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世平白髪多
残躯天所赦
不楽是如何
伊達政宗が、晩年の述懐を詠んだ詩とされます。
和読みでは以下になります。
馬上少年過ぐ (ばじょうしょうねんすぐ)
世平らかにして白髪多し (よたいらかにしてはくはつおおし)
残躯天の赦す所 (ざんくてんのゆるすところ)
楽しまずして是を如何にせん (たのしまずしてこれをいかにせん)
※残躯(ざんく)は、戦国の世を生き延びて老後を迎えた我が身のこと。
1984年 独眼竜政宗 (NHK大河ドラマ)や司馬遼太郎の短編『馬上少年過ぐ』で効果的に引用されています。
NHK大河ドラマで「伊達政宗」が大好きになり、長編の本は読んだことはあまりないが、山岡荘八著「伊達政宗」全8巻を毎夜毎夜楽しみに読んでいました。
わたしはこの漢詩を定年退職の方への寄せ書きに書いています。
字はへたくそですが。( ´艸`)
これを書いて渡すと、たいていは「なんて書いてあるのか?」と聞かれます。
ここで、説明をしながらお話し。
定年の方は、明日以降お話しできなくなりますから。
積もった思い出を時間をかけてお話しできます。
現代語訳は以下です。
戦場に馬を馳せた青春の日々は遠く過ぎ去った。
今や天下は泰平。俺の髪の毛はすっかり白くなった。
何の因果か、戦国の世を生き延びたこの身である。
老後くらい好きに楽しまないでどうするのだ。
天もきっとお許しになるだろう。
定年の方を送るにいいかなと。
なお、
伊達政宗の辞世の句は、「曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く」です。
この句は、暗闇の中を月の光を頼りに進むように、戦国の時代をひたすらに歩いてきた、という解釈がされています。
寄せ書きに書くのは 他に「友人を送る 李白」
「夏門歩出行」の最後の一篇。 魏武帝(曹操)
これについては、また気が向いたら。
漢詩でした。
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