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2013年04月14日 23:01思ったこと全体に公開

奥美濃に息づく古の能狂言

岐阜県本巣市の根尾能郷地区・・・
『能の郷(さと)』の名を授かるこの地では毎年4月13日、白山神社の祭礼として
奉納楽と能・狂言が演じられます。
現在の能とは趣きの異なる能郷のそれは、能郷猿楽衆と呼ばれる能方および狂言方、
16戸の家が世襲で代々600年もの歳月を伝え、受け継いできた貴重かつ希少なものであり、
1976年には国定無形民俗文化財に指定された伝統行事です。

まず最初に『儀式の舞』である、能 式三番 が演じられ、それに続いて
狂言→能→狂言→能→狂言→能 の順に6演目が演じられます。

3年ほど前だったか?曲がるべき道を見落としてどんどん北上。
偶然迷い込んだのがこの能郷集落でした。まだ山登りに興味すら持っていなかった頃の話です。
杉の巨木に囲まれ、荘厳で物静かな・・・そしてそこだけ何か空気が違う様な感覚・・・
記憶の奥底で微かではあれ、ずっと気になっていた場所・・・
近い将来、再びこの地に足を踏み入れるという予感めいた何かは、
能郷谷からの能郷白山登山で昨年、現実のものとなりました。
その2週間前、温見峠から登頂した際には、白山神社の本社である奥の院の神事に
偶然立ち会った経緯もあり、今回の祭礼は是が非でも見ておきたかったのです。

能・狂言の観覧の経験、知識などは自分にはありません。
ただ、そこでどういったものが演じられるのか?それをこの目で見ておきたかったのです。

その日は自分たちのように他所から訪れる方々も多数居られました。
個人でカメラと三脚を設置する人達やテレビ取材の人達、小学生の社会見学。
地元の人々は集い、喜び、心から楽しんでおられる様子でした。
時折こぼれるおばあちゃんたちの笑い声はとても温かく、この『宝物』への
愛が溢れていました。

 写真左  : 能 式三番 翁の舞
写真中・右 : 能 羅生門の一場面
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コメント

RE: 奥美濃に息づく古の能狂言
ひろしさん 初めまして

『能の郷』があるんですか。素敵なものが見れて良かったですね。
私も能、狂言、文楽、神楽が好きで、山を始める前は時々観に行ってました。
全然詳しくはないですが、見ているだけで心が落ち着きます。
能の時は落ち着きすぎてよく寝てましたが

久しぶりに着物を着て観に行ってみたいと思いました。
2013/4/15 21:13
mantenmomoさん こんばんは
はじめまして。コメントをいただき、ありがとうございます。

能・狂言の観覧自体が初めてという点、知識ゼロという
点もあり、理解を伴う視点には辿り着けないままでしたが、
神社の境内で観覧する『生活と共存する芸能』の雰囲気は、
素人なりに何となく感じて楽しむことが出来たのではないかと
自分では思っています。

こうした古い形の能は、全国で三ヶ所しか残っていないらしく、
(山形県「黒川能」 静岡県「はね能」 岐阜県「能郷の能狂言」)
改めて、貴重なものをこの目で見られたのだと再認識しました。
現在の能も観覧することで、それらの趣を見比べてみるのも
興味深いかもしれません。

ただ、時代の流れに伴い、600年続いていると言われる
この能郷の能狂言においても、後継者不足の問題は深刻らしく、
今後も続けて行けるのだろうか・・・
そう考えると複雑な気持ちになってしまいます
2013/4/15 23:19
RE: 奥美濃に息づく古の能狂言
能郷谷をはじめとするこの付近は独特の雰囲気がありますね。

何年か前の秋、この地区の細い田舎道を車でゆっくり走っていると突然人が飛び出てきて、停められたことがありました。

驚いて訪ねると、(荒島権現のような)小さな山の祠の祭礼をしているので、お供えのおこわを食っていけというのです。

もちろん遠慮なくいただきました。

赤飯と山菜の二種類のおこわはとてもおいしかったです。

奉納能狂言といい、この例といい、この地区には、いまだ「山ノ神」がおわすようですね。

hiroCさんの日記を読ませて頂いて、この地域を畏敬をもちつつ歩きたいと感じました。
2013/4/20 11:21
山ノ神
fuararunpuさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

突然飛び出しておこわ!その状況は確かにびっくりしますね
この日は午前中に神事、午後から奉納楽の予定が組まれており、
その間、2時間程度の空き時間がありましたので、神社近辺を
少しブラブラしてみました。
普段とも、山を歩いている時ともまた違う、ゆったりした
気持ちの休まる時間を過ごせました。

昨年に能郷から能郷白山に登った日、下山は自分が最後でした。
長い行程・・・熊も居ますし、普通だったら不安な気持ちにでも
なりそうなものですが、何故かその日はそういう感覚には
陥りませんでした。
何かに見守られているような温かい空気が常にそこにはありました。
山岳信仰の深い山ならではの感覚だったのかもしれません。
山ノ神はきっと居られます
2013/4/21 22:01
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