※がんばるのは、日頃のトレーニングであって、実際の山行ではない。日頃のトレーニングでがんばって、実際の山行は、「楽勝」ぐらいが安全に登山するための基本だと思う。
表妙義縦走にトライする人は、通常の岩場の通過は、問題ない人だと思う。各岩場は、そこそこ通過できるが、それが連続するから、腕が疲れて落ちてしまう。
普段、腕の筋肉は、それほど使わない人が多いと思う。それが、いきなり山に行って、使いまくったら、どんなことになるか、それを想像できないことは恐ろしいことだ。
良く握力のことを言う人がいるが、表妙義程度の岩場であれば、力は問題ないはず。(問題あったら、来てはいけない。)
問題になるのは、持久力だと思う。自分自身、最初の表妙義縦走で腕力に余裕があったと思っていたにも関わらず、鷹戻しの下りで力が入らなくなるという体験をした。当時、トレーニングジムでも筋トレしていたので、かなり不安になったことを覚えている。
クライミングでも問題になるのだが、前腕のいわゆる「パンプ」は、トレーニングして解消したい。毛細血管を発達させて、筋肉の中から乳酸を排出する能力を高めてやるのが効果的だ。
【参考】クライミングとトレーニング 菊地敏之氏講演会
https://powernavi.erde.co.jp/lecture/kikuchi2008/kikuchi06.html
トレーニング方法は、肘から先を上に向けて、「グーパー」を繰り返すという簡単なものだ。毎日100回程度やっていると、クライミングしても、パンプするのが遅くなるし、筋肉痛も和らぐようだ。
※上に挙げるのは、肘から先。肘を上に挙げてはいけない。下記日記参照。
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-111747
負荷は、どの程度かというと、まずは、まったくパンプしないぐらいの負荷で100回をやるといいと思う。持久系のトレーニングなので、毎日やるのが基本。
慣れてきたら、回数を増やし、アップで100回、次の100回でパンプさせるなど、負荷は個人でアレンジするのがいいと思うが、負荷を上げすぎて、毛細血管が閉じてしまわないよう注意が必要。
よく、クライミングジムのアップで、いきなりキャンパーをする人がいるが、あれは間違い。これは、ワールドカップクラスの選手でも同様。毛細血管を拡げてから負荷を上げるのが正しい。
なお、グーパートレーニングには、下記のような効果も期待できる。
●脳の働きが良くなる。
●反射神経が良くなる。
●血流が良くなる。
それから、クライマーの間では、有名だと思うが、下記トレーニングも有効なので、やっておくといいと思う。
★パキり防止・指の強化につながる指の筋膜ストレッチ
http://ameblo.jp/naniwamusume2/entry-11371021536.html
あとは、定番のトレーニング器具などあるが、それ以前に毛細血管トレーニングや筋膜ストレッチの方が先なので、そこは勘違いしない方がいい。
【参考】指のトレーニング器具
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-147078