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遥かな昔、お金がない時代、冬のレマン湖の畔で、雨の中、傘をさしてカモメにフランスパンの切れ端をやっておりました。チーズを噛じり、ワインをラッパ飲みしていたら、犬を散歩させていたスイス人紳士が私を見て「オーノー!」という感じで両手で大げさにジェスチャーした姿が今でも忘れられません。それ以上に、そのときのワインもフランスパンもチーズも、それはそれは絶品の美味しさだったことが忘れられません。冬のマッターホルンを登ろうとする野望は消えておりましたが…。
…そんなことはともかく、なんとか自分でチーズが作りたくて、1年ほど前から私はチーズ作りを始めました。しかしながら、これがなかなか難しいのです。いや、モッツァレラチーズのような熟成しないフレッシュチーズ作りは簡単です。でも、私が作りたい熟成させたゴーダチーズとかパルミジャーノ・レッジャーノは、カビが出来てしまう壁が立ちはだかっていたのでした。
暑い夏が終わって涼しくなってきたので再びチーズ作りに挑戦しました。
なぜ、パルミジャーノ・レッジャーノかということですが、一つには作る工程に塩水に長期間漬けるという工程があることで素人でもカビが防止できると考えたことです。もう一つは、チーズの王様と呼ばれているチーズ作りをしてみたいという挑戦欲からです。イタリアでは料理を引き立てるので「台所のハズバンド(夫)」とも呼ばれています。
ちなみに、パルミジャーノ・レッジャーノというのは要するにパルメザンチーズのことです。パルメザンはパルミジャーノの英語読みらしいです。日本ではクラフト社が作っている粉チーズのパルメザンチーズがスーパーで売られておりますが、厳密に言えばアメリカで作っているので本当はパルメザンチーズと名乗ってはいけないはずです。このあたりの真相は分かりませんがイタリア人は大らかですから気にしていないかも知れません。
さて、前書きが長くなりました。
以下、チーズ作りに興味がある人は参考にしてみてください。
2リットルの牛乳(約500円)で約200〜250グラムのチーズができる予定です。
本邦初公開!!
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【材料】
低温殺菌牛乳2リットル・・・低温殺菌牛乳でないとチーズは作れません。
ヨーグルト大さじ2・・・普通のヨーグルトでOK
レンネット耳かき1・・・子牛の第4胃袋にある酵素。私はアマゾンで買いました。ちなみに子牛は母乳をレンネットで固めて栄養を吸収するらしいです。
粗塩・・・10グラム
塩・・・たくさん
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2503.jpg[/img]
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【作り方】
1. 低温殺菌牛乳にヨーグルトを入れてよくとかす。(スターターという)
2. 電気炊飯器のマルチ炊飯機能で、35度70分間乳酸菌発酵。(固まることはない)
3. 粗塩を入れてよく溶かす。ちなみに本場イタリアのレシピには塩は入れません。その代わり塩化カルシウムを入れるレシピもあります。塩化カルシウムはチーズを固くさせるためだとか。塩化カルシウムを加える場合は牛乳の0.01〜0.02%の量を加える。2リットルなら0.2〜0.4グラム。
4. レンネットを水10mLに溶かして牛乳に入れてよくかき混ぜる。
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2504.jpg[/img]
5. 35度で20分から30分で牛乳が固まりだす。
6. レンネットを入れて60分経ったらステーキナイフのようなもので1センチ角のマス目に切る。専用の器具もありますがもったいないので必要なし。
7. 電気炊飯器の温度を40度にセットして10分間放置。
8. 10分たち乳清(ホエー)が出てくる。
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2505.jpg[/img]
9. その後5分ごとにおたまでかき混ぜる。(40度にセットして20分間)
10. 温度を53度(本場は50度)に上げて5分ごとに30分間おたまでかき混ぜる。かき混ぜる場合はゆっくり。
11. かき混ぜているとチーズの元になる物が小さく固まって底に沈んでくる。
12. 蕎麦打ちのザルとおたまでホエーを抜く。ちなみに、ホエーは栄養があるのでプロティンに混ぜて飲むと非常によい健康ドリンクになる。
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2506.jpg[/img]
13. キッチンネット(流しのゴミの集積用に使うネット)に入れる。
14. 型に入れて重石で圧力を少しかける。私の場合は漬物用の容器に水抜き穴を開けて使った。冷蔵庫に入れる。
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15. 1時間後、ホエーがどんどん抜けるので重しの圧力を高める。
16. 8時間後、さらに圧力を高める。
17. 48時間、そのまま放置。必要に応じて圧力を高める。
18. 72時間後に型からチーズを出す。端っこを包丁で切ってキレイにする。
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19. チーズを入れる容器に飽和食塩水を入れ、チーズを入れ、冷蔵庫に入れる。飽和食塩水というのはこれ以上塩がとけない濃い食塩水のこと。
[img]http://www.yamareco.com/uploads/photos/2509.jpg[/img]
20. チーズから水分が出てくるのでほぼ毎日塩を少しずつ入れる。チーズは浮いているが、点検したときに裏返す。
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とりあえず、今の段階はここまで進んでいます。
それ以降の工程は、成功しておりませんが、次のように予定しています。
21.約25日後に塩水の容器からチーズを取り出す。
22.冷蔵庫にキッチンペーパーを厚く敷いて、チーズを載せて水分を取る。
23.水分が取れたら塩分が表面に出てくる。
24.何日後かに冷蔵庫から出して戸棚に入れて15日ごとに表面を磨く。
25.2年間、15日ごとに磨く。ちなみに本場イタリアのチーズ工場では日本製のロボットが15日ごとにチーズを磨いているのだそうです。
26.2年後に美味しい美味しいパルミジャーノ・レッジャーノの完成



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以上でありますが、私の計画では、毎月2個ずつ作っていくつもりです。
実は、私の住んでいる田舎町に奇跡のように本物のイタリア人のチーズ職人が住んでいてチーズを作っておるのですが、彼が作る熟成チーズを毎月2個ずつ買って1年後に毎月2個ずつ食べていたことがあります。それはそれは美味しく熟成できました。チーズを熟成させる意味がよく分かりました。発酵ではありませんが熟成ですね。そのチーズはパルミジャーノ・レッジャーノじゃないですが、そんな美味しいチーズができたらなぁ〜。
ちなみに昨年は3ヶ月から半年でカビが出来てしまいました

チーズのカビをあなどることなかれ。
おはようございます
食は文化・・ミュウレンさんは本当に研究熱心ですね。
感心します。
わたしなどは食べるだけで、料理と云えるような物すらできません。
自分で珈琲豆をブレンドして「この苦さがいいなぁ」程度のことです(^^;
へんなこと聞いていいですか?
お腹・・こわしませんか?(ごめんなさい、マジで心配します)
でわでわ
uedayasujiさん、こんにちは。
やっぱり幹事長がいなくなると寂しいですね。
腹は全く大丈夫ですよ。健康には人一倍注意しているので怪しいと思ったら食べません。細菌性の下痢とかは最近では全くないですね。
もう、むちゃくちゃ前ですが私も気取ってコーヒーのブレンドに挑戦したことがありますよ。
モカとかブラジルとかいろいろ混ぜましたが、なんだか分からず、結果は、山男はキリマンかブルマンを飲もう!という結論になり、キリマンからパラで飛ぶ計画を立てた頃からキリマンオンリーの時期が続いたあと、近所で生豆からローストするショップが出来て、それ以来、そこのオリジナルブレンドに落ち着きました。
わっ、美味しいコーヒーが飲みたくなりました。
幹事長はムードメーカーですので・・
きっとお仕事も多忙なのでしょう。
いずれ春先には戻られると思ってます。
山レコでも彼のファンも多いですし、倶楽部のモモンガステッカーも彼のデザインですのからね
規模はともかく、お父さんの事業を引き継ぐそうなのでなかなか苦労も絶えないのでしょうね
でも、そんな繁忙期こそ、息抜き登山が必要だろうと思うのですがね・・
ふふふ・・ゲストでも見ておられたらいつでもメッセージください。
彼はミュウレンさんを師匠のように思ってましたので、ミュウレンさんに連絡があるやもしれません。
その節はよろしくお願いします。m(。。)m
でわでわ
雑文失礼しました
なるほどね、でも突然性が何であるか、気になるのはそのあたりですが、まあ、見てらしたら気楽に連絡してください、ということですね。
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