隈とは結構離れており、関東人が仕事をしながらここまでヤマレコ赤線を延ばすのはあまり現実的ではなく、My赤線網における飛び地のまま終わりそうです。しかしやはりトホホな誘惑が……。じっくり関西地図を眺めてみますと、大阪からのんびり歩いても一日行程で宝塚に着き、ここから六甲山縦走路と福知山線旧線廃線跡ウォークにつなげるのも実に楽しそうですが、福知山線廃線跡を歩けば、さらに三田から西脇までちょうど一日行程ではないか……と。さらに多可町から山を越えると播但線沿線に出て、姫路城や竹田城につなげることも可……(爆)。
以上、 鉄ヲタに傾斜した内容で大変恐れ入りますが、ご覧頂き誠にありがとうございました。 m(_ _)m
コメント
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bobandou さんこんばんは
鍛冶屋線廃線跡のレコありがとうございます。
キハ30を久々に拝見させていただきました。昔は相模線でよく見かけた車両でしたが、いつの間にか絶滅危惧種の仲間入りだったのですね・・
JR北海道の元幹線廃止もそうですが昔を知っている鉄道ヲタにとって寂しい限りです。
bobandouさん、こん○×は(^o^)/
廃線跡歩きですが、里の間を走っていた路線のようで、周りの景色もバッチリですね
しかしここから赤線を伸ばすとなると…もはや関西圏も蜘蛛の巣を張らないといけなくなっちゃいますね
関東(神奈川)にもこのような廃線利用の散策路などあるのでしょうか
mamepapa
こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
ただの廃線跡歩きはヤマレコではウケないだろうと思いつつも、とにかくこれだけの距離を歩いた以上、ヤマレコのマップ画面に赤線として表示せずにはいられない……という発想だけでアップしたのですが、思いのほかヤマレコには一定数の鉄ヲタ兼業ハイカー・トレッカーな方々がいらっしゃるということで、お楽しみ頂き嬉しいです
何と……相模線のキハ30・35時代をご記憶でしたか! オレンジ色一色だった頃=国鉄末期は、外観も車内もとにかくボロボロで汚く、窓はトイレから霧吹き状に噴出されたアレがこびりつき
というわけで、2000年代にはかなりの頻度で、キハ30・35が辛うじて大量に走っていた関東鉄道常総線を訪ねたものです。しかし、つくばエクスプレス開業で常総線の利用客が激減したことと、イイ加減相当ボロくなったことで、2005〜2010年前後に一気に廃車が進んでしまいました。また、久留里線に3両あったキハ30も、4年前に一斉に消えてしまいましたね……。
現在、キハ30・35が現存しているのは以下のスポットでしょうか。
*会津鉄道……芦ノ牧温泉駅に、自走トロッコ化されたAT-300が1両。廃車済み。
*足尾駅……NPOか何かが所有する2両。
*関東鉄道水海道車庫……キハ101は水害で自走不能ながらイベント展示の常連。
キハ102・301は長年放置。水害以来ますます荒廃中。
*国立駅近くのJR鉄道総研……1両。何故か湘南色 w (平兵衛まつりでたまに展示)
*碓氷峠鉄道文化むら……900番台1両。
*いすみ鉄道大多喜駅……久留里線からもらった1両。予算不足で動態復活できず。
*水島臨海鉄道……1両。
*鍛冶屋線廃線跡……今回記事の3両。
というわけで、今後は旧い車両もローカル線も、ますます加速度的に、「まだあるだけまし」という寂しい時代になって行きますね……
こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
今回歩いた路線は、都会ではないけれど過疎でもない、程良く人の生活がある山間の農村エリアを貫いていたということで、線路跡を活かした非常に歩きやすい道であるのを除けば、完全に里山ハイクのノリでした
そして、今回はほとんど廃線跡を歩きましたので、集落の中にちょこっと入ったのは市原だけでしたが、ここに限らずどの集落でも、家並みは非常に豪華そのもので、以前赤線延ばしで歩いた茨城県南部の無駄に豪勢な (^^;) 民家を思い出しました。今回アップしてはいないのですが、蔵の明かり取り窓が完全な○なのも面白かったです。
それはさておき……関西ではクモの巣というわけではないにせよ、かなり赤線が伸び始めてしまいました
神奈川県内はそもそも廃線になった路線が少ないですので、なかなかすぐには廃線跡遊歩道が思い浮かばないのですが、例えば相模線の寒川〜西寒川が遊歩道化されたとかされていないとか……。横浜の新興埠頭の線路跡は、雑草が繁茂しまくった工業地帯ということで、そもそも散歩には向かなさそう……(滝汗)。あとは、JR南武線の宿河原駅から多摩川に向かって延びていた砂利運搬線が、今では完全に市街地の道路になっているようです。
はじめまして!bobandouさん。ご遠方から兵庫県の廃線跡にようこそ。
ご存じだったから、わざわざ足をのばされたのでしょうか?
鍛冶屋線廃線跡の旧市原駅〜旧羽安駅間の遊歩道はまもなく車道拡幅工事が始まるそうです。
あの田んぼの中ののんびりルートはもう歩けなくなります。
私も先月、一部歩いてきました。もう一度、全コース歩きたいと思っています。
廃線跡のいろんな痕跡探しを楽しんでいます(レコには載せてないんです)。奈良の大仏鉄道廃線跡、神戸市北区、有馬軽便鉄道跡もオススメですよ。古すぎて保存車両なんかはありませんが
おはようございます、こちらこそはじめまして、コメントどうもありがとうございます!
そして……お示し頂いた情報に「マジかよ!!……-_-;」とブッ飛んでしまいました
まさか、鍛冶屋線廃線跡でも一番感じの良い散歩道であった市原〜羽安間が、バイパスとして大改造されてしまうとは……
もともと私は現役時代の鍛冶屋線には乗ったことがない関東民ですので、もちろんそんなことは全く知らず、今回訪問した目的は一にも二にも保存ディーゼルカーが目当てでした。ですので、歩いてヤマレコに載せるなんてことも当初は全く考えていなかったのですが (笑)、バスの便が日中あまりにも開いてしまうことから、「それでは歩く方が速い」と思いまして、地図で廃線跡が整備されていることを確認したうえで歩いてみたという程度です。
ところが実際に歩いてみますと、ゆったりと連なる山並みと古い民家が織りなす田園風景に魅了されました……
それだけに……今回とりわけ印象的だった (でも吹きさらしで極寒だった
鉄道廃線から既に20数年を経て、当時の鉄路への思いも薄れ、市原〜羽安間の道は集落の中を抜けるためイマイチ狭いということもあって、「それでは、この区間をバイパスにしてしまおう」という判断になったのでしょうね……。
それはさておき、関西の(かなり忘れられた?)廃線跡探訪、なかなか濃いぃ世界ですね!
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