私は、普段、「コース定数」や「体力度」などを登山計画の段階で参照することは全くありません(下山した後に振り返るくらいかな)が、最近、那須や飯豊山塊を歩いてみて、改めて「体力度」とか「コース定数」などというものは、ある程度の山になると山を歩く体力指標として全くアテにならないと改めて認識しました。
山歩きのように、自然を相手にする行動は、長くなったり厳しくなるほど、「コース」以外の外的要因の要素が多くなって、「数字」と要求される体力との乖離が激しくなります。なので、山域の異なるコース定数40と50のルートを比較して、40のルートの方が体力的に優しいと判断したり、「雪や岩場などコースが厳しい場合はコース定数を〇倍する」などといった「数字」を基準に考えることにどれだけの意味があるのか疑問です。
もちろん、コース定数の有用性自体は、私自身も否定しません。むしろ、こういう「数字」は、コース定数20程度以下の一般登山ルートにおいて、地図やルート等から、どの程度の体力が要求されるのか見当が十分つかない人が、登山計画を立てる時点で要求される体力レベルを自分自身で判断できるまでの過渡期に参考にするもの、という位置づけが妥当でしょう。
あるいは、日帰り程度のガイド登山で、ガイドさんが案内書に体力レベルとして表示するとかでしょうか。
いずれにせよ、自然を相手にする遊びをするなら、どの程度の体力が要求されるか、などいった基本的なことは、「数字」なんぞではなく、自分自身で考えるようになりたいものです。
まぁ、アテにならないところを多く歩いているからかもしれませんが(笑)
登山道の歩きやすさで大きく変わりますしね。
同じ獲得標高1000mでも、よく整備された北アルプスと野趣あふれる飯豊連峰では雲泥の差だと思います。
ダイグラ尾根なんてあれだけの急登続きでロープのひとつもありませんからね(笑)
結局、経験なんですよね。どんな山で、どんな植生で、どんな地質かでも大きく違うし。
藪漕ぎしてみると分かりますよね(笑)
全く異なる体感なのに、「体力度」が同じだったので、勢いに任せて筆が滑って、まともや多くの人に反感を買うような日記を書いてしまいました(笑)
私も、登山を始めた当初から、ガイド本の「体力度」やコース定数を参考にしたことはありません。でも、そのおかげでたくさんミスをして、要求される体力度は、理解できるようになりました。kozouさんおっしゃる通り、まさにエラーを含めた経験が大事なんですよね。
コース定数は、30以上なんて、はっきり言って「数字遊び」にしか思えないですね。
ちなみに、あえて藪漕ぎして分かろうとするのはkozouさんくらいでしょうか😆
登山者の、そしてヤマレコユーザーの大多数は、良く整備された一般登山道しか歩きません。そして、遭難の多くは一般登山道で起きます。距離・標高差以外の要素がほとんど問題にならないルートにおいて、です。したがって、距離・標高差から機械的に計算できる体力・時間的指標を示して、ユーザーに判断材料を提供することが、上記の問題に対する効率的な対策であると考えたのでしょう。
距離・標高差以外の要素が大きな問題になるルートにまで、機械的に体力度が示されてしまうのは問題ですが、そういうルートをいちいち選別して別扱いにするというような非効率的なことはできないのでしょう。とにかく、てくてくてくさんが仰る通り、経験豊富な登山者の役に立つことを意図している訳ではないと思います。
なお、コース定数の算定に用いる行動時間は、個人差を反映しない、いわゆる標準コースタイム的なものであると思います。
なるほど、「自己防衛」ですか。そういう側面もあるかもしれませんね。
登山SNSの黎明期は、ほぼヤマレコのみであり、「煽っている」と叩かれたりしましたからね。
ところで、本文にもありますとおり、私は、体力度(コース定数)の有用性そのものは認めてます。fiftynineさん仰るとおり、一般ルートにおける体力指標の提供が、登山者に寄与する面はあるますね。
ただし、一般登山ルートであっても、体力度が大きくなるほど、気温を含めた気象、疲労の蓄積などの体調、本人の元々持っている体力、荷物の重量など、「コース」以外の要因に影響を受けてくるので、概ね30以上になると、コース定数の有用性が下がるということです。なので、算定された「数字」に依存したり、一喜一憂するのではなく、自分の経験を重ねるうちに、自分の体力度を予測したり省みることできる技量をもつことが大切、ということでした。
ちなみに、「行動時間」も標準コースタイムであることは理解しています。そうしないと全国統一基準という「定数」の意味がないからです。ただ、この「標準コースタイム」そのものが一定のレベルの登山者のタイムを擬制とせざるを得ない(実際にはタイムは百人百様)部分に限界を感じてます。
感じたことを、即座に文章にしてしまったので、私の文章に舌足らずの部分があったと思います。
ただ、コース定数というのはそのコースを歩くときに消費するエネルギー量を計算するためのものです(エネルギー消費量 = コース定数 × (体重+荷物の重さ))。エネルギー消費量と必要な体力との間に相関関係はあるにしても、1対1に対応するものだとは思われません。これについては、コース定数の提唱者である山本氏の著書を読んでも、「コース定数とガイドブックに示されている体力度とは統計的に相関している」ことが示されているだけで、それ以上の考察はなく、ちょっと釈然としません。
登山に必要な体力は、主に下肢の筋持久力と心肺機能で規定されるようです。したがって、コースの距離・標高差の条件下で、想定しているペースでの歩行を想定している歩行時間中、ある程度の余裕を持って続けられる筋持久力と心肺機能がそのコースの要求する体力であり、それができればその登山者は必要体力を有している、ということになるのかもしれません。エネルギー消費量を規定する要素が、必要体力にも(同じ形ではないにしても)密接に関係してくるので、両者の間に相関関係があるということなのかなと思います。そうであれば、コースの必要体力と登山者の体力を(コース定数を介さずに)もっと直接的に計算すればよさそうな気がしますが、そう簡単にはいかないのでしょう。
コース定数自体については、かなり単純化した実験の結果を定式化したものであり、路面の状況、気象条件等々の要素は考慮されていません。したがって、そういったことが問題となる場合は、それを加味して考える必要があります。ヤマレコ側としては、個別にそこまで面倒見切れないのは当然すぎる話で、わざわざ説明するまでもないと思っているのかもしれません。しかし、それをあらかじめ説明しないで数値だけ示すのでは、「こんなの使い物にならないよ、実感と全然合わない」という話で終わってしまう恐れがあります。それでは提唱者への義理を欠いているし、ユーザーへのサービスにもならないのではないでしょうか。
私自身に関しては、山行計画の段階でヤマレコの体力度を参考にすることは、現時点ではあまりありません。ですが、自分の山行記録についた体力度と実感を比較してみると、日帰りでは体力度4くらいがちょうど良く、3以下では物足りない、5では目一杯、6以上は日帰りは無理、というように大体対応している感じです。なので、確かに統計的に見ればそう捨てたものでもない、と思っています。
たまに「ちょっとおかしいだろう」という体力度になっているものがあるのは確かです。中には、距離・標高差・標準コースタイム(山行時間と歩くペースから逆算)からコース定数を自分で計算してみて、どう考えてもおかしいものもあり、それはシステムの不備によるのだろうと思っています。
長々と失礼しました。この問題について自分の考えを整理するきっかけを頂いたことを感謝します。
おそらくコース定数や体力度に対する見方としては、fiftynineさんも私もそれほど変わりないと思います。
私が常日頃思っていることですが、まずは自分というものがあり、自分を知るための参考のために「数字」があるのに、「数字」同士で比較したり、「数字」の方から自分をあてはめようとする傾向は問題かな?と思ってます。ちょっとわかりにくいですが・・・
ただ、私が、ある程度の山になると「あてにならない」と言い切っているので、その点は共感できない方が多いと思います。まあ、それも、私個人の考えに過ぎず、日記に書く以上は、批判されることを当然のことと考えていますし、自分の考えを自ら批判的に検討する余地も出てくるので、fiftynineさんのように、ご意見頂けると嬉しいです。ありがとうございます。
最後に、ヤマレコは、まだ良いと思ってます。それは体力度2=コース定数10〜20というように、ある程度幅をもった数値なので、山歩きをする際に、自分の能力を顧みる余地を残している点です。その点で、ヤマップのようにコース定数を1刻みで表示するより良心的だと思ってます。
人様の日記に自分の言いたいことを延々と書いてしまい、怒られるか無視されても仕方ないと思っていましたが、冷静に対応していただき、ありがとうございます。
私は元は技術屋なので、数値化は好きな方です。問題の全体が数値化できなくても、数値化できる部分は数値化してうまく使えばいいという考え方です。また、たとえ数値化がうまくいかなくても、数値化しようと試みる過程で問題の本質が見えてくることもあるかと思います。
体力度に話を戻すと、長い山行になるほど複雑な要素が絡んできて、体力度の数値では表せない部分が出てくるということは確かにあるでしょう。一方で、そういうことに影響されない基礎的な部分もあるはずで、その切り分けも数値指標を扱う上で重要だと思います。数値化したい立場からの話ですが。
昔は登山で遭難するのは、経験の浅い初心者とリスクの高い先鋭的な登山をする人が大部分だったと思いますが、現在では自分の体力の衰えを自覚しない(と思われる)高齢層が半数を占めています。私自身もそこに片足突っ込んでいるので、体力度の話には無関心ではいられません。
登山コースの体力度は、同時にそのコースをどの程度の疲労度で歩けたかを見ることで登山者自身の体力度の客観的な指標にもなります。ヤマレコの「体力度」は現状では十分なものではないかもしれませんが、今後さらに改善されることを望むとともに、うまく使うやり方を考えていきたいと思います。
体力度評価の重要性について、若い方とは感じ方が違うだろうとは思いますが、ヤマレコユーザーにおいては「片足突っ込んでいる」派が相当の割合を占めているのではないでしょうか。
>数値化しようと試みる過程で問題の本質が見えてくることもあるかと思います
これは、私も共感します。いかに数値化しにくい部分を数値化するかは、技術屋さんの自然な欲求のように思いますし、ヤマレコ等の登山アプリ利用者の多くが望む点でもあると思います。
そして、AIの発展によって、主観的部分もすら数値把握が可能となり、今後は、主観的体力度など数項目を記録に入力すれば、個人の山行履歴や天候なども踏まえて、自分が立てた登山計画がどの程度の体力のものかをかなり高精度に把握できる日もそう遠くないと思います。そのうえで、登山者各自が、プライド等に左右されずに、きちんと体力度を見定めて、遭難や行動不能等が減少していくのであれば、確かに喜ばしいことだと思います。ただ、現段階では、コース定数が概ね30を越えると、なかなか数字通りに行かないというのが実感としてあります。
私自身は、体力度に関するトライ&エラーの観点や地図や記録を踏まえて自分で要求される体力度を自分で考えるプロセス自体に面白さを感じている側面があります。それは、正確なGPSがありながら、あえて地図とコンパスで歩くことを楽しむことと似ているかもしれません。
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