丸亀製麺の基本的なメニューに、「釜揚げ」「かけ」「ぶっかけ」があります。
それぞれどう違うのか。
「釜揚げ」と「かけ」の違いは明瞭です。「釜揚げ」は茹で上げたうどんが桶の中で湯に浸かった状態のものを、小鉢に入れられた出汁に浸して食べます。「かけ」は湯きりしたうどんを丼に入れ、出汁をかけていただきます。
では、「ぶっかけ」とは何か?初めて行った際にお店の人に聞いてみたところ、丼に入れた湯きりしたうどんに「釜揚げ」用の出汁をかけるものだとの事でした。公式WEBサイトにも同様の記述があります。「釜揚げ」用の出汁は、湯に浸かっているうどんをつける”つけ汁”なので、「かけ」の出汁よりも濃く作られています。味付も違うようです。それをぶっかけるのが「ぶっかけ」というわけです。
三種の違いは概ね以上の様に説明されていますが、実はもう一つ、重大な違いがあります。それは、うどんそのものの処理に関する違いです。「釜揚げ」のうどんは釜から揚げたそのままの状態で提供されるのに対し、「かけ」の場合は湯きりをした上で、一度冷水に通して締めているのです。これには二つの効果があり、一つは、こうすることでうどんのコシが強くなること。もう一つは、火の入りを止め、麺の伸びを防ぐことです。「かけ」のうどんは、ザルの上に並べられている既に茹で上がっているものを湯通しして暖めて提供されています。冷水で締めておかないと、すぐに伸びて食感が変わってしまうという事でしょう。
さて、ここで疑問が生まれます。それでは「ぶっかけ」のうどんはどっちなのか?先に答えを言うと、「ぶっかけ」のうどんは冷水で締めたものです。つまり「かけ」のうどんに「釜揚げ」の出汁という第三の組み合わせなのでした。僕は長らくこれを勘違いしていて、「釜揚げ」というスタイルでありながら一口ずつ出汁につける行為を拒んで”ぶっかけ”てしまうのが「ぶっかけ」なのだと思っていました。つまり、うどんも出汁も「釜揚げ」のものだと思っていたのです。
なぜ、こんなことを考えたのか。ここが本題なのですが、僕の好みとして、うどんは「釜揚げ」のものが好きです。コシよりも歯ごたえが強調された食感、嚥下が早すぎない、ツルツルしすぎていない表面のテクスチュア、これらの要素に田舎料理的なある種の野性味、素朴さを感じます。そして出汁は「かけ」用のものが好みです。「釜揚げ」用の方はやや甘い味付けになっているので、その濃度と相まって、(特にぶっかけた時に)こってりした印象になってしまう。やはりうどんはさっぱり食べたい。
そこで一頃、このような注文をしていました。
「ぶっかけに出汁をかけずに下さい」(丸亀製麺は「かけ」には出汁がかかってない状態で出てきて自分で好きなだけかけるシステムなので「かけ」用の出汁をかけて下さいとは言いません)
複数の店舗で頼んで見ましたが、お店の人は快く応じてくれました。しかし出てくるものは僕の想定とは違っていて、冷水で締めたうどんです。これではただの「かけ」と変わりません。お店の人はどう思ってたんでしょうか。「それは「かけ」と同じです」って教えてくれればいいのに…。
ある時、「ぶっかけ」のうどんは「かけ」のうどんと同じであることに気付いた僕は、ようやく理想のオーダーにたどり着きました。それは以下のようなものです。
「釜揚げをお湯なしで丼に入れてください。出汁もいりません」
これでうまくいきました。
しかし、まだ一つ疑問が残っています。これだと、「釜揚げ」でありながら見た目から「かけ」との区別がつきません。したがって会計をしてもらうと、レシートには「かけ」と表記されます。両者の価格は同じなので普段は問題ないのですが、丸亀製麺では毎月一日に「釜揚げ」が半額になるサービスがあります。その日にこのオーダーをするとどう扱われるのか。これは「釜揚げ」なのか「かけ」なのか。一日に行く機会はなかなかないので、まだ謎のままです。
う〜む、面倒くさいけどこだわりのうどん好きですね。
麺を水で冷やさないのがいいのですね。
多くの乾麺(うどん、そば、そうめん)のゆで方指南では、「ゆであがった麺を一度冷水でよく洗い、暖かく食べたい時はもう一回湯通しする事」とありますが、分かっちゃいてもお店じゃあるまいしそんなにたくさんのお湯を沸かしておくのがもったいなくて、水洗いしません。
自宅で茹でるときに皆さんは、暖め用のお湯も用意しているんでしょうか。
冬山などでは更に水が無いですから、茹で汁の半分をそのまま汁にまわします。全部まわすとしょっぱいから。
「水洗いしていないうどんが好きなのだ」というご意見もあるのだということに、安心した次第です。
言われてみれば確かに、自宅で作る時にも冷水には浸しません。そんな事してる人を見た事もないです。自宅でやってる人はいるのか、気になります。
関係ないですが茹で上げのうどんを納豆につけて食べる納豆うどんは絶品ですよ。
ところでyoneyamaさんのプロフィール画像が可愛すぎてたまりません。
はじめまして。
私は香川出身ですが、地元でもいろんな楽しみ方があります。
かけで麺を湯通しした物、しないもの、出汁の熱いもの、常温のもの、冷たいものといろんなパターンが出来ます。
個人的にはうどんはファーストフードで流し込むものと思っていますので麺は湯通しせずに熱い出汁、通称ひああつです。これなら一気にいけます
satocyさん>コメントありがとうございます。
なるほど、本場ではあらゆる組み合わせのパターンが食されているのですね。WEBサイトで確認したところ、丸亀製麺にはかけの冷たいのはないようです。はなまるうどんには「そのまま」という裏メニューがあるそうですが、近所に店舗がないので試せないまま…。
ひああつに興味津々で、今度やってみようかと思います。でも丸亀で頼んだら迷惑なのかなぁと少し心配。
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