そもそも私が気に喰わなかったのは、
二子山クライミング訴訟のニュースが、ヤマレコ日記で話題になった時、
それなりにクライミング経験のありそうなユーザーたちが『岩場の事故は自己責任』と口をそろえてコメントしてたのに違和感を感じたから。
私としては、『何故、原告クライマーが法廷闘争に踏み切ったのか？』も疑問だったし、『事故そのものがどうゆう状況で起きたのか？』も、報道記事を読むだけではよく分からなかったから。
前にも書いたけど『自己責任』って他人を責める為の言葉じゃないと思うんだよね。
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で、前回、前々回の日記に、いくつかのコメントをもらって、
改めて思いを巡らせていたら、50年以上まえの事件を思い出した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ナイロンザイル事件
以下、概要
●1955年正月 三重県岩稜会のメンバーが、前穂東壁を登攀中、墜落事故を起こし死亡者がでた。短期間に同様の事故が散見されたため、同会はナイロン製クライミングロープに疑念を抱く。
●1955年４月 ロープメーカーは、日本山岳会関西支部長の指導により、公開実験（※のちに不正が発覚）を行い「岩稜会は自分たちのミスをナイロンザイルのせいにした」という記事が山岳雑誌・化学学会誌で報じられた。
●岩稜会は「これらの記述は、登山者の生命を危険にさらすことになるので、訂正するべきである。岩角でのナイロンザイルの弱点を明白に認めないと、安全対策は生まれない」との立場から日本山岳会・山岳関係者に問題を提起、訴えを続けたが、日本山岳会からは無視され続けた。
●その後もナイロン製ロープの破断事故は相次ぐ。
●1973年6月『消費生活用製品安全法』ができるまで、通商産業省調べで判明しているだけで20人を超える登山者がロープ破断で死亡している。
同法施行後、ナイロン製ロープの破断による死者はなくなったといわれている。
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こっちの方が解りやすくて詳しいかも
「氷壁」ナイロンザイルの科学的調査によって明らかになった59年前の真実
−独立行政法人製品評価技術基盤機構
https://www.nite.go.jp/data/000055707.pdf
『８．得られた教訓』
・いかなる時も中立・公正
・最終目的は組織のためではなく世の中のため
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この事件を改めて思い出せたおかげで、自分の中でのモヤモヤはひとまず落ち着いた。
原告クライマーが法廷闘争に踏み切ったのは、岩稜会と同じ思いからだろう。
スポーツ訴訟に関しては、こんな記述も見つけた。
『傷害の程度が重くとも、学校やクラブの対応が適切であったり、学校やクラブと保護者との信頼関係がある場合、訴訟にまで至らないケースもありますが、事実を解明していく中で、学校やクラブの対応が納得できない、情報が隠蔽される、信頼関係がつくれなかった、そんなときに弁護士に相談される方が多いですね。
補償を求める事案よりも、『そこで一体何が起こったのか』、『誰にその責任があるのか』、『なぜ防ぐことができなかったのか』、事実関係の解明を求める相談が多いです。』
https://torch-sports.jp/article/legal-responsibilities-of-sports-coaching
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50年前と今とでは、
クライミングそのものを取り巻く社会的環境も、使用する道具も、到達される難易度も時代と共に変化した。
なにより、クライミングに於ける『安全理論』と『スポーツクライミング』の普及は、私が学生だった30年前に比べても大きく進歩したと感じている。
昔のままの価値観や法解釈で問題ないのだろうか。
ただ、今のクライミングしか知らない若い人たちや初心者が『クライマーの自己責任でしょう』というのは仕方がないのかもしれないが、
少なくとも1973年の『消費生活用製品安全法』成立時に、岩稜登攀をしていた世代、そしてその世代から直接クライミングのイロハを教わった世代なら、今回のクライミング訴訟についても、冷静に思考を巡らすべきなんじゃないかと思う。
ついでに、毎日新聞もこんなタイトルで記事書いてないで事実関係を調べて欲しい。
井上靖はもういないのか。
「自己責任の原則」巡り意見書対立
https://news.yahoo.co.jp/articles/4dcc77050b93718081c6ac9944ec298c771b7be2
＜参考サイト＞
●「氷壁」ナイロンザイルの科学的調査によって明らかになった59年前の真実
独立行政法人製品評価技術基盤機構
https://www.nite.go.jp/data/000055707.pdf
●「細工された実験」 馬込文学マラソン
https://designroomrune.com/magome/daypage/04/0429.html
●「ナイロンザイル事件」検証の研究所跡地に記念碑 ヤマケイオンライン
https://www.yamakei-online.com/journal/detail.php?id=6918
あとで時間あったら読む
●ナイロンザイルの切断事故(1) J-STAGE 国立研究開発法人科学技術振興機構
https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/12/7/12_7_281/_pdf
山と渓谷社
『十大事故から読み解く
山岳遭難の傷痕』
こちらにも詳細が扱われております。
全く関係ありませんが戦後すぐに材質に難のある（Mgだったと記憶）お釜が販売されて購入者が実際に火にかけたら激しく燃え上がったため全国の麗しき主婦の皆様からの吊し上げがありました。
そういう本もあるんですね！
図書館で見つけたら読んでみます
体調の方はいかがですか？
お元気なようで何よりです
分からないで済ませてしまっては、必要な注意を怠った事になってしまいます！
とはいえ、長々とコメント頂きましたが、この日記の趣旨はそこじゃないです！
義憤の念から法廷闘争に踏み切った原告に対し、自己責任と騒ぎ立てるのは如何なものか？！
って話ですよ？
色々と、長々と
わからない事だらけ… と 書きましたが、
とりあえず『 長々としたコメント 』は 消しました
『 何故、原告クライマーが法廷闘争に踏み切ったのか？ 』
に ついては、
原告クライマーさんが、
自分に非は無い… と 思っているから
告訴なりを したのでしょうけれど
結局、原告クライマーさんの考え は
その人にしか わからないのでしょうから
ネットを いくら見たとしても、
本人に 聞いてみなければ わからない ですね
『 事故そのものがどうゆう状況で起きたのか? 』
に ついても
ネットで いくら検索したり、調べても
所詮 ネットで得た情報 では、
それ以上の事は わからないし
想像する事しか出来ないのですから
本人に 聞いてみなければ
わからない ですね
結局、
ネットで ちょっと 見た だけの人 も、
ネットで 詳しく 調べた人も、
大差 無く、
TVの、3時っ頃やっている ワイドショー番組と
変わらない のです
自分を含めて、
ヤマレコで あーだこーだ言う人も含めて
あと、UIAA123 (EN959)も前提になると思います。
国際規格として広く認知されており、適合する装備の使用がクライマーに求められている現状では、
提供を目的として設置・管理する側にとっても、守らなければいけない『必要な注意』な気がします。
・"協会が管理"の言葉の一人歩き
・誘客がクライマーのみへか一般者へ間口を広く取っているのか？
・日本には珍しい石灰質岩場のリスク把握
これらが気になるところです。
集客数Upのために敢えてリスキーな岩場にルート設定したのでは!? という疑念から訴訟を起こしたと推察もできるため法廷に任せたのでしょう。
少なくとも"管理"という単語を使用しなければこのようなことも無かったのかもしれません。
町が町興しで絡んだのも問題を複雑にしたのかもしれませんし。
あと、最近はハンディドリルと接着剤があれば、ホームセンターの金具でも支点ぽいものは簡単に作れるみたいです。
そういう時代なので、設置する側の注意事項も改めて確認なり明示なりの必要はありそうですね。
いいかげんなコメントなんてＳＮＳでは当たり前ですよね？
ここに書いて何か変わりますか？
はっきり言って、だからなんなの？独り言は独りで消化しろとしか思えないんですが？
自然相手に完璧に管理できないし、劣化の速さとか点検の困難さがあるんですよ。
しかし、こと設置に関しては元々UIAAが屋外での使用を前提とした規格なので、そこは設置する人がちゃんとしないといけないと思います。
いい加減なコメントについては、Kijo-Ashさんの方に絡んで下さい！
でもって此処は私の日記です🙄
60年経とうが40年経とうが
『たたかい続ける人のこころ』ってのは、他人には理解されないのだな。
吉田拓郎思い出した。和正氏も。
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