|
湊かなえの「告白」などがその分類になるそうで、「読んだあとに嫌な気分になるミステリー」なのか、確かに告白は本も映画でもなかなかでしたね。「代償」もその仲間だったんだ。知ってたら読まなかったとは言わないが、多少の覚悟はして読んだと思う。今回は衝撃だった。
伊岡瞬は「いつか、虹の向こうへ」が正統派ハードボイルで、なんだか古いなあと思いながら、ついつい読まされてしまった。次に手を出したのがこの「代償」で、これが件の「嫌ミス」だった。
悪役の少年が凄まじい。そのいじめや犯罪がおぞましい。それでも最後まで読むのは、これだけのことをしたのだから、それ相応の償いはしてくれるんだろうね、作者はこいつに絶対「代償」を払わせるはずとという期待からなのだが(もちろん物語の持つ力でもあるが)。結果は…
まあすごい小説だし、読ませる筆力もなかなかだが、「いつか、虹の…」のほうが好み。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで、この本の中で、いじめられる側の主人公とそれを助ける友人の会話で、好きな推理小説の話になって、アガサ・クリスティーの「検察側の証人」が挙げられている。伏線ではないのでネタバレにはならないはずだが、読み終わったら、法廷での証人のことで、ああそうかと思う人も多いはず。ミステリー史上に残る傑作だと言われているクリスティのこの作品へのオマージュなのか。
クリスティは、子どものころに結構読んだつもりだったけど、「アクロイド殺し」が未読だったのでこの際と思い、先日手にとった。これは叙述トリックの古典というか教科書的な本の一つ。もちろんミステリー的には傑作なんだろうが、クリスティの本はどれもちょっと古いなあという印象。ここだけの話だけど、ポワロってあまり好きなタイプじゃない。クリスティもまあそのように書いているんだろうけどね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アクロイド殺し」の関連で、東野圭吾の「悪意」と乾くるみの「イニシエーション・ラブ」も読了。そうかそうか、なるほどと思わせる大きなトリックはさすが。でも「嫌ミス」じゃないけど、こっちも今一つ登場人物が好きになれないのはどうして。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
古今東西のミステリー100みたいなサイトが幾つもあって、はらはらと見ていたら、いろいろ思い出した。ウィキペディアでは「東西ミステリーベスト100」とうタイトルで1985年版と2012年版があったりする。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%A5%BF%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88100#1985%E5%B9%B4%E7%89%88
懐かしい。「シャドー81」ルシアン・ネイハム、「羊たちの沈黙」トマス・ハリス、「100万ドルをとりかえせ」ジェフリー・アーチャー、「大誘拐」天童真、そして宮部みゆき、高村薫の作品群
・・・ありましたね、どれもすごく面白かった記憶。もう筋は忘れてしまったけど、読後感がとてもよかった印象。もう一度読もうかな。今は時間がいっぱいあるからね。
皆さんのおすすめはどんなミステリーでしょうか?
こんばんは はじめまして adさん
湊さんは友達がはまっていて、
でも内容聞くとぐったり間違いなしで読んでません。山女日記以外は🐷
さて、私のベストは
篠田節子さん「弥勒」
舞台は地理的にはブータン、ネパール
政情は中国。北朝鮮、ポル・ポト時代のカンボジアですかね。
例えればアカデミー賞のなかでも、こりゃ傑作❗というほどの衝撃さ。
救いの内ラストに一条の光が放たれ物語は終わります。
あと、これって実はプラトニックラブじゃ、で好きなのが「羊達の沈黙」とキングの「デットゾーン」です。
ではでは
kibako2様
何やら面白そうな本の推薦、ありがとうございます。では明日さっそく図書館に参ります。文庫だったら買っちゃうかもしれません。書評や口コミみても、なかなか凄そうな本ですね。プラトニックラブ(も)大好きです
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する