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熊が好んで食べるから、この名がついたとのこと。
ミズバショウは人には毒草です。熊はなぜ大丈夫なのか?
また熊は、同じサトイモ科のザゼンソウも食べる。そのため、ザゼンソウは「山の神(熊)の草」と呼ばれてきました。根を煮て熊の子どもに食わせたりもしたそうです。
と、ここまで知里さんの歴史的資料で紹介してきましたが、私はヒグマがミズバショウやザゼンソウを食っているところも、食べた跡も、見たことはありません。
そこで、調べてみると、ヒグマの生態にくわしい「よいクマ わるいクマ」(北海道新聞社)には、春に冬眠から覚めたクマは、水辺にきて、ザゼンソウ、ミズバショウ、せり科、イラクサなどから食べ始めるとありました。
ネット上では様々、記述があります。
そのなかの生活様式に詳しい方の話に、次のような内容がありました。
1)ヒグマはミズバショウよりも、ザゼンソウを好んで食う、ザゼンソウはクマの存在を知る指標植物で、その生育地はヒグマの憑き場(つきば)である。
2)飼育されたヒグマにザゼンソウを食べさせると、口から泡を吹く。が、野生のヒグマは年中食べている。
ヒグマは、ミズバショウの場合は、根の白い部分(例の塊茎ですね、毒劇物)を掘り出して食べるそうです。
野生のヒグマがそれでも平気(たぶん)なのは、野山で普段食べてるものに、毒を打ち消すものがあるためか、体質が違っているからか?
謎が残ります。
別の資料で、尾瀬でクマがハイカーとのあいだに事故を起こしていた数年前のとき、そのツキノワグマの場合もミズバショウが見られる沼地のそばに棲みついていたのだそうです。
クマの食物は季節ごとに変わっていきますが、ミズバショウやザゼンソウがある一帯に居ついたツキノワグマは、ヒグマ同様、そのエサ場を侵入者から守ろうとするのかもしれません。
ザゼンソウの葉はアイヌも食用にしてきました。
葉を茹でて食べる。乾して、保存食にする。
ザゼンソウの葉を細かく刻んで茹で、そこに樺の木からとった樹液を入れて煮詰めて食べたとあります。(同)
アイヌは、腫れ物、化膿などのとき、ミズバショウの生の葉をあてがったり、葉で膿を吸い出したりするなど、治療に使ってきました。
ミズバショウも、ザゼンソウも、テンナンショウ(マムシグサなど)と同じサトイモ科の野草です。サトイモ科には、そのまま食べると毒、というものが多いですね。毒成分は、サポニンなど。
飼育されたヒグマでさえも、塊茎をかじると口から泡を吹くんですね。
そういえば、ヤマレコにも、最近、サトイモ科の植物の塊茎をなめて、口から泡を吹くまではいきませんでしたが、3日間苦しんだ人がいましたっけね。
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