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・山の保険とココヘリ契約 http://j.mp/2sPYxki
・遭難捜索にスマホ行動履歴を利用したケース http://j.mp/2JnvLTi
に関連しています。
reccoとは、スウェーデンRECCO社の電子遭難者捜索システム「recco救助システム」のことです。リフレクタと呼ばれるパッシブ型の素子(電池を使わない)を持った雪崩埋没者を、R9ディテクターで探します。リフレクタは、ディテクターが発信する915MHzの電波を1830MHzにして返す(恐らくダイオードなどの非線形素子を使った第2次高調波発生と思われます)ことでリフレクタの位置を検出します。海外ではアマチュア無線の帯域ですが、国内でディテクターを使用するには「陸上特殊無線技士3級」以上の資格が必要になるのと、使用する帯域(915MHz)の問題で総務省の認可がなかなか降りず、2007年から社会実験として複数のスキー場で運用されているそうです。。。
その運用先には毎冬通っている野沢温泉も含まれているようなのですが、実験どころかreccoという単語さえ、寡聞にして聞いたことはありませんでした(´・ω・`) 栂池高原スキー場ではサイドカントリー「DBDエリア」に入るための30分ほどの講習を受けたのですが…雪崩ビーコンの話は出ましたがreccoには触れられていません。
また雪崩の場合はビーコンを持ったもの同士での15分以内のセルフレスキューが非常に重要で、ディテクターを持った捜索隊が到着するために要する時間を考えると、雪崩救助よりも捜索が主になるようにも思います。
海外では市販ジャケットに最初からreccoのリフレクタが付いていることも多いそうです。確かにこれが夏山登山者にも全面的に普及して、ヘリから捜索する技術が確立すれば、確実に行方不明者を減らせますし、雪崩以外の遭難であれば発見・救助の可能性も期待できます。
○総務省:山岳・雪崩等遭難者電波探索システムのための周波数有効利用技術に関する調査検討報告書
http://www.soumu.go.jp/main_content/000477152.pdf
○総務省:150MHz帯の電波を使用する登山者等の位置検知システムに関する調査検討報告書
http://www.soumu.go.jp/main_content/000350877.pdf
※p6にreccoを含む、登山者等の位置検知システムの一覧あり
○ブログ:FLHQ NEWS:RECCO RESCUE SYSTEM
http://flhq.tumblr.com/post/153932072904/recco-rescue-system
○長野県みらいベース:「recco救助システム」エアーサーチ技術開発費用
https://www.mirai-kikin.or.jp/products/detail.php?product_id=121
○Amazon:RECCO搭載のスキー ヘルメット http://j.mp/2sVWTO7
ほかにもrecco搭載のスキージャケット・パンツあり。
○米国Amazon:Recco Unisex Rescue Reflector
http://j.mp/2JxLfjE
※$32.95≒¥3625…検索が悪い可能性もありますが、単品はお値段結構高いですね(汗
現在個人的にはココヘリを契約しています。これは国内でコスト面・入手性・有効性(実績は2件と少ないので想像ですが)から、万一遭難したときに、現状ココヘリが最適解と思ったからです。
ココヘリは技術面よりも、民間が率先して「年間\3千でほぼ全国をカバーするヘリネットワーク」を維持するビジネスモデルを構築した点が大きな功績なのではないかと思います。(今後の実績で有効性がハッキリすると良いのですが、実績≡遭難なのであまり期待するのも…汗)
雪崩ビーコン、ヒトココ、そしてrecco。どの捜索システムも一長一短で、今のところ「これだけ持っていれば全部カバー」と言えるものはありません。また持っていれば安全というものではなく、知識・技術・経験で対策した上で、それでも運悪く遭難したときの被害・迷惑を軽減するものです。
遭難や雪崩に遭ってしまった時点で少なくとも第1ラウンドは負け。その後のリカバリー、あるいは最悪の場合に公私ともに「いつまでも見つからず迷惑を掛け続ける事態」を避けるためのものですので、そのあたりは勘違いしないようにしたいものですよね。
ーーーーー
6/12追記)2016年9月の実証実験の様子やリフレクタの特性図などを抜き出して、写真3に載せました。詳細は総務省の報告書の方へ。地上高0mになると検出距離50mに届かず厳しいですね。ザック、ウェアの前面など、いくつか装備することを前提とした方が良さそうです。またヘリ捜索ではどうなるのかが気になります。
こんにちは!
他の方の日記でコメントを頂きましてありがとうございます。
全く同感です。
RECCOはスキーウェアや靴に製造段階で埋め込まれて(?)いたりします。
日本の現状では、個人では一つ入手するにもコストや手間が大変ですね。
しかし、RECCOが付いているスキー靴を買うとオマケのようにいくつかRECCOが複数個付いてきたり、お店で「ご自由にお持ちください。」と箱に無造作に置かれていたりします。
つまりそれほど安価で製造コストも安いのだと思います。
例えば滑落などを考えると、どんな場所にどんな体勢で落ちるか分からないので、複数携帯出来ることがとても有効だと思います。
なぜもっと普及しないのかちょっと腑に落ちないのですが、RECCOが広く普及すれば季節や山行形態を問わずとても有効なシステムだと思います。
私は普及を願っています。
計画書の最終下山連絡日時を過ぎた時点で直接警察や消防に連絡出来れば更に時間と手間が減らせると思います。
RECCOが普及していない現状ではココヘリが今のところは最適解かなと私は思っておりますのでココヘリに加入しています。
どんなモノやシステムにも超短所はあり万能でないのは当然ですが、少しでも周囲への迷惑を減らすための備えの一つと捉えています。
miee様、こんばんは! こちらにもコメント頂きまして、ありがとうございますm(_ _)m
このreccoですが、リフレクタ(子機)をパッシブ型にしたことで小型・安価・電池不要というメリットがある反面、その技術的制約から電波法的制約になっているように思います。
捜索側の強い1次電波(reccoでは915MHz)と、第2高調波生成でリフレクタから出る微弱な2次電波(同1830MHz)を開放空間で使用するため、両方の帯域が未使用で空いている必要があること。また1次電波の波長がリフレクタのサイズに直結すること、電波の直進性、水による吸収帯を避ける等々…
この辺りが近距離RFIDや万引防止システムと異なる難しさで、帯域についてはスウェーデンの技術者も世界規模での普及を考えて各国の電波行政を調査したのだろうと思いますが… 日本国内では携帯電話などの帯域とぶつかることになってしまった結果、普及どころか実験もなかなか進まないのでしょう。(本文一番上のリンク、総務省・調査検討報告書に既存システムへの干渉影響について詳しく調べられています)
社会実験開始が2007年、総務省によるrecco実験試験局の受理が2016年と遅い進展で…登山者だけでも毎年の死者・行方不明者300名、それ以外の行方不明者と捜索関係者の労力を考えると、子機が安価なだけに干渉を回避できる国内用ディテクターができて一気に普及しないかと思ってしまいます。本文4つ目リンクのヘリ捜索実証実験もどうなったのか?
reccoもココヘリも遭難後の保険システムなので、「持っていれば安全になる」といった勘違いは困りますが、その一方で「失踪宣告7年を避ける」だけに着目して「こんなの持っていても助からない」と決めつけるのも早計ですよね。
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【追加リンク】
○NPO法人ACT
→http://actjapan.org/recco/
ディテクター配備のスキー場数という面では後退している?
○キロロの登山計画書には、装備品欄にreccoがありました。
→https://www.kiroro.co.jp/wp-content/themes/kiroro/doc/area_ski_en.pdf
○参議院会議録情報 第190会国会 総務委員会 第6号(2016年3月23日)
→http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0002/19003230002006c.html
以下、該当箇所の抜粋(遭難への考え方などは興味深い)
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○横山信一君 …三月二日ですけれども、北海道のキロロアソシエイツにスウェーデンのRECCO社の提供する雪崩遭難者救助システムの試験局が免許されました。キロロアソシエイツの実験試験局の処理状況はどのようなものだったのか、また今後同様の申請があった場合にどうなるのか、これは輿水政務官に伺います。
○大臣政務官(輿水恵一君) キロロアソシエイツの実験試験局の免許の処理状況につきましては、昨年十二月十六日に免許申請が行われました。本年一月四日に予備免許を付与し、本年三月二日、ただいま御紹介ありましたとおり無線局検査を実施し、同日付けで実験試験局の免許を付与させていただきました。
今後、同様な実験試験局の免許申請があった場合には、希望される使用場所におきまして他の無線局に混信を与えないなど周波数の割当てが可能かどうかを審査した上で、免許処理を行ってまいりたいと考えております。
なお、総務省におきましては、このような遭難対策への電波ニーズを踏まえ、平成二十八年度に電波を利用して山岳や雪崩等における遭難者を探索するシステムに関する調査検討を実施することとしておりまして、これを踏まえて実用化に向けた検討を更に行ってまいりたいと考えております。
○横山信一君 二十八年度に新たな検討をスタートするということで実用化を是非進めていただいて、インバウンド対策として取組を進めてもらいたいと思います。
観光庁のスノーリゾート地域の活性化に向けた検討会が六月に公表した中間報告では、「現在、外国人観光客を中心にコース外滑走の需要が高まっているが、コース内滑走の場合よりもさらに厳格な安全管理が必要になり、充分な検討が必要である。」というふうに指摘をされております。
既に、県や自治体におきましては条例によってスキーの安全対策を進めているところもありますが、今後、政府においても、増加するインバウンド対策としてバックカントリースキーの危険性に関する広報啓発あるいはスキー場でのルール整備が求められるというふうに思いますけれども、津島政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(津島淳君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、スキー目的での外国人旅行者の中にいわゆるバックカントリーで新雪を滑りたいというニーズを持っていらっしゃる方がいると承知しております。一方、バックカントリーを含めた冬山での無謀な行動というものは遭難というリスクがあるため、スキーヤーには自らの安全にまず留意して行動するということが求められております。
このため、観光庁では、警察庁からの依頼を受け、本年一月、外国人旅行者を含めたスキー旅行者の山岳遭難防止を図る観点から、危険性に関する広報啓発等について旅行業協会に周知を行っております。
また、委員御指摘がございましたニセコ、白馬といったスキー場では、行政と民間が連携して、立入禁止区域への進入禁止などスキーヤーの安全に関する地域独自のルールを定めているところでございまして、観光庁としても、スキー旅行者の安全確保に資する観点から、このような取組事例についてほかのスキー場に情報提供する、情報提供を他のスキー場を有する地方公共団体に対して行ってまいります。
以上です。
○横山信一君 どうしてこのルール整備が必要かといいますと、実際に遭難すると遭難者の救助隊が組織をされるわけですが、その捜索費用というのは当然当事者の負担になるわけですけれども、ここで外国人の場合、訴訟が起きる可能性が非常に高いと、実際起きているんですが。その場合、行政機関のルールが定められていれば、それを基にして、言ってみれば踏み倒されないようにできる、安心して救助隊を組織できるということにもなるわけでありますので、是非この検討を観光庁としてもしっかり進めていただきたいというふうに思います。
もう時間になりましたかね。最後ちょっと質問が残ってしまいましたけれども、時間になりましたので、以上で終わらせていただきます。
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toshimizuさんこんにちは。
RECCOの検証されてたのですね♪(^_^)
凄く詳しい内容で勉強になります。
僕はRECCOの付いたパンツを使用していますが、現状では余り効果を期待できる普及状況では無さそうですσ(^_^;
ココヘリも携帯してますが、可能性を広げる意味でも新たにビーコンの購入も検討中です。
kumamon1592さん、こんばんは!
reccoを(ココヘリも)、お持ちなんですね! うちはいつも矢絣なせいか、まだreccoを見たことがなくて…一度見てみたいです(できれば捜索実験の様子も…でも難しそうですね) 雪崩ビーコンも…昨年のふるさと納税で稼いだモンベルポイントがあるので、スコップとゾンデ棒も合わせてエイヤッと買ってしまおうか悩み中です(^^;;;
reccoは感度と国内の電波事情から当面難しそうですが、一方で他のシステムの立ち上げや実証実験もいろいろ行われているようです。つい先日もYAMAPが「登山者のスマホ間でbluetooth通信、誰と何処ですれ違ったかを圏内に入ったスマホがクラウドにアップする機能を実装」というニュースが流れていました。
○ニュースイッチ:山岳遭難者の救出活動、ブルートゥースで進化する
https://newswitch.jp/p/15658
どれが最終的に普及するのか… 決まるにはまだしばらく時間が掛かりそうです。当面はココヘリが一番良いかなぁと思っています。
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