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前編から11年を経ての発刊である。ようやくと書くのはこの続編を待ちに待っていたくせに、その発売（2024.3.18）を一年知らずにいたからで、恥ずかしい限りデス。
やはり、期待した以上の読後感だった。
増田俊也青年が怪我を負い膝を庇いつつ痛みを伴う苦しい練習に励まざるを得ない描写は、今骨折している身で読むからこそ感じ入るものが多々あった。痛みと痒みは共に、耐え難い。
P.177での４年生二人のギリギリの奮闘、そしてP.221でのテツさんのギリギリのタイミングでの技の完成には筆者ならずとも目頭が熱くなった。
P.415の、竜澤が二人目を抜くシーンは確か、検索すると動画があったはず。
P.444の、宮澤にくじ引きを託すシーンと、その結果には泣けた。岩井監督だってそりゃ泣く。
沢田征次が、飯田が、その他大勢が辞め、宮澤が怪我で試合に出られなくなってもここまでの結果を出した。佐々木洋一コーチの助力もあって。それらがこの物語を一層厚くしている。
我々山岳部の、すぐ近くで活動していた柔道部がこのような肉体精神共に追い詰められた過酷な状況下で日々修練を積んでいたことを前作「七帝柔道記�機廚巴里辰拭Ｈ爐蕕皺罅校崖拮�員が遭難を経て検討会に多くの時間を費やす日々に明るい未来を見いだせなかったのと同様の閉塞感を抱いていたのだろう。
こんな活動（寝技柔道、登山）が果たして学業を疎かにしてまで貴重な青春期を賭けるに値することなのか？ それに疑問を感じた者は、苦悩の末に耐えられず辞めていき、方や信じようとした者は仲間と共に歯噛みして継続し、次世代に繋いだ。それが文頭の井上靖の言葉なのだろう。
P.343、後に総合格闘家として大成した中井祐樹氏が登場する。氏と大学同期同年だった私は知己でもないけれど、タイミングを同じくしてすぐ近くで悩ましい時間を共に送っていたというだけで心が温かくなった。
北大に来て、価値あるものを手にした増田、中井両氏は七帝戦を終えるや退学した。登山を知った私も大学を辞めようと考えたが、沢登りの大将の説得を受けて思い留まった。
スポ魂物語として、後生まで読み継がれる作品だろう。
なんでも今、�靴�進行中とのこと！
【写真�◆曄┸乙�
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