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9/8の11時40分位の雷鳥坂中腹の彼女が撮影した写真が出ていました。おそらく劔御前小舎を12半時、剣山荘裏の剱岳の登り口に13時半ほどだったのではないかと思います。
この時、台風15号が日本列島の太平洋側に来ていました。その為、実は報道で言われているのとは異なり、富山は晴天、フェーン現象で気温が標高2400m以上でもかなり高かったです。そして天気は夜の20時くらいまでは良かったです。
しかしながら、翌日の天気は不安定で天気予報でもはっきりしないくらいでした。
ここで午後1時過ぎに剣山荘裏の剱岳の入り口にいた彼女は山頂を目指す理由を考えてみます。
頂上まで大手の地図のCT(一般的にかかる時間)は3時間ちょい。
山レコなんかでは2時間とかで行けたよ!とか軽ーく投稿してあります。(嘘も多いけどこれを信じてしまう人も多いのがかなり問題)
明日の天気は悪くなる可能性大だし、まだ午後1時過ぎだし、一般的な時間より速く歩ける人(トレランをしているとか)なら行ってしまう気がします。
だって明日は雨かもですよ!(実際に雨でした)そしてこの日の日没は6時過ぎ。たぶん6時半過ぎまでは明るかったです。
CT、往復7時間くらいなんだけど、いつものペースでは1時間位は短縮できる脚があったならそこで留まらない人もたくさんいるはずです。
そして彼女も登り始めた。
ところがこの日、好天の休日で下山の人も大勢いて、思うように進めなかった或いは高温でバテてしまったのではないかと思います。
なぜなら後ほど分かった彼女の持ち物で、カッパや防寒着は持っていたが、ヘッデンは持っていなかったとのこと(※遺品の中になかったということなので、もしかしたらヘッデンをつけていたけど滑落時に外れて落ちたのかもしれません)から、暗くなる前に下山できるつもりだったのでは。(ヘッデンを持っていたとしても日没後にヘッデンで歩くなんてのは非常時なので実際に脚が速かったと予測)
だけど剱岳、登り道下り道が一緒になっているところもあり、思うように進めないんです。特にこんな天気のいい休日の午後は。
前剱で15:30位じゃないでしょうか。
たぶん大勢の人たちがここら辺ですれ違っているはずです。
下りてくる人が多くて思うように進めなかったのではないでしょうか。
そしてその先のカニのヨコバイを間違えて、登ろうとしてガイドや登山者たちに注意されています。「ここは登りルートじゃないよ!」と。
登頂時間から逆算すると、このヨコバイ通過時点でおそらく午後4時くらいでしょう。
この時に、「登りルートはタテバイ側でここは下りのヨコバイ!君は間違ってる」と注意したガイドたち自身もここにいる時点でかなり遅いような気がします。(日没ギリなはず)
ここで疑問に思うのは、ルートを間違ってるの注意したけど、どうして彼女にピークを目指すのを止めなかったのでしょうか?とても不思議です。
午後4時で登っている人をなぜに止めなかったか。
その1、行くのをやめなさいと言ったけど聞かなかった…でも強く言ったら多分やめたと思います。
その2、頂上へ行くことに関しては何も言わなかった。
どちらにしてもここが最後の事故を防げたチャンスだったような気がします。
彼女をなぜ止められなかったのか。
その日の彼女は半袖、ハーフパンツ(スパッツは履いていました)でトレラン風の装備に見えたのでないでしょうか?
脚が速そうだし、大丈夫かなと思ってしまった。また、そんな人に時間的に厳しいから降りろとは言いづらい。
やっかみのありがた迷惑になるかもです。
或いはまた、自分たちだって午後4時にヨコバイなので、日没には間に合わないほど遅い!!
他人のことなんて構っている場合じゃなかったのかもしれません。
むしろ、急いでんのに降りルートから登って来やがって、ちっ、邪魔だ!くらいなのでは。
でも、剱岳の有名な核心部のルートを間違える人が、この時間から登頂なんて冷静に考えたら危険すぎます。
やっぱり声をかけて、ヘッデン持ってる?ビバークできる用意もしてある?
夜から雨だからもうタイムアウトだよ、と強く言うべきだったと思います。
登りルート下りルートの間違いを注意してる場合じゃないんです。
そして登頂5時、日没は6時過ぎでこの日は真っ赤な夕焼けで6時半くらいまでは明るかった。
暗くなりつつある6時半。ちょうど前劔辺りです。ここから一気に暗闇の世界に。彼女はヘッデンを持っていませんでした。(持っていたとしてもヘッデンの光だけでは迷いやすい場所です)
実はこの前劔から一服剱のあたり、ルートが分かりにくいんです。
翌日、雨とガスの中私は登頂したのですが、下りの際、この辺りが視界不良で他人の踏み跡を辿って行くと間違える場所があり、直ぐに引き返しました。
多分、薄闇の中、焦りながらここら辺を通過しようとしてたのではないでしょうか?
日が沈み、もしヘッデンなしのどっぷり暗闇なら諦めて警察へ救助の要請をお願いすると思います。
でもまだちょっと明るかったんだと思う。
少しづつ暗くなってきて、少しづつ視界が悪くなってきて、焦って間違った方へ行って事故に遭ってしまったのでは…。
もしくはヘッデンの灯りだけでは分かりにくい場所で焦ってルートを間違えてしまったのかもです。
真っ暗なら逆に諦めてSOSの電話しますよね。
おそらく6時から7時の間に事故に遭われた様な気がします。
そして実はその後なのですが、たまたま私が外に出た時、7時30分くらいですが、前劔を下りる2人のヘッデンの灯りを正面から確認しました。
なんとこの後ろ(たぶんだけど)にまだ人がいたみたいなんです。
実はこの人たちは源次郎で登り、別山で下りた方たちで行きも帰りも彼女と会っていないということでした。
せめてこの方たちが別山のピストンなら、もしかして一緒に合流して下山できたかもしれないです。
その辺りも含めて残念です。
それにしてもこの日は人が多かったんだと思います。
翌日の天気が悪くなりそうなので、明日登るのを一日繰り上げて、ちょっと無理してでも登頂した人、多かったはずです。
そして日没後に行動する人も多かった日でした。
実際、私が宿泊していた小屋もガイド同伴の方が遅くなる連絡はあったものの、かなり遅い時間に小屋へ入ってきていました。
実際は登山好きのど素人でなくても日没後も歩くことだってあるんです。
だから、時間が遅すぎるわ、こんな時間に登頂なんて絶対ないわ、素人過ぎ!と、そこばかり言うのもどうかと思います。たしかに遅い。でも遅くなった理由があるのです。
遅い登頂だけを見て無謀な!というより、なんで無謀なのかを考えていますか?
なんですれ違った人が、なんでダメなのかを彼女に話して納得させて止めなかったのですか?
今、無謀、無謀言うてる人はその時彼女に会っていたらちゃんと説明して止めることができましたか?
もしヘッデンを持っていたとしても、ヤバいんだよ、とちゃんとした理由で説明できますか?
私も、それができるとははっきり言えない。
できる人は少ないと思う。
だって山のプロのガイドたちも夜になっても歩いてたりするんだもん。
半袖ハーフパンツの軽装で剱岳に行けるくらいの強者なんだな、余計な事を言ったら失礼かなと、恐縮して言えないです。
いらん事言ってこのBBA、ウザ!と思われたくないもん!
また、単独行だから危ないって言える?
それもないです。
実際、彼女は一人でボリビアを旅したりするくらいなので、単独行も不安でない感じに周りは見えたのでは。
でもね… 私、たぶんちょっとは話はする!!
どっからきたの?今から頂上ですか?どこに泊まるの?ヘッデン持ってる?剱岳はよく来るの?とか。
おばちゃん丸出しだけど。
その中で、この人は大丈夫かな?とかフルに色んなこと想像してヤバいなと思ったら止めると思う…たぶんだけど。
もしヘッデンを持っていたとしても、初めての別山尾根ですとか聞いたら、「今、登頂を目指したら、日が落ちるか落ちないかのところが剱岳の本当の核心部(前劔と一服剱の間が事故が多い)になっちゃうよ、マジあかんよ」と止めると思う。
今年の2月に西穂高岳に行った時、独標で吹雪いてしまい、たまたま一緒に登っていた女の子はピラミッドピークまで行くって言うのを止めた。
凄い悩んだけど。
彼女の技量なら行けたのをいらんことしたかなとか。
でも、いまは間違ってなかったと信じています。
昨今、トレランが大流行りで剱岳も日帰りで早月尾根をピストンしたりする人が多いので、そう言う人たちに遅くなるから危ないよ、とか言いづらいのはすごくわかる。
だいたい、早月尾根なんか夜中から出発する人も多いし日没後、馬場島にまだまだたどり着けず下りてる人もたくさんいる。
基本、日帰りって暗闇登山の人が多い。
暗闇じゃなくてもずっと走ってる。
でもね、剱岳ってたとえ早月尾根だとしても日帰りやトレランする山じゃないと思うんです。
走ったり、暗闇を歩いたりする山じゃないんです。
じっくりしっかり慌てず登る山なんだと思う。
だから、もしこれから、私はこの時のような状況だったり、彼女のような人に会ったのら、まずは、ちょっと声をかけてみようと思った。
バタバタ登る山じゃないんですよ。
ゆっくり山も人も味わいながら歩く山なんだと思います。
そして誰でも同じ様な事故が起こる可能性が大いにある様な気がするからです。
だからこそ、この事故が、なんで起こっちゃったか、どういう風にこうなっちゃったかを皆んなよくよく冷静に考えないといけないといけないと思います。
長い話になってしまいましたが、そういうことです。
長い文章失礼しました。
※写真は同日9/8の6時過ぎの剱岳です。
まだ明るい。この時間は風もなかったです。天候不良、台風なのになんて言ってる人いるけどそれはないです。
south416さん、初めまして。
剱岳の若い命を散らしてしまった事故、自分も大変痛ましく思っております。
Twitterにて、彼女のお兄さんの言葉を拝見しましたが胸を締め付けられる思いでした。
少し前に、自分がジャンダルムから奥穂高岳へと戻った際に、馬の背の入り口で若い男性が座っていました。
ちょっとお話しましたが、馬の背を降りようとしたものの、途中で行き詰まり戻ってきたそうです。
彼は、自己判断で戻って来たので大丈夫だとは思いましたが、ジャンダルムに行きたがっておりました。
老婆心ながらも、馬の背をどういう風に降りるか、その後にあるロバの耳がどれくらい難しいかを伝えると、現時点でのチャレンジは取り止めた様でした。
自分が仮に剱岳にいたとして、
事故に遭われた方に注意出来たか?というと、難しかったと思われます。
しかし、今後に同様な出来事に遭遇した場合にうるさいオヤジだな!と思われても話し掛けるようにしようと思った次第です。
彼女への批判はいろいろありますがいまとなってはご冥福を
祈るほかありません。
山の経験がどれほどだったのかわかりませんが彼女にとって
剱は大きな挑戦だったはず。
ゆえに情報収集、装備、登山計画(途中撤退も含め)などの事前準備を
しっかりやって欲しかった。初心者でも出来るはずです。
今回の事で教訓があるとするなら、初めての山やルートを登るときは
事前の入念な準備が必要だということです。
いろんな状況、最悪の場合も考えて準備をする。特に初心者は。
当たり前のことですが案外疎かにされているのではないでしょうか。
願わくばカニのヨコバイで引き返して欲しかった。
注意を振り切って登ったのは若さゆえだったのか。
あるいは彼女に相応の経験があれば引き返す勇気を持てたかもしれない。
山は経験がものをいいます。
事前の準備と経験。
自戒も含めて大事にしたいものです。
途中で怖い…と思って引き返すのも大切な判断ですよね。
また、グレードを下げた岩でたくさん練習してきて再度チャレンジするもよし、信頼できるガイドと再チャレンジするのも良しで、2度来れないなんてことは絶対にないんですから。
この人、大丈夫かな?と思って話しかけてみたら案外大丈夫そうなこともあるので、ちょっと心配なら、一応は声かけてみようと私は思っています。
ただ、頭ごなしに注意しても受け入れてもらえそうもない(山ではそういう言い方をする人も多いのが現実)ので、その辺りはやんわりとって感じです。
本当にお前みたいなもんは来るところじゃない、帰れ!とか怒鳴る人もたまに見かけるけど、それじゃ全く意味がないな、なんて思っちゃいます。
逆に、逆ギレされて注意した方も嫌ーな気持ちになっちゃうことも…。
そうならないためにも、受け入れてくれるような伝え方や理解できるような内容で話さないとダメなんだろうなと思います。
最後になりましたが、これからも楽しい山行を是非満喫してくだいね。
youtubeも見ました。また投稿楽しみにしています。
事前準備が足りなかった部分もあったと思います。
先ず、大切なこと、別山尾根の最大の核心部はヨコバイでもタテバイでもなく前劔からの下りなんだと思います。
実はそこが最も事故の多いところなんです。
ヨコバイ、タテバイを明るい内にクリアできたら何とかなる!ってのは間違いなんです。
この情報を知っていたら、きっとアタックはされなかった思います。たぶん引き返していたような気がします。
そのことを誰が伝えて欲しかったと思います。
ヨコバイで注意されたのも、下山した方が良いよでなくて一方通行を逆走してるよの、注意だったらしいです。
ただ、この日は同じように遅い時間に無理して登頂した人がたくさんいました。
彼女が特別じゃないんですよね。
誰が事故にあってもおかしくないくらいです。
しかも経験も技術もありそうな人だって大勢いたはず…。
自分自信も何度も上り下りしているルートですが何も事故なく下山できたのたまたまなのかもしれないな、と考えさせられました。
これから、どんな山でも自分がベストの状態でも、驕らず真摯な気持ちで山に入ろう、と思いました。
最後になりましたが、黒戸尾根の甲斐駒ケ岳に一度は行ってみたいとずっと思っていたので、山行記録を読んでワクワクしました。
私は北陸のど田舎住みなので甲斐駒ケ岳まではなかなか行けないので羨ましいです。
またこれからの投稿も楽しみにしています。
ありがとうございました。
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