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何処からか、支那そばの匂いがする。
誰か、朝からカップ麺でも食べてるのかな?と思ったが、
匂いは何時までも、何処までもついてくる。
さすがにおかしいと立ち止まれば、
匂いはさらに強く、支那竹そのものの臭いになる。
花粉症が悪化して、蓄膿症なったのだろうか?
休みが明けたら、病院に行かなければと思いつつ、
波のある花粉症。
何時しか忘れて、一週間。
ふと、思いついたエロジジイ。
「栗の花の匂い」ではないけれど、「支那竹の臭い」で調べたらどうだろう。
「メンマ」で、出ました。
<ヒサカキ>
春にいち早く花を開き、独特のにおいで春の訪れを感じさせてくれる。
雌雄異株で、枝にビッシリと直径2.5〜5mm程度の小さい花が咲くが、
葉の下に隠れているので気をつけないと見損なう。
「ヒサカキ」といわれる由来は、榊にあらず(非榊)とも、
本榊よりも葉の大きさが小さいので姫榊とも、諸説あり。
で、ヒサカキ探して、山登り。
街中で花開く桜も、山ではまだまだ。
目立つのはピンク色のコバノミツバツツジばかり。
<藪に鶯、声ばかり>ではないが、
見上げても、見上げても、匂いはすれど姿は見えず。
見上げても、見上げても。
「鳥ですか?」
山ガールから初めて話し掛けられて、浮かれたエロジジイは、
ヒサカキについて、ありったけの薀蓄を披露する。
「頑張って」と立ち去る山ガール。
十年若ければ追いかけたものの、今では、追いつける筈もなく、
予定通りの分岐へと進む。
直登、直登、直登。
猪が耕した土と枯葉に脚を取られて、思うように進まない。
ようやく、天空の明かりが開きだし、門の様な大木が二本、
そこが、あたかもゴールであるかのように迎えてくれる。
門の向こうには、休憩にぴったりの展望岩も。
扉を押し開くように払った枝の先に、小さな白い花が油虫のようについていた。
ヒサカキの花だ。
仁丹が開いた大きさである、
老眼鏡を外したエロジジイには、見上げて見つかるものではなかった。
一度見つかると、此処にも、其処にも、何処にでもある。
今まで見つからなかったのが、不思議なくらい、咲いている。
仁丹の花、メンマの匂い。
まるで、『あの花』の世界だ。
これからは、春になるといつも思い浮かげることだろう。
木々の隙間から見え隠れする木漏れ日のひとつひとつに、
<めんま>の面影を。
「めんま、見つけたぁ!」
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