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2017年05月08日 19:55ペットのこと全体に公開

やもりを看病する話-レベル1

※1枚目の写真 拾って2週間ぐらいの頃のちょろちゃんの写真。
ペットボトルの蓋と同じぐらいの大きさ。かわいい。

※2枚目の写真 生後8か月ぐらいのちょろちゃん。幼体のあどけなさはなくなり、亜成体のサイズに。当時かくれがにと入れておいた山門に乗って、歌舞伎役者みたいだね!
門の間に体を入れて休むこともしばしばありました。

※3枚目の写真 完全に成体となったちょろちゃんの写真。グルーミーのマペットぬいぐるみと一緒。体長14センチほど、でっかくなってもかわいいことに変わりはないね!



 やもりのしもべとなって早4年。
やもりの飼育ブログをつづり、飼育の記録はすでに膨大な量に膨れ上がり、さらに経験したトラブルを世間様にフィードバックすることで似たような症例や似たようなトラブルが起きた方々の参考になればと活動をしてきましたが。
ここヤマレコでなぜぜーんぜん関係ないペットのことをかくかといえば、そりゃもう

「やもりすごくすばらしい生き物なので、やもりのことしってほしい!
誤解されてることもいっぱいあるとおもうから、やもりってかわいいよ思想を広める委員会を勝手に作ろう」

というとても勝手な考えにより誰に頼まれなくとも書くことにしました。
これシリーズものになるのでよかったらぼちぼち読んでください。
レベルがあがるほどお話の深刻度が増していくのでどんどん暗い話になっていきますが、幸い誰もお亡くなりになっておりませんので全部解決したお話としてつづっていきます。
何かの折の話のタネや、少しやもりに詳しくなれた気分になれる文章でありますように。


 というわけで、やもりを看病したお話のはじまりはじまり。



<やもりの看病 レベル1〜心配度・軽微(しもべもまだのんびり眠っていられる)〜>

1:ニホンヤモリ幼体の拒食

 当時生後5か月ほどだった、ニホンヤモリのちょろちゃん。
わたしのザックに毎度つけられているお人形さんはちょろちゃん人形といって、ヤモリのぬいぐるみを見つけて買ってきて、ちょろちゃんと山歩きしてる気分を味わうためにつけております。
現在は4歳の立派な雄です。
我が家で最も人馴れしていて、穏やかな性格で人付き合いがとってもいい、ぶっちぎりで扱いやすくてかわいいニホンヤモリです。
手に乗っけてベランダ日光浴にいっても、絶対に私から離れませんしね(ΦωΦ)フフフ…ういやつめ。
ケージ?いりませんよそんなもん。逃げないという確信があるので(ΦωΦ)フフフ…
まさにベタ慣れとはこのことですよ・・・!ほほほ。そんなにしもべのところが安心できるか!うれしいよちょろちゃん。愛してるよちょろちゃん!
そういうわけでワタシの心の友なのです。

 そのちょろちゃんがまだ子供だった頃、2月の中旬頃から3月の終わりにかけて全く餌を食べなくなってしまったことがありました。
当時のしもべは初心者だったのもあって、原因の特定にかなり時間がかかりましたけど、心当たりのある原因はただ一つ。


「温度不良」


これでした。
現在でこそ大型の簡易温室を作って、そこでみんなぬくぬくホカホカして冬を越させていますが、当時はレオパードゲッコーのぺろちゃんと、ニホンヤモリのちょろちゃんの二頭しか飼育をしていなかったので温室などもなく、ケージのまわりをスタイロフォームという断熱材で覆って、爬虫類飼育用のパネルヒーターを二枚つけてケージの温度をあげておりました。
そのパネルヒーターの二枚のうち一枚が、購入して半年とたたず熱ダレを起こして壊れてしまったのです。
あぶないってんで仕方なく外しましたところ、ケージの温度が下がり、真冬の低温も手伝ってさらに温度があがらなくなり、ケージ内の最高気温が18度を下回ったためにちょろちゃんの中で「休眠スイッチ」が入ったのだろうと推測されました。
この休眠スイッチは、やもりが冬を越す時に入る体の機能です。

彼らは気温が下がってくると餌を食べなくなります。
体内に残った食物を消化できなくなるからです。
デッドラインはだいたい18度。日中の気温がそれを下回ってくると、水だけを飲んで過ごすようになります。
体内の残った食べ物は消化して排出できるときに排出します。
体内で腐ってしまいますからね。
そして長い冬の休眠期に備えるのです。
冬が来ても彼らはトカゲやへびのように血液の組成から変えてしまうような冬眠は行わず、ただじっと動かずに低温をやり過ごすのです。
ですので、やもりの場合は冬眠とは呼ばず、休眠というのでございます。

やもりたちが休眠する時は、寒さをしのげるものの隙間に入り込んでじっとしています。
たまの暖かい日には、体をあたためにひなたぼっこしに出てきたり、水を飲みに動き回っていたりするそうです。
昔の日本家屋はちょうどいい隙間があったので、戸板の間なんかにみんなで挟まってじっと冬を越していたのです。
やもりの生息限界である宮城のあたりで、彼らの集団越冬を観察した記録を読んだことがあります。
越冬場所の温度は2度。
命の限界ぎりぎりのところ、折り重なるようにみんなで挟まって冬を超えていたのだそうです。


 ちょろちゃんは11月の上旬、寒い早朝の職場の前の道をちょろちょろと歩いていたときに捕獲した子でして、その時の大きさからいっても生まれてひと月経つか経たないかでした。
逆算すれば10月ごろの生まれといえます。
越冬のための十分な体力を備えていない幼体であると言えました。
生きていくのに不利な時期に生まれてしまったのです。
10月に生まれたなら食べ物もあまり多くはなかったでしょうし。とはいえ、職場の近くにいたので、たぶんハエトリグモなんかを捕獲していたはず。まだましな環境だったんでしょうね。
うちの職場ハエトリグモいっぱいいるし!(よくお土産に捕獲して持って帰ったものです)
休眠させれば永眠になりかねないと思い、餌をたくさん与えて太らせていたのですが、ケージ内の温度低下により結果的にプチ休眠するような羽目に。
しかし2月に入るころまではちゃんと餌を食べていたのもあって、やせ細っていくこともなく、3月を迎え、4月に入るあたりで気温が上昇し、餌をとるようになりました。

結局、温度不良が原因だったのだ、とわかったのはこの拒食が明けてからでしたけどね( ; ゚Д゚)
経験値が0に等しい初心者の頃で、頭ではうすぼんやり温度かな?と思っていても、それを裏付ける経験がなかったため対応が後手後手に回ってしまいました。

翌年からは温室を作ってそこで過ごしてもらうようにしましたので、温度不良からくる拒食という現象は起きなくなりました。

この拒食期の弊害がそのあと少しあって、まずちょろちゃんの脱皮が二か月なかったということ。
代謝が落ちてしまったのでなかなか本調子に戻らず、二か月も脱皮しないなんておかしいとまた気をもむことに。
いままでなら2週間に一度脱皮をしていたというのに。
さらにちょっと便秘気味になり、しもべの手に乗って体温であたためられてはじめて、「キューーーーッ」とか細く鳴いた後、プリッとうんちを出す。
ということが続きました。
6月ごろにようやく復調して、その後はまたモリモリご飯を食べてどんどん大きくなり、9月にかりめろを拾う頃には見違えるような大きさまで成長してくれました。
その後は冬季にぼちぼち脱皮不全を起こす以外、大きなトラブルもなく過ごしております。


 レベル1のお話はまだあるのですが、長くなりましたので今日はこの辺にしておきます。
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コメント

ぴぽたんさんRE: やもりを看病する話-レベル1
ヤモリは休眠しながらも日本に住んでいるんですねえ。もともと野生の拾いヤモリだったんですね。
ネパールやインドネシアでは、電灯の傘のところに影法師で映っていてかわいいものだなと思っていました。
ヤモリといえば、浜田広介の「ごひきのやもり」という童話が強烈な印象でした。良い話でした。
2017/5/9 8:29
Re: ぴぽたんさんRE: やもりを看病する話-レベル1
よねやまさんこんにちわー( ゚ρ゚ )ノ
ヤモリはもともと、大陸にいた種類と言われています。
それがむかしむかしの船の荷物に紛れてやってきて、日本に土着したんだという話ですね。
むこうにもたくさんハウスゲッコーって言われてる種類がいて、ホオグロヤモリとかが多いと思いますけど、ニホンヤモリと親戚みたいな種族ですよね。もちろんホオグロヤモリは日本にもいますよっ!
ネパールやインドネシアは大型のトッケーヤモリなんかが多く生息してるのかな?壁を這うピラニアと言われてますが、トッケーこそベタ慣れにするとほんとうにほんとうに、ほんとおおおおおおに、かわいいんですよ(´∀`*)ウフフ
あこがれるなぁトッケー。いいなぁベタ慣れトッケー。
おっと失礼、全然違う方向に話がいっちゃいそうなので自重しますね。

浜田広介さんのごひきのやもり、知らなかったので検索したのですがこの方泣いた赤鬼の作者さんだったのですね。日本のアンデルセン・・・。
がぜん読みたくなったのですが、現在手に入るかわからないので図書館で探して読んでみたいと思います〜!
2017/5/9 17:05
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