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同じように「山粧う」(秋)。「山眠る」(冬)というのもあるそうだ。
これらの言葉の出典は中国、北宋の画家・郭煕(かくき)の言葉だとか、または南宋の呂祖謙の『臥遊録』だとされているようだがはっきりしないらしい。
私の最新レコでは、この「山笑う」をタイトルに使わせて頂いている。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-420665.html
『広辞苑』には、
【山笑う】
春の芽吹きはじめた華やかな山の形容。冬季の山の淋しさに対していう。笑う山。<季・春>。
とある。
『春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠として滴(した)たるが如し
秋山明浄にして粧うが如く
冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し』
ちなみに読みは
「しゅんざん たんやにして わらうがごとく
かざん そうすいとして したたるがごとし
しゅうざん めいじょうにして よそおうがごとく
とうざん さんたんとして ねむるがごとし」
となるらしい。
「淡冶」(たんや)とは、あっさりしてなまめかしいさま、だそうな。
なるほど、どの季節の形容も、その季節の山の表情を言い得て妙だ。
確かに「惨淡として睡るが如し」な冬山に雪が少なくなって、芽吹きが始まった山はなんとも穏やかで、あたかも微笑んでいるかのように見える。
また、「あっさりしてなまめかしい」という一見矛盾するような表現も、なんだか両立していると思えば思えないこともない深い趣が感じられる。
郭煕は山水画家だそうだから、山をよく見ていたのだろう。
ただ、さすがに山に登ったりはしなかったようだ。冬の山に登って、あの素敵な景色を眺めれば「惨淡として睡る。」などとは言わないだろうからね。
日本人にとっては春は正月よりも「新年」の感が深い季節だ。別れがあり、また新しい出会いもある。
新たな環境で新しい生活を踏み出す方々も多いだろう。
厳しい眠りから目覚めて、微笑んで一歩を踏み出す。そんな人間達を同じように山も微笑みながら見守ってくれている。
そんな気がするこの頃だ。
故郷やどちらをみても山笑ふ 子規
pasocomさん、おはようございます。
近所の雑木林に行って、ああ、山笑ふだなあ、と感じ入ったばかりなので反応しました^ ^
新緑のまだ色の薄い緑が淡、
花のようすがなまめかしい、でしょうか。
冬山は見た事がなければ残念な表現になっても仕方ないかなあ、と感じます。
食べ物を探しにいざ、山へ。(そこ!?)
コメントありがとうございます。
近所に雑木林があるなんて素敵ですね。うらやましい。
新緑というにはまだまだな感じですが、寒々しい真っ白な山ではなくなってきましたね。山の中で枝を眺めるとどの枝にも小さな若葉がいっぱい芽吹いていました。
小さな若葉の色はまさに「淡」ですね。「なまめかしい」のは何でしょう?最初「さくら」かなと思いましたが、中国では日本のように桜を愛でる風習はないようで・・・、すると「もも」でしょうかね。桃の花はいかにもなまめかしいです。
それにしても「冬山惨淡として・・・」は残念ですねえ。
郭煕さんを八ツに連れて行ってやりたかった(^^)
おはようございます
これは、これは
朝から目の覚めるようなお話ですね
『春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠として滴(した)たるが如し
秋山明浄にして粧うが如く
冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し』
深山の奥より、詩吟がこだまして山を響かせているようです・・
恐れ入りました
でわでわ
こちらにもコメントありがとうございます。
今回はレコと日記のコラボという趣向です。
こんな話でお目覚めに役立ったなら幸いでした。
ネットから仕入れた即席知識を切り貼りしたようなもの。小保方さんも真っ青でしょう(^^)
元の文章は当然、漢詩になっているようで
春山澹冶而如笑
夏山蒼翠而欲滴
秋山明淨而如粧
冬山惨淡而如睡
らしい。
「笑」と「粧」がちゃんと「しょう」で韻を踏んでいるのがまたオツです。
いや、ますます年寄りくさいな(^^)
こんばんは。
近所の植木屋さんは、木々の芽が膨らんで開くことも「笑う」と表現していました。
「花梨なんかとっくに笑っとるわ(笑っているよ三河弁)」みたいな感じですね。
おお、それは園芸用語として全国区なのでしょうか?
それとも三河弁(^^)
に、しても雰囲気はとても良くわかりますね。ふわっと開く感じ。
いいですね。今度「桃が笑い始めた。」なんて使ってみたいです。
ところで余談を思い出しました。
舞台用語で「笑う」というのは「舞台上の物を引っ込める」の意味です。
舞台監督に「これ、笑って!」と言わて「ふふふ・・・」なんて言うと叱られます(^^)
http://www.tennen.net/kaizokusen2/yogo/yogo_w.html
レコを書いていると、自分が感動したときの気持ちとか景色がどのように美しいかというのを表すための語彙が自分には少ないな〜といつも思い知らされます。
最近読んだ「日本山岳紀行 ドイツ人が見た明治末の信州」という本、内容もとても面白いのでオススメですが、山を形容する言葉も聞き慣れないようなものが色々出てきて参考になりました。
俳句の世界も言葉の勉強になりそうですね。
山笑う春も、花粉症人間にとっては笑えません!
耳かゆい!のどかゆい!鼻水とまらない!
コメントありがとうございます。
いやいや、yokowvさんのレコの表現、詩的だなあと感心させられること多いですよ。
私などはガリガリの理系人間なものでレコなんか論文みたいになっちゃいます。
「粧う」は難しいですね。普通は「装う」でしょうが、これだと着物のことになりそうで、化粧するのが「粧う」でしょうか。なら、山は「粧う」のほうが当たってますね。
日曜日の朝、NHK教育の6:00からは短歌、6:35からは俳句。これ勉強になります。
いや、ますますジジくさくなってきた(^^)
yokowvさん花粉症ですか。そりゃ大変。山どころじゃない?お大事に。
北宋の画家・郭煕←ずいぶん昔の方みたいですねー?
写真の情景を山笑ふ!って言うんですねー。5月上旬位でしょうかね?ワタクシの場合はこういう新緑の山を見ると、渡辺真知子の歌で、
「緑は燃えて山を駆け上がり〜」っていうトコロを思い出し口ずさみます。なんていう歌か忘れましたが、、。
こんな時期は渓流釣りに最適な頃なんですよ〜!
渡辺真知子、、ちょっと昔ですね(笑)
コメントありがとうございます。
渡辺真知子の歌、知りませんでした。
「かもめが飛んだ〜」くらいしか・・・(^^;)
で、調べて見ましたが。
−自然の中に−
どこまでも続く 広い草原
見上げた青空 果てしなく
風に舞う鳥 息づく花は
私を包み 今は陽射しに溶ける
軽やかに浮かぶ雲は旅人
湖が映す新世界
緑は萌えて 山を駆け上がり
生きる大地に すべて今 蘇る
風に舞う鳥 息づく花は
生きる大地にすべて今 蘇る
やっぱり春なんでしょうね。それにしてもプロの詩人ですねえ。言葉が踊ってる。
ところで「緑は萌えて」ですねえ。「燃えて」は困る(^^) ふふふ・・・。
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