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〇クマ鈴について
小型のクマ鈴は、あまり音が届かない。
スピードの速いトレランや、音が吸収されやすい鬱蒼とした樹林帯などでは、あまり効果がない。
カウベルは軽くて美しい音色だが、大型のものでも低音のため遠くまでは音が届かない。
80g以上(できれば100g以上)の大型のクマ鈴は、比較的開けた場所では、約100m、音が届く。
低音域と高音域では、高音域の方が遠くまで音が届く。
特に獣は高音域に敏感だと言われているため、より高音域の音のするクマ鈴が良い。こういったクマ鈴は釣鐘型が多い。
獣が高音域に敏感な理由としては、鹿など草食動物については、仲間が発する高音の警戒音を聞き取るために、肉食動物は、草食動物が発する警戒音を聞き取るために進化したためと言われている。
草食動物の多くが警戒音で高音域を発する理由は、おそらく、より遠くまで届く高音域を発する個体が生き残ってきた結果だろう。
現在販売している釣鐘型のクマ鈴で最高に良いものはブラスワンの製品。
https://brass1.net/index.html
音色の美しさや余韻の長さなど、クマが寄ってきてしまうのではないかと思うほど魅力的な音がする。自分も喉から手が出るほど欲しかったが、相当に高価。
最もコスパが高いのは、冒険倶楽部のAY12の鈴。
https://www.amazon.co.jp/%E5%86%92%E9%99%BA%E5%80%B6%E6%A5%BD%E9%83%A8-BOHKEN-CLUB-%E5%B1%B1%E8%8F%9C%E5%8F%96%E3%82%8A%E3%83%BB%E5%B1%B1%E6%AD%A9%E3%81%8D%E7%94%A8-%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%8A%E4%BB%98/dp/B0017M9Q96/ref=pd_lpo_1?pd_rd_i=B09W1YXZ2P&th=1
このメーカーのクマ鈴は、現在、消音機能のあるタイプなどもホームセンターで見かけるようになった。音色や余韻の長さはほどほどで、あまり美しい音はしないが、実用性ではお値段以上だと思う。
比較的軽量のもので良いと思ったのは、「東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付 TB-K1 」だが、昨今のクマ遭遇率が高まっている現状では、音量、音域などトータル面で多少の不安を感じる。
これらの大型の鈴でも沢沿いやうっそうとした場所では音が届きにくくなる。特に沢沿いでは10m低度しか音が届かないケースもあり、カーブの先など見えない場所でいきなりクマに遭遇するといったケースも散見されている。
こういった場合は、より高音域の笛やホイッスルが有効だと感じている。
〇笛、ホイッスルについて
クマへのアピールとしては、より高音域、高音量のもの、携帯性ではより軽量のものが良いだろう。クマ対策だけでなく、滑落して藪の中に入ってしまった場合や登山道から外れてしまった場合など、エネルギーを使わずに自分の位置を周囲に知らせるためにも、効率が良いだろう。冬季は金属だと口と笛がくっついて大変なこととなるため凍結しないプラスティック製品であり、水が内部に入り込んで凍結しにくい構造(空間が狭すぎないこと、内部に玉がないもの)なども重要だろう。
これら条件を満たすものとして、FOXの製品が優れていると思う。
・ FOX40 フォックス フォーティー クラッシック オレンジ 玉無し
こちらは115デシベルと相当に高音域で音量も大きい。自分が使用しているもの。
下記のマイクロが1.6km先まで音が届くということなので、それ以上なのだろう。
https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/osawamarine/item/56161/?sc_i=shp_pc_search_sproitem_itmnm
自分はザックの肩辺りから出ている背面の隙間を調整する調整ベルトの先端に、スマホやGPSをバンジーで取り付けているのだが、そのバンジーの紐部分に可動式になるようにホイッスルを取り付けている。いつでも頻繁にホイッスルを吹けるようにするため。参考までに写真を添付する。
・FOX40 マイクロ
同じくFOXの軽量、スマートなホイッスル。110デシベル。1.6km先まで音が届くらしい。
https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/osawamarine/item/micro/?sc_i=shp_pc_search_sproitem_itmnm
これらのホイッスルは、沢沿いで大型のクマ鈴が機能しないような場所でも、十分な機能を発揮すると実感している。
リンク追記(約2kmまで音が届いたという自己の記録)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5676683.html
〇余談
北海道の大雪山を縦走していた時に、姿は見えないが遠くから何人もの人が走ってくるような鈴の音が聞こえた。あまりのけたたましさに、何事だろうと注意していると、暫くたって1名のトレラン風の男性が近づいてきた。
よく見ると釣鐘型の鈴だけでなく、トロイカ鈴も複数着けていた。
https://brass1.net/turugi.html
3人以上のチームでクマに遭遇ということは殆ど聞いたことがないが、複数の鈴、異なる種類の鈴をつけておくと、クマも複数人が来ているように勘違いをして遭遇率が下がるような気がする。恐らく、そういった効果を狙っていたのだと思います。なるほどなあ・・・と思った次第です。
このほか、クマ鈴を使用しているうちに、製品ごとに音が鳴りやすい振幅というものがあるのだと気づきました。この振幅を決定するのは、鈴本体と接続しているジョイント(紐など)の長さです。通常のクマ鈴は、この振幅を考えてジョイント部分の長さが調整されていますが、たまに鈴単体で売っているものがあり、これは自分で調整する必要があります。また、ジョイントの紐が切れた場合などは、同じ長さに修復ししないと、同じ鈴なのに音がしにくくなるということがあります。
この現象が発生する要因としては、鈴本体と鈴の中央からぶら下がっている金属の玉の振幅のタイミングが一致してしまうと、いつまでたっても金属の玉は鈴本体にぶつからないので音がしないということだと思います。ここは意外と盲点です。
また、鈴を設置する位置によって、音の到達距離も変わります。
高い位置で振れやすい場所、そして自分の体の前に着けた方が前方へは効果があると思います。一番良いのは、顔の前に垂らした髪の毛でしょうか?(笑)。
しかし、実際はザックに着けることとなるので、むずかしいです。ひとそれぞれで、ちょっとした工夫が必要です。
あと、きつい急登などでは、ゆっくり登るために体があまり揺れないので、鈴がなりません。こういった場合はホイッスルの方が良いと思います。
人によっては、ホイッスルを吹くのがきついので、電子ホイッスルを利用されている方もいますが、かなり重くなりますし、電池がなくなったり、壊れたら(電子機器は壊れやすい)アウトです。
大型のクマ鈴やホイッスル使用のデメリットは、動物に遭遇しなくなることです。これはメリットでもありますが、危険動物ではないものにも会いにくくなるので、ちょっと寂しいです。それと賑やかな登山道では嫌がられます。でもそういた場所では、大型のクマ鈴やホイッスルはあまり使用する機会もないでしょう。自分は他の登山者がいた場合は、クマ鈴を手で押さえて消音してからスライドするようにしています。
あと、面倒くさいときは、自分で熊のように吠えて威嚇しています。
人間を襲う意識があるクマには、上記のクマ鈴やホイッスルは逆効果です。複数のクマ鈴利用は、怖がってくれれば効果あるのかもしれません。
以上です!
私は熊鈴をどこにつけたらいいか試行錯誤して、ストックに付けることにしました。
モンベルの音色の違うニ種類を左右のストックの手を通す紐に付けています。
ザックに付けるより音が鳴ります。不安な場所では大きく手を振ってできるだけ音がよく鳴るようにしています。
コメントありがとうございます。
ストックですと、高さと位置も良いですし、確かに良く鳴りそうですね。
良いアイデアだと思います。
少し不安なのは手に当たったりはしないのでしょうか?歩いてる分には問題ないかも知れませんが、ちょっと走ったりした場合、手に当たる様な気がします。当たらない位置にリングなどを取り付けて、鈴を設置すれば良いかも知れませんが、そこまでしなくても問題ないかもですが。
昔北海道に住んでる時だったか
鈴つけてると餌が来たと思って襲われるぞと笑って言われた記憶が…
確かに北海道の方は鈴をつけていない方の割合が本州よりも高い様な気がします。北海道の方とお話ししても、やはりそうなのだと言われてました。たまたまかもしれませんが、、、。
人を襲うつもりのクマだと餌の位置を教えてる様なものなので怖いです。でも、ヒグマの事故率はツキノワグマの1/10だと言われていますね。それだと、クマへの意識も高まらないのかなあ、、、とも思います。そもそもツキノワグマの事故率は他のクマと比べても世界一高いと言われてますから、ツキノワグマが特別なのかも知れませんね。
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