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その時は、あまり気にならなかったのだが、帰宅してレコをまとめている間にだんだん「ひっかかる」感じがしてきたのだ。
それは、私の記憶では金峰山の標高は2595mじゃなかったのか、ということ。
その疑問の引き金になったのは、山行の時にプリントして持参した「国土地理院の地形図(ウォッちず)」だ。(写真)
http://watchizu.gsi.go.jp/
これを見ると、金峰山頂の所に「2599」と「2595」が重なって表記されている。
こりゃ、なんじゃ??。
で、いろいろ調べていくと面白いことがわかってきた。
(いや、もう皆さん知っていることを私が今さら知ったのかもしれないが・・)
国土地理院のサイトに「基準点成果閲覧サービス」というページがあり、
http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/
「基準点検索」で「金峰」(金峰山ではない)と入力すると
「基準点コード:TR35338654001、等級:三等三角点、冠字選点:水2、基準点名:金峰」という三角点が見つかる。これが金峰山の三角点なのだ。
これの詳細を開くと「標高2595.03m」と書かれている。
つまり私が記憶していた金峰山の標高は、この三角点の標高。
一方、同じく国土地理院のサイトに「日本の山岳標高一覧(1003山)」というページがある。
https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41139.html
こちらの山梨県を開くとやっぱり、「金峰山:2599m」とあった。
この辺の事情は上記「日本の山岳標高一覧」ページにある「調査概要はこちらをご覧下さい。」の方に詳しい。いわく、
「従来、山の高さは、国土地理院が刊行している地形図に表記された山頂付近の三角点の値や標高点の値、または山頂の直下の等高線の値によっていました。
しかし、これらは必ずしも山の最高地点の値とは言えず、三角点の値は、三角点の置かれた位置の値であり、標高点もその山の山頂の値とは限りません。また、山頂直下の等高線の値は、一般的に山頂の標高よりは低い値となります。 こうした値が山の高さとして認識されていたことや、著名な山にもかかわらず、標高値の存在しない山、最高地点が標高値の表示されている山以外の峰に存在するなどの現状を踏まえ、全国整備が完了していた25000分の1地形図により改めて山の最高地点の標高を調査しました。」
「標 高 : 三角点、標高点がその山の最高地点にあると地形図から判読できる場合は、地形図上でその標高値を、それ以外の場合は、写真測量叉は、現地測量による山の最高地点の測定値を掲載。」
https://www.gsi.go.jp/common/000208440.pdf
なるほど、なるほど。
そういえば南アルプスの北岳もかつては「標高3192m」だったのが、いつだったか「3193m」と1m高くなったというニュースがあったなあ。
金峰山では、幸い(?)なことに「三角点標高」と「測量山頂標高」が並列で表記されているが、考えてみると、地図にはいまだに「三角点表記=山頂」と扱われている例が多いように思う。
山梨県内だけでも、
【櫛形山】
山梨百名山標柱が立っている「本当の山頂」は2053m。標柱にもそう表記してある。しかし地図上の山頂表記はそこより400mほど南に離れた三角点位置で標高も「2051.7m」なのだ。
本当の山頂を「偽ピーク」などと表記している地図さえある!
【日向山】
多くの地図が三角点位置を山頂と表記している。ここの標高は「1659.6」。しかし本当の山頂は、約200m西の雁ヶ原脇で標高1660m。
【黒川山・鶏冠山】
三角点のある黒川山に山頂表記があるがここは1710m。ところが約200m西にある「見晴し台」という岩場は標高1716mなのだ。
私は「山頂」というのは、当然「その山で一番高い場所」だと思う。
三角点は標石を埋設する都合上、山頂ではなくその近くの適当な場所に設置されている例も多いのじゃないだろうか。
であれば、三角点位置や標高を山頂と称するのは大きな間違いだと思うのだが、いかがだろうか。
ところで、金峰山の「一番高いところ」は五丈岩の上じゃないんだろうか?、また地蔵ヶ岳の標高とはオベリスクのてっぺん?
と疑問は尽きないのだった。
おっしゃっていることは正しいと思います。山頂は一番高いところです。三角点の場所は一番高いところにあることも多いですが、そうでないことも結構ありますね。登山の際には、地図をよく読んで一番高いところを踏まないと山頂をゲットしたことにはなりませんね。
面白いですね。
確かに五丈岩の天辺が頂上としてわかりやすい。登頂難易度が
高くなりますが
劔岳に高さ1mの岩置いてあげたい
いろんな決まりごとがあるんだな、と再確認しました。
千曲川と信濃川の関係とかも調査発表をぜひ
はじめまして。junjapa様。
コメントありがとうございます。
私の意見にご賛同いただき心強いです。
「一番高いところを踏まないと山頂をゲットしたことにはなりません。」ですね。
ただ、たとえば金峰山のどこが一番高いのか?
これがわからない(^^)。
現在の2599mという標高、五丈岩のてっぺんでしょうか。だとすると私にはとても金峰登頂はむり!
まあ、「山頂」にはこだわりあっても「登頂(ピークハント)」にこだわることもないかって気もします。
でも地図上の山頂と本当のピークが数百mもずれてるとちょっと考えますよね。
お付き合いいただきありがとうございます。
こんな根本の問題なのに調べて見ると案外深い、というかあまり気にされていないというか。
何かの本で日本の標高の高い山ランキングを見たら、一位;剣が峰(富士山)、二位;白山岳(富士山)・・・
と言う風にかいてあり、白山岳って富士山の九合目あたりのでっぱりのことらしい。
そんなん「山頂」なの?!!って思うのですが(^^)。
また、鋸岳は「第一高点」とか「第二高点」とか呼ばれており、どこが山頂やらわからない。
WIKIPEDIAの「日本の山一覧 (高さ順)」というのを見ると「除外した山」という項があって「以下の山は、それぞれの主峰の付属の山とみなし・・除外している。」と冷たい(^^)。
「ジャンダルム、農鳥岳、宝剣岳、中岳」などは「主峰の付属の山」(おまけみたいなもの)だと・・・。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%B1%B1%E4%B8%80%E8%A6%A7_%28%E9%AB%98%E3%81%95%E9%A0%86%29#.E9.99.A4.E5.A4.96.E3.81.97.E3.81.9F.E5.B1.B1
で、結局、どこまでが「同じ山」でどこから「別の山」かさえ、はっきりしないのでした。
なお、下記サイトによれば「標高点はあくまで自然の地形の状況を示すものでケルンのような人工的に積み上げた頂上は認められません。」とのこと(^^)。そりゃそですね。
http://uenishi.on.coocan.jp/n400yamatakasa.html
初めてのコメントにて、失礼いたします。
素晴らしいご賢察ですね
今年私が登って、いずれもオヤっ?と思っていた櫛形山、黒川山について書かれていらっしゃって、なるほどと思いました
櫛形山については、偽ピークって一体何なんだと思いましたし、黒川山についても、見晴し台まで行って初めて頂上に来たって感じで、変だなあ?と思ってました。
場所は飛びますが、5〜6年前に新潟の巻機山に登った時に、頂上の手前に「ニセ巻機」という地点があり、次にでてくるピーク(御機屋)まで行くと、そこに「頂上」の標識があったので、そこでU-ンしました。が、帰って改めて地図を見直したときに、実際には更に歩いてほんの10分奥に最高点があるのを知ってがっかりした記憶があります。
よく地図みりゃあいいじゃんと言われるとそれまでですが、最高点がすぐ近くにあるのに、何であんなところに「頂上」の標識があったんだろうか???
疑問はつきません
こんばんは
なんでジャンダルムは百高山にはいってないの?
地蔵の標柱の前ではるか上のオベリスクの上はなに?
といつも思っていました。
勉強になります。
地図をじっくり見るのは大切ですね。
ピークや三角点、はずさない様に行きたいです。
はじめましてyamahiro様。
櫛形山、黒川山にも登られて私と同じように思われていたのですね。これらはまったく変な話です。
巻機山については私も少し調べて見ましたが、なぜ山頂でないところに山頂標が立っているのか、だれも疑問に思っていないようですし、解明している方もないようでした。
ただでさえも「ニセ巻機山」などというのがあるので、とあるサイトなどは「ホントの巻機山頂」から「ホントの山頂」へ行く、などと訳のわからない文章もありました(^^)。
写真をみたところ、「ホントの山頂」にはケルンがあるようで、別に山頂標が立てにくい場所でもないような・・・。
ホントに疑問が尽きません。
いつもコメントありがとうございます。
nori3様のレコにはいつも三角点タッチの写真が添えられており、「三角点マニア」とでもいうべきなのかと思っております。
硫黄岳には三角点が二つあるなどという話もありましたね。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-199667.html
どうして二つあるのか、なぜあんな爆裂火口の先の危なそうな場所に三角点を据えたのか?調べると面白い話がありそうですが、もしご存じでしたらぜひお教え下さい。
思えば薬師岳も地図上山頂となっている岩山と山梨百名山標柱が立っている縦走路広場とは遙かに離れていますね。
私も一度目はどこが山頂なのか皆目わかりませんでした。
ピークを踏み外さないためには、やはり事前に地図をじっくり見ておくこと、これに尽きるようです。
pasocomさん おはようございます
富士山の最高点は、3,776.24mのようです。http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/fuji_info/fuji_info-top.html
あまり著名ではありませんが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/一等三角点百名山
がありますが、その最高峰は富士山ではなく、
同じような日記を書いていました。
alpsdake様、コメントありがとうございます。
日記を読ませていただきましたが、本当に同じような疑問を持たれていたようですね。
恵那山、塩見岳とも事情は同じのようですが、このような「日本百名山」級の山でも、測量値での標高改訂をしてもらえていないのですね。
「山と高原地図」は皆さんが一番よく引用される参考書ですから、山に関するデータは最新・正確なのだろうと思いますが、では出版元の昭文社はどのデータを元に標高値を変更したのか、それがわかりません。
今すぐは無理そうですが、もう少し時間をかけて追求しなければならなそうです。
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